布見ヶ岳北峰東谷 〜 布見ヶ岳(366.2m) 〜 千刈ダム周回路
コース概念図 コース断面図
↑「地図」上の○印をクリックするとその位置の画像を表示します。
2018年12月 1日 (土曜日)薄曇り メンバー:単独
歩行距離 10.7q/歩行時間 5時間45分 (休憩時間 0時間35分) 所要時間 6時間20分
《レポート画像》
↓クリックで画像が拡大します。
到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
09:15 - 09:18 いよいよ今日から2018年最後の月となる12月が始まる。

街中がジングルベルで賑わう前に冬枯れの里山を歩いておこうという事で久々の北摂へ出かけてみた。 宝塚駅前から波豆行き阪急田園バスに乗り継いで、終点一つ手前の清之瀬(きよのせ)橋で下車してバス道を戻るようにスタートするが、ここは波豆川と羽束川が合流する千刈ダムの北端に位置している。

9:19 県道68(川西三田線<北摂里山街道>)から東へ伸びる舗装路への途中、橋の東端で左手(=北)方向にチョコンと頭を覗かせる大船山が見える。
9:20 足元には橋下を横切った波豆川が右手(=南)方向へ流れ込んで静かな水面を見せている。
9:21 バス停から250m程進むと右手に地形図で破線の記された地点に着くが、
09:22 - 09:25 1軒の民家とだだっ広い空き地が確認できるだけで道らしいものは見あたらないので付近を少し探索してみる。
9:27 広場の右(=西)端に刈り取られていないササとススキに覆われた中に、ウッスラとした踏跡に気がついた。 これが破線の入り口だと判断して足元に注意しながら伝う事にするが、地形図には2つの破線ルートが記載されている。 一つは布見ヶ岳北峰の尾根筋を辿り、もう一つは北峰東側の谷筋を辿るルートなのだが取りあえず谷筋を伝ってみる事にした。
9:30 踏跡はすぐ落ち葉の堆積した左岸を伝う明瞭な道に変わるが、この後に数多くの難所が待ち構えているとは予想もしていない。

前方に2カ所ほど若い灌木が横たわる最初の関所が現れるが、ここは余裕で跨ぎ通る。

9:31 次に待ち構えているのは左岸から右岸を隔てる1.5m幅に窪んだU字に抉れた沢を渡るところだが、飛び越える事は今の自分では不可能なので適当なところを徒渉しなければならない。
9:32 行きつ戻りつしても渡れそうなところが見あたらないのでやむを得ず、4〜5本の倒木を敷き集めて何とか足場にして渡る。
9:34 再び道は左岸を緩やかに伝い登るように沢沿いの樹間を辿るが、
9:37 程なく明るく開けた二俣に着く頃には踏跡が少し怪しくなってくる。 地形図を見ると、右俣を採れば布見ヶ岳北峰へ直接突き上げるが左俣は西谷の森公園への峠越え破線道なのでここは左の谷へ足を進めて見る。
9:39 踏跡の輻輳した広い谷筋を南に進むと色褪せた赤いリボンが初めて目にはいる。
9:55 尾根を登るように記載された破線と岐れ、実際の踏跡は谷筋を南西方向に高度を上げて行くのでこの谷筋を辿ると、いよいよ倒木ラッシュが始まる。

朽ちた倒木が現れるが跨いで通るのは困難なので自身の短い足を恨めしく思いながら四つん這いでクリアする。

10:03 その後も10m刻みで次々に倒木の難関に出迎えられるが、高捲いたり乗り越えたり四つん這いになって通過するので滲み出す汗と消耗した体力に較べて高度も距離もあまり稼ぐ事が出来そうにないまま、谷は南方向へ転換する。
10:14 ウンザリとする倒木のラッシュにギブアップして遅まきながら右手の尾根筋にエスケープしようかと思っていると、目の前が開けて峠に登り着いたようだ。

後日になって先人の足跡を調べてみると“清之瀬橋からの谷ルートは倒木の嵐で既に廃道然となっている”とコメントされているサイトもあって、リサーチを手抜していた事に悔いは残るがシッカリと印象に残るルートだった事で達成感も味わう事が出来た。

10:15 "峠は平坦になっていて、前方(=南)に整備された湿原状の広場が見えるので確かめて見ようと足を運んでみる。

※帰宅後に改めて検索してみると宝塚西谷の森公園の北西端(28地点)に着いた事が判り、今更ながら見識のなさを自覚する事になろうとは f(-_-;)"

10:18 - 10:21 峠の南側はやはり整備されていて、酪農センターか植物センターの一部だろう程度に思いながら今登ってきたU字の道を振り返ると、頭の中で瞬間移動が行われて“西谷の森分岐”なのに北峰と布見ヶ岳を結ぶ鞍部に着いたものと思い込んでしまう。

遂に認知症が始まったかな?

10:22 そこには(公園区域外で民有地のため立入禁止)の看板と(布見ヶ岳⇒)の私製道標が建てられている。 稜線の分岐であれば布見ヶ岳は右ではなく左なのに・・・・とまだ続く勘違いのままで道標通り右への踏跡を伝ってみる。
10:50 いつの間にか稜線に出ると前方にコンモリとしたピークが見えてくる。 これが布見ヶ岳北峰なのだがリサーチ不足で同定出来ず、振り返って背後(=南)に端正な山容のピークを見つけた時点で「布見ヶ岳だ!」と気づいたところで、今日初めて地形図とコンパスをチェックして思い込みによる頭のズレを修正する。
最初は緩やかな傾斜だった布見ヶ岳への北陵も徐々に傾斜が急になってくる。
10:52 足元に降り積もった落ち葉で滑らないよう山頂直下の急斜面を登り詰めると樹木の切れ目に小広い台地状の布見ヶ岳を踏む。
10:53 - 10:57 山頂には四等三角点(点名:布見ケ岳 標高:366.21m)が埋められているが、冬枯れには少し早かったようで雑木に遮られて眺望は殆ど望めない。 僅かな樹間越しに羽束山〜大船山の姿を確認出来る。
里山には珍しく私製の山名板も目立たず、ユッタリとした山頂を好む人には打って付けの山ではないだろうか。
11:05 貸し切り状態の静かな山頂で汗も曳いたところで南東方向に続く踏跡も明瞭な急坂を伝うが、数分も下って徐々に傾斜も緩やかになってくると
11:06 ここまでシッカリと付けられていた踏跡が複雑に入り交じるようになる。 ややこしい踏跡に惑わされることなく尾根筋を忠実に辿ると
11:09 - 11:14 山頂から20分で尾根を東西に横切る四差路の鞍部に着く。 見回すと辻の樹木に詳細なコース地図が巻き付けられているが、残念ながらこれから辿る南への尾根筋にはコースが描かれていない。 ここからは地形図とコンパスは勿論だが前方に見え隠れする306mピークを目標に踏跡を辿る。
11:21 先程の地図にない尾根筋を辿って行くが相変わらずハッキリとした踏跡が刻まれていて、5〜6分で尾根筋を南東から北西に横切る明瞭な道が交差する。 目標にしていた306mピークを右手に見る事になるのでおそらく酪農センターからピーク越えで千刈ダムを結ぶ道だと思われるがやはり地形図には記載されていない。 踏跡は306mピークの東側から谷沿い左岸を下るようなので引き続いて踏跡を辿ってみる事にするが
11:51 目の前に地滑りで鋭く切れ込んだ谷が現れる。 ある程度の想定はしていたのだがここまで見事に踏跡が遮断されているとは・・・・
生憎踏跡は向かい岸に続いているので、渡れそうなところに気を配ってヤブを漕ぎながら下って行くと
11:57 狭くなった谷筋を差し渡すように横たわる倒木の助けを借りて谷を渡り、踏跡の見られる右岸を伝う。
12:01 5分ばかりも谷筋を伝うと谷は広くなって傾斜も穏やかになり、小さな流れも視界に入ってくる。 地形図で確かめると酪農センターから西に伸びている不明瞭な破線の道に合流したようだが、計画していた地点より400m程東に降り着いた事になる。
12:05 この踏跡は2005年に逆ルートで歩いたルートなのだが勿論記憶には殆ど残っていない。 ハッキリと覚えているのは地形図に実線で描かれた道だったという事と、今程踏跡が荒れてはいなかった事くらいだ。
12:08 岸辺を通る踏跡は不明瞭で荒れているので、ここからは可能な限り直接沢身を伝って西へ足を進めるが、相変わらず倒木のオンパレードには予想外のスタミナを消費させられる。
12:11 やがて右岸の踏跡(=破線)がハッキリと落ち着きを見せてくるので足元への注意は少し省けるようになり、左右に現れる谷や尾根の様子を確かめながら足を進める事が出来る。
12:16 そして右手に最初計画していた306mピークから南への谷筋が現れるが、踏跡がなさそうなのでもし予定通り歩いていたら相当なヤブ漕ぎを強いられた事だろう。
12:32 踏跡は左岸に変わるので適当な場所で徒渉すると、左手に小さな谷筋が現れる。
計画ではこの谷を詰めて大岩ヶ岳東の岩峰から北に延びる竜ノ背尾根に登り、大岩ヶ岳の南尾根を東山橋まで縦走しようと考えていたのだが、右膝の違和感と溜まった疲れが気になるのでヤブ登りは辞退してダム湖を周回する事にする。
12:43 竜ノ背への取付から約10分、前方に沢を跨ぐ古い石の橋が現れてダム周回歩道に到着した事を教えてくれる。 橋からは樹木に遮られてチラチラとしか湖面を見る事は出来ないまま、左岸周回コースを南に伝う事にする。
12:47 道は緩やかに高度を上げながら山裾を捲くが、右足下がりの斜面を伝う事になるので落ち葉の下に隠れた小石や枯れ枝を踏まないよう足を運ばなければならない。
12:49 少し疎らになった樹間越しに、入り江状のダム湖が静かな湖面を覗かせる。
12:59 10分も辿ると流れてきた土砂で殆ど埋もれ掛かった石橋が迎えてくれるが、左への谷道を辿ると大岩ヶ岳から東の稜線鞍部を経て大岩ヶ岳〜丸山湿原へ続いているのだが、多量の倒木が想定されるので今回はこのまま右の周回歩道を伝う事にする。
13:01 全体的には地道歩きで足に優しい湖岸の道だが、岩壁が切り立った所ではコンクリートで固められた道を歩く事になる。
13:04 - 13:20 岩壁が途切れると再びなだらかな地道に変わるが、目の前に二人掛かりでないと抱えられそうにない程の巨木が横たわっていてとても跨いでは通れないので馬乗りになる。

ここで今日初めて腰を下ろす事が出来た事と昼食が終わってなかった事に気付き、遅まきながら湖面越しに色づいて来た山並みを眺めながらの昼食タイムを挟む。

13:24 食後も続いて周回路を南に辿る事になるが高度が上がるに従って見晴らしも広がり、北方向にニョッキリと頭を持ち上げて独特の山容を見せる大船山の見送りを受ける。
13:28 周回路は緩やかにだがどんどん高度を上げて行くので、先程まで水平位置にあった湖面も見下ろす様になる。 すぐ目の前に台風に耐えきれず倒た樹木がコースを遮断しているので左手から捲き通る。
13:58 さらに高度を上げて尾根に登り着くと左手に明瞭な道が分岐する。 一般的に案内されている大岩ヶ岳へのメイン道で、多くのハイカーに歩かれているためにU字に削られて少し歩きにくそうだ。
13:59 勿論この分岐は右への下りを採るがこちらもU字状に抉れているので、あまり快適とは言えないが
14:01 すぐ懸念していた深く狭い溝状の難路に変わったところでコースの外を辿る事にする。
14:36 湖岸の尾根道から捲き下って広くなった谷筋まで来ると落ち着きを取り戻したように快適な道に戻る。
14:42 そして千刈ダム下のフェンス沿いを羽束川左岸に下り着く。
14:45 頭上には見事な彩りに塗り替えられた紅葉が無事を祝福するように迎えてくれ、疲れも足の違和感もほんの一瞬だが忘れてしまう。
14:49 ダム直下の上流に架かる千刈橋を右岸に渡ると
14:54 対岸の紅葉に来とれていたが、すぐ横の貯水場事務所前でも深い緑一色の中に鮮やかな紅葉がピンポイントの鮮やかさを見せてくれる。
15:29 やがて頭上から聞こえてくる人声が少しずつ遠のき、ゴールの道場駅が近づいたところで後方を振り返ってみるが不動岩にクライマーの姿はない。 たぶん、既に岩場を降下した後の会話だったのか。
15:34 - 15:38 今回のゴールとなる道場駅に到着すると、運の良い事にベンチに腰掛ける間もなく到着した列車に乗り込む事が出来た。
ページの先頭へ