牧ルート 〜 鴻応山(678.7m) 〜 府境界尾根
コース概念図 コース断面図
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2018年10月31日 (水曜日)曇り時々晴れ メンバー:単独
歩行距離 8.2q/歩行時間 4時間17分 (休憩時間 0時間34分) 所要時間 4時間51分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
9:18 阪急宝塚線に乗って池田駅で下車し、改めて阪急バス西乗り場から126系統に乗って終点の牧で降りる。 手持ちの温度計は気温22℃を示している。

今回歩く山は、“マイナーでよく歩かれている割に道標が少なく踏跡も薄い、また里山独特の判り難い分岐が多くて読図練習に適している”との案内とコースのレポが極力少ない事に興味を曳かれ歩いてみる事にした。

9:21 国道423(摂丹街道)に沿って北を望むと、ドッシリと横たわる鴻応山(こうおうさん・こうのやま)が目に着くが、これが今回登る予定の山で標高はポンポン山と同じだと紹介されている。 実際はバス停が既に400mという事で標高差が僅か280mと言う事から、脚力が劣化している私でも大丈夫だろうと軽く考えて決めた山で、大阪50山亀岡自然100選にも選ばれているそうだ。
9:23 バス停すぐの左手から梅相院長福寺の見送りを受けて長閑な田園風景を見やりながらノンビリ足を進めると
9:24 まず最初に信号機のある丁字路にかかるのでここは直進する。
9:25 さらに100mも伝うと次の丁字路が見え出すところで前方に京都府亀岡市と書かれたほぼ平坦な峠が姿を現す。そしてこの辻を右の農道に採って牧の集落へ向かうが、鴻応山の南側は大阪府豊能町になっているので丁度大阪府と京都府の境界沿いを歩く事になる。
9:26 道は田園地帯の中を1車線の舗装路が東に伸びているが、せっかくの田園風景に癒されながら歩くのでなるべくなら地道のままで残しておいて欲しいと思いつつ、高齢化が進み道路の補修作業などを考えると極当たり前の事だろうと得心する。
9:28 ポツポツと姿を見せる民家からは物音一つ聞こえて来ないので、なるべく音を立てないようにソッと緩やかな坂道を伝い辿ると
9:31 地形図に407m独標の打たれた用水池が右手に拡がり、静かな水面の向こう岸から1羽の鷺が見送ってくれる。
9:34 集落の最も奥まった地点で丁字路が現れるので左手に小さく見える私設道標を見つけて左折すると
9:35 すぐ道がY字に分岐しているのでここは右(=直進)を採る。
9:36 両側に並ぶ民家を通り過ぎると二つ目の私設道標が左への道を案内してくれるのでこれに従って左へ折れる。
9:38 若い植林帯に入ると、早速前方に待ち兼ねたように立ち塞がる獣除けフェンスのチェックを受けるので
9:39 大きな扉を開けようと無駄な操作を仕掛けるが、右下に小さな扉が設けられているのに気がついて改めて潜り抜ける。
9:41 やがて、ゲートまで続いた舗装路も降り積もった落ち葉を過ぎると地道に変わる。
途中で左に岐れる細い踏跡が2〜3回目に付くが、里山独特の踏跡の薄い複数の分岐は判らないので取りあえず太い道を進んで行くと
9:42 ハッキリとした分岐に着くが、地形図によると柵の打たれた右の道は3つの地塘へ続いているようなので、道標のないこの分岐では左の樹林に足を進める。
9:44 落ち葉や小枝がつもって道は不明瞭になってくるが、道標がないので立ち並ぶ樹木の間が広くなっているところを目視しながら東へ辿る。
9:54 やがて途中で踏跡を見落としたのか、いつの間にか檜の疎林に迷い込んだようだが谷筋に出たところでGPSを確認すると大きくはずれていない。
参考にしたサイトのレポも既に10年ほど昔に歩かれた情報だけなので、手探りで作ったルートの精度はあまり信用出来ないと判断してこの谷筋を詰めてみる事にしたのだが
9:57 谷には小石や小枝が散乱して歩きにくいので谷沿いに左岸を詰め上がる。
10:02 落ち葉に隠れた小石や小枝に辟易しながら疎林の斜面を登って行くと、ゲートを通過して以来初めて看板らしいものが目に付くが、近づいてみても全く文字を読みとる事が出来ない。
10:08 今まで緩やかだった斜面も次第に傾斜を増してきて、歩き難さに加えて急な勾配のお陰でペースはガクンと落ちる。
10:13 何度も立ち休憩を挟みながらの急斜面にウンザリ仕掛けた頃、樹間に稜線が見えてきたので少しペースを上げようかと足に相談してみるが、色よい返事が得られないのでペースダウンのまま足を運び上げる事になる。
10:20 - 10:22 稜線に登り着くと尾根を左右に走る薄い踏跡に合流するが、ここが地形図に寺田からのルートと書かれている破線ルートで幹に捲かれた残置テープが遠慮気味にコースである事を教えてくれる。
予定では10時24分到着となっているので時間的には問題ない。 取りあえず足の緊急動議に便乗して何度目かの給水休憩を採る。
10:28 この分岐から地形図では尾根伝いに北へ向かっているが、実際の踏跡は尾根をトラバース気味に北東方向に捲いているのでその踏跡を辿る。
10:29 踏跡は少し北方向へ変わると肩の高さ程あるササ原に変わるので足探りでしっかり付けられている踏跡を伝うと
10:30 - 10:31 突然多くのテープが捲かれた幹が視界に入るので、この分岐を左折する。
地形図には分岐が存在しないが、この尾根が京都府と大阪府を分ける府境界尾根である。
10:31 登山口以後初めて鴻応山への朽ちた道標が檜の根元に置かれて姿を見せる。
また、復路ではこの分岐を直進して境界尾根を伝う予定になっているので目視で踏跡を事前に確かめて先に進む。
10:36 足を進めると植林の切れ目で姿を現すササや倒木が障害走レースのようなコースに彩りを添えてくれているようだ。
10:38 この後はほぼ平坦になった境界尾根を北西方向に伝う事になるが、檜の疎林が拡がって踏跡も判りにくい尾根を5分程辿ると
10:43 - 10:53 予定通り樹林に取り囲まれた鴻応山山頂を踏むが、背丈以上に育った樹木に遮られて眺望は望めないので三等三角点(点名:鴻応 標高:678.72m)をソッと踏んで、山頂を簡単に巡回してみる。

※標高678.72mは2018.10.31時点での「国土地理院基準点」によるもので、因みにポンポン山は678.83mとなっている。

10:53 山頂からは北西側に下る薄い踏跡の傍にも道標が取り付けられていて【←鴻応岩・柚原へ】と僅かに読めるが、岩まで行けば眺望も期待できるとしてもコース状況や時間が不明なのでピストンに不安を持つ足に考慮して下山に取りかかる。
10:56 境界尾根の踏跡は往路と逆で、左手の京都側は植林で右手の大阪側はササ原が目立ってくる。 4〜5分で着く牧・寺田方面との分岐を直進して地形図にも書かれていない境界尾根を西へ伝うが、途中で大ポカをやらかしてる事に気がつかない事態に・・・・
実は尾根上の倒木に遮られて左手から大きく捲き通ったつもりだったのだが、
11:23 戻った筈の尾根は境界から北東へ岐れた峠山への尾根だったことで25分も下ったところで激下りの尾根尻に着いてやっと気がついた。 地形図で確かめると目の下には道の通っていそうな谷筋も見えるのだが、崖状の激斜面なので引き返すハメに・・・・
11:52 足からのブーイングを宥めて、休み休みで何とか元の地点に戻るのに35分も掛かってしまい往復1時間のアルバイトだった。
12:04 やっと戻った境界尾根には道標やテープは目に付かないが、明確な踏跡が地形図の府境界を辿って西へ下っているので一安心。 程なく明るく開けた峠に降り立つと高さ17〜8m程の巨大な檜が峠道に行儀良く横たわっているのに驚かされる。
予定では11時10分に到着だったのだが余計なアルバイトのお陰で1時間遅れでの到着だ。
12:12 - 12:33 地形図でも実線で書かれている峠道で、切り開きになっていて古くからよく利用されていた事を感じながら倒木に腰掛けて昼食していると軽快な足音が聞こえて。 音のする方を見ると1頭の鹿が東側の樹林に走り去るのを見届けるが実に見事なジャンプでとてもカメラに納めるのは無理だった。
12:34 予定では峠を越えてさらに境界尾根を東に辿り、もう一座歩ければと考えていたのだが、足の張りと1時間遅れが気になるので今回は余裕を持たせてよく歩かれた林道を下る事にした。
12:39 気持ちの良い林道は山裾に沿って緩やかに高度を下げて行くが、この道にも台風の影響か倒木が横たわっているが住民の方が整備して下さったお陰で容易に通行できる。
12:45 S字を描くように下って行くと峠から20分程で草に埋もれた橋が左手後方に見えるが、今では廃道然と化した破線の道を過ぎると程なく
12:50 左に不思議な形をした檜が目に付く。 いったいどんな状況でこのような形になったのか興味津々といった心境になるが、自然界には人間の考えも及ばない出来事が限りなく存在している事実を改めて教えられる。
12:54 植林が途切れると視界が大きく開けて寺田の集落と棚田が目の前に拡がる。
13:00 この後はどうしようか考えるが妙案は浮かばないので、取りあえず畦道を近回りして寺田集落の外れに出るつもりだったが、畦道には縦横に獣除けの電柵が設置されているので結局大回りする事に・・・・
13:16 バスの時間まで少し余裕があるので、出来るだけ舗装路を避けて長閑な田園風景を楽しみながら余野まで歩く事とする。
13:23 寺田集落から南へ切畑川沿いの畦道を探すが、残念な事に電柵が張り巡らされて仕方なく静かな舗装された農道を進む事になる。
13:32 時折道端に柿の実が顔を覗かせるが、この辺りの野鳥は食餌に恵まれているのか丸い実には啄まれた跡も見かける事が出来ない。
13:33 振り返ってみれば、刈り入れの終わった田畑を見下ろすように先程立ち寄った鴻応山のドッシリとした姿が目に飛び込む。 ひょっとして豊能富士と呼ばれるのはこの辺りから見える姿に付けられたのかなとも思うが、歌垣山方面から眺めた姿とも聞くので実際のところは判らない。
13:48 農道から府道109(余野車作線)に飛び出すと車両の通行も目立ち、長閑な雰囲気は一瞬でかき消されてしまう。
13:57 府道から国道423へ合流する手前で右手に錦山塚が目に入ったので足を止めてみるが、由緒はともかく興味を曳かれるほどの内容は感じ取れなくそそくさとその場を後にした。
14:09 100m程でバス道(国道)に出たので時間調整を兼ねて余野の街路で何か興味深いものはないか、とキョロキョロ見てみるが人通りもなく案内標識も見あたらないままバス停に着く。

それにしても、目に焼き付いた鹿のジャンプは見事で電柵など意味のない対策かも・・・・

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