梶山コース 〜 雨飾山(1963.2m) 〜 梶山コース
コース概念図 コース断面図
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2013年08月26日 (月曜日)晴れ後曇り メンバー:5名
歩行距離 6.9q/歩行時間 8時間44分 (休憩時間 1時間34分) 所要時間 10時間18分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》

13:25
《プロローグ》
早朝に大阪駅を出る特急列車から乗り継いで5時間、久しぶりとなる糸魚川駅で列車を降りて駅前で昼食を済ませ、集合時刻の14時まで周辺を散策していると県指定史跡・相馬御風宅が目に止まったので立ち寄る事にしたが正直なところ初めて耳にする名前だ。案内板で早稲田大学校歌や童謡“春よ来い”の作詞者で・・・と書かれている事で「なるほど」

メンバーが揃ったところでタクシーに乗って今回の前泊地雨飾山荘まで移動する

14:44 タクシーを降りたところが、深田久弥氏が3度目でやっとその山頂を踏むことができたという雨飾山への登山口で、ここから100m程のところにある前泊地の雨飾山荘まで歩く事になる

※深田100名山の雨飾山には大きく分けて「表」と言われる新潟県・雨飾温泉からと「裏」と言われる長野県・小谷温泉からの登山道が整備されていると案内されている  もっとも深田氏は裏登山道の小谷温泉側から登ったという事だが・・・

14:45 道を左に曲がるとすぐ目の前に雨飾山荘が姿を見せるので、一通り山荘前の風景を確かめる事にする

雨飾山は頸城山塊(妙高連峰と呼ばれることもある)に突き上げる火打山・妙高山・焼山の西端に位置する山で、深田100名山の一つと説明されている

15:54 まずは山荘の西に隣接する三角屋根の建物が内風呂で、山荘の伊藤オーナーによる手造りだとか・・・

さらにその西側を通る道が登山道で

15:50 登山道を挟んで、“都忘れの湯”と名付けられた露天風呂が設えられているので中を覗いて見ると、5〜6人は入れそうだが底に敷かれた石には藻がへばり付いて浴槽は暫く掃除されていないように見える

絶え間なく流れ落ちる湯は源泉掛け流しで飲用可能な重曹泉と案内されている

15:53 一巡りした後は明日に備えて早速内風呂と露天風呂で筋肉をほぐしたが、内湯は私には熱すぎたので冷水を注いでおいて先に露天風呂に実際浸かってみたところ予想通り底はヌルついているので要注意! この後内湯に入り直して北側に横たわる峻険な海谷三山を構成する駒ヶ岳〜鬼ヶ面山〜鋸岳を眺めて夕餉に向かう
17:37 連泊初日の夕食タイムは、雨飾山への直前対策をテーマ?に最終確認を兼ねるのでビールは1人2本以内に留め、食後は準備を済ませて消灯時刻の午後9時前には床に就き明日に備える

05:49
《山歩き当日》
出発時刻の6時を待ちかねて外に出てみると目の前に聳える鬼ヶ面山の尖峰に陽が射しているのを確かめて一安心

前日決めた通り朝食を弁当にして貰ったのでオニギリを1個食べて残りは昼食に回す事にする

05:56 出発予定の6時まで数分残して雨飾山荘をスタートして
06:01 すぐ裏に流れ落ちる千代の泉を右に見て登山道を伝うと
06:01 20m程のところに今回登る薬師尾根の由来となる薬師堂が建てられているので立ち寄って山行の無事をソッと祈願する
06:11 ここからは事前に案内書で見た通りの急坂が待ち構えているのでペースを控えめにして自然石の階段に足を運び上げる事になり
06:33 - 06:38 山荘をスタートして35分程で薬師尾根の稜線上にある最初の休憩ポイント難所のぞきに登り着くが、歩くペースを標準タイム×1.2に設定しているのでほぼ設定通り(30分×1.2=36分)のペースで出足は順調だ
06:54 なおも続く激登りで手造りの木製ハシゴを登って1309m独標に着くと樹木が途切れ、背後に鋸岳と鬼ヶ面山がクッキリと顔を覗かせてくれる
07:45 - 07:52 道は再び樹木に遮られるが踏み跡はシッカリと付いているので迷う心配はなく、ユックリと高度を上げて行くと展望の開けた独標から40分程で木の根に架けられたアルミ梯子に迎えられる
さらに木製の梯子を越えると10分程で一ぷく処と標識の付けられた小さなベンチの置かれた台地に着くので休憩を挟む事にする
08:09 程なく右側が切れ落ちたヤセ尾根を通過するので滑落に気をつけて足を運び上げると先程より堂々とした姿を左後方に見せる海谷三山に思わず足を止める

※海谷三山:鋸岳(三等三角点 点名:鬼ケ面 標高:1630.95m) 鬼ヶ面山(1591m) 駒ヶ岳(三等三角点 点名:駒ケ岳 標高:1487.40m)

08:51 - 08:54 道は初めて平坦な山腹を捲く水平道に変わるので稜線は次第に高く離れて行き、40分程で湿原状に拡がる中ノ池に着く
周囲は一面にガスが立ち込めて完全に幽玄の世界に迷い込んだのではと一瞬錯覚するが、途中から抜きつ抜かれつで歩く事になった横浜から来られたという年配の7人パーティーも暫く休憩されるようなので一足先に山頂へ向かうが
09:50 大きく離れてしまった稜線との距離を一気に取り戻すようにここから高度を稼ぐ事になり、以前に増して急登が続く斜面に張られたロープの助けも借りながら足を運び上げる事になる
10:13 - 10:19 やがて道脇にササが目立ち始めると勾配も緩やかになり、中ノ池からはほぼ標準時間に近い1時間20分で笹平に登り着く
10:28 一面に波打つように拡がるササ原の南西方向にはなだらかな双耳のピークを持つ雨飾山が青空の下におおらかな姿を現す
10:45 一旦笹平から山頂との間にある鞍部まで下ると左後方足下に見える雪渓の残る谷を強烈な高度感で駆け下っている荒菅沢(あらすげさわ)を見やり、頂上直下の急な山肌に付けられたジグザグの急坂に取り付く
10:44 最後の急登途中から振り返るとテーブル状の笹平が柔らかな起伏を見せているが、左手の新潟側から駆け上ってきて拡がりだしたガスが気になってくる
11:01 - 12:00 壁のように見上げていた山頂への登りも笹平から40分で今回の目的地、二等三角点(点名:雨飾山 標高:1963.21)と「雨飾山大神」の石標が打たれた雨飾山南峰を踏む事が出来たが、スタートして5時間もの急登の連続に2000mに満たないこの山の大きさを実感する事になると同時に気になっていたガスの拡がりが現実になり、少々ガックリ
最初に足を向けた南峰からは北アルプスの雄大な連なりを期待したが大きなガスに覆われているので遠望を断念して昼食タイムを楽しむ、食後も一向にガスの切れる気配はないので諦めて双耳峰の北峰に回ってみる
11:50 北峰には「雨飾山姫神」が祀られているとの事なので、恐らく中央に祀られている尖った石碑がそれかも知れないがそれ以上には興味が湧かない
こちらへ来てみると中ノ池で別れた年配のパーティーが寛いでおられるのに気がつき挨拶を交わすが、この後南峰に立ち寄ってから下山されるとの事なので今夜の宿が我々と同宿という事で、下山後の再会を楽しみにして一足早く下山の準備に取りかかる
依然として北アルプスを取り巻くガスも北方向に横たわる海谷三山にもガスが懸かって望む事が出来ないので眺望を諦める
12:01 下りは高度感も強くなるので壁のように垂直に近い荒菅沢源頭部の鞍部へのジグザグ道を慎重に伝い下り、広々とした笹平を辿って梶山分岐に着く
予定では鋸岳との最低鞍部を経由して下る事になっていたが、ガスで鋸岳も見る事が出来ないのならば往路をピストン下山する方が安心だろうという事で予定変更を決めた後少し足を休め
13:24 - 13:27 ザレた激下りで入れ替わりに全員が尻餅を付くというモタつきはあったが、大きなアクシデントに繋がることなく無事に下りる事が出来たので相変わらずガスに烟った中ノ池でも疲れた足を休める
14:17 - 14:23 ここからは暫く平坦な道が続くので足を休ませながらノンビリ歩く事が出来るが、40分も歩くと往路で印象に残ったヤセ尾根を過ぎてベンチのある一ぷく処に着くので、少し足を休めて膝に溜まったダメージを和らげる
14:37 続いてこれも記憶に残るだろうアルミ梯子で高度差3mを稼ぎながら、連続する急斜面にも往路での体験を活かした体重移動に心がけて散らばる小石を避けるように足を進めると
16:14 1時間程で稜線下りの終わりとなる難所のぞきを過ぎて、後は急な山肌に刻まれた山道を慎重に伝うと千代の泉が湧く登山口に下り着き、山頂から4時間掛かって雨飾山荘にゴール

2000mに満たない山だがなかなかタフで大きな山だった事に大満足!

17:05 早速温泉に飛び込んでユックリ汗を流し、頑張った足を労った後は山荘名物と聞いていたはんごろしラーメンで空腹を満たして夕食までノンビリ寛ぐが、30分程後に下山を始めた筈の7人パーティーがまだ降りて来られないのが少し気になりだす

山荘の伊藤オーナーも少し気になりだしたようだが「今の気温は夏だから一晩くらい野宿しても問題はないのだが、10時までに戻らなければ見に行きますよ」と心強い返事

20:19 やがて夕食時間の18時になったのでレストランに足を運ぶと「今夜のお客さんは3組17人なので、ユックリ夕食を楽しんで下さい」とオーナーからの一声で夕食タイム(我々は反省会?)がスタート
残る1組は我々と同じ5人組という事なのでお尋ねすると、東京から来られたご夫婦と奥様の姉妹という珍しい組み合わせで「何処へ行く時でも6人一緒ですよ」との事なので奥様は5人姉妹という事だろう

陽気な5人組の食事が終わる頃やっと7人組がご帰還、「膝が笑い出したので休み休み降りてきた」との事だが平均80才とお聞きして思わず「恐れ入りました!」、メンバーは某大学ボート部の先輩後輩で今も時々湘南でボート遊びを楽しまれるという湘南ボーイだ


07:25
《エピローグ》
一夜明けて心地よい疲れと余韻を味わいながら朝食待ちに静かな山荘の雰囲気を脳裏に焼き付けておこうと思い立ちカメラで一巡りしてから
07:38 初めての朝食にはオーナーから「ぜひ、温泉粥を味わって見て下さい」との心遣いで珍しい重曹泉で炊いたという少しスポートドリンク風味の粥を戴いた
09:50 食後は頼んでおいたタクシーが着くまで昨日見る事の出来なかった鬼ヶ面山と
09:50 鞍部から見上げる予定だった鋸岳の勇姿をカメラに納めてタクシーに乗り込み
10:15 糸魚川駅まで移動するが、オーナーから「途中の赤い橋から振り返ると猫の耳を見る事が出来るよ」と聞いていたので橋でタクシーを止めて戴き振り返って見る

なるほど、双耳の雨飾山が愛らしい猫の耳に見える

19:58 昼食を糸魚川で済ませて今夜の宿がある富山駅まで移動、ホテルでチェックインを済ませて荷物を宅配便で送る手配を終えJR高山線に乗り換えて越中八尾で行われる“風の盆”前夜祭(8/20〜8/30)を観賞する事になっている
今夜は東町通りで行われるそうで、駅前からバスに乗り運転手さんにお願いして都合の良い停留所で降ろして戴く
20:08 踊りが始まると最初は男の子の恥ずかしそうな身振りから
20:12 女の子による踊りが少し華やかな雰囲気を盛り上げるが、自分の知ってる盆踊りとは違い何となく優雅な踊りに見える
20:30 踊りの列は二手に分かれたので舞台組を観る事にしたが、どうやら間違いだったと気づくが仕方がないので暫くこのまま観てみようと思っていると舞台で男踊り?が始まった
なんとなくユーモラスな奴踊りを連想してしまうが
20:32 そのあと女踊り?に変わるとやはりしなやかで優雅な踊りなので男踊りと女踊りがある事を確信した
20:12 舞台組は距離も遠くてカメラ撮影には馴染まないのでもう一つの町流しグループの方に回るが、やはりすぐ近くで表情まで見える事が嬉しい

まずは小さな踊り手が少しぎごちなさの残る振る舞いで目の前を通り抜けると

20:06 やがてしなやかで優雅な女踊りが最後を締めるように
20:47 編笠で隠され見えそうで見えない女性の顔も幻想的な雰囲気の一翼を担っているのかも知れないと自身を納得させる
21:16 観光客の少ない前夜祭ということで踊り手の人達も和気藹々と振る舞い、本番のような余計な規制もなく楽しい時間はみるみるうちに過ぎてしまったので駅前まで戻ると、賑やかな笑い声に包まれての練習風景まで見せて戴く事が出来た

※本番は9/1〜9/3の三日間で大変な人混みで大混雑するようで簡易トイレが至る所に準備されている


09:29
《帰阪当日》
富山の夜は一瞬で終わって最終日は茅葺き合掌集落を見学するという事で朝7時に富山駅から高岡駅を経由して城端(じょうはな)線の終点で加越能バスに乗換え、ひとまず五箇山(平村相倉集落)で下車する

ここではバス停までもが茅葺きになっているのが面白い

09:37 集落の入口で迎えてくれた案内板には火災に対する備えが大きく掲示されているが、家屋の造りを考えれば至極当たり前の事だろう
10:28 少し集落を周回すると展望台の案内が目に付いたので早速足を進めて集落を俯瞰すると、こぢんまりとした静かな佇まいの集落なので観光目的で立ち寄る人の少なさにも納得して次の集落に移動する
12:16 やはりメインの白川郷までくると観光客も多く集落の規模も大きい事は案内板からも窺う事が出来る

自身は世界遺産になる以前に訪れているので、なるべく苦手な人混みを避けて荻町城址展望台からの街並みを見るだけにする、

13:49 ノンビリ歩いて登るのも良いが後行程を考えて展望台行きシャトルバスで荻町城趾まで行き、眼下に広がる街並みをジックリ俯瞰した後は徒歩で集落散策となるが私は1本早いバスで次の集落を訪れてみる

※荻町合掌集落に関してはこちらのサイトで詳しく紹介されている

13:57 城端行きバスに揺られて次は五箇山(上平村菅沼集落)で下車する

こちらも規模が小さく案内図でも20棟程度の集落だと判るが、昔は黒色火薬の元となる塩硝を年貢代わりに納めていたとの興味深い説明がなされている

14:04 家屋自体は他の集落と変わらないが、集落の規模が小さいく隣家との空間が大きいのは相倉集落と類似しているように思える
15:07 何よりも違っているのは庄川を挟んで集落と対岸を結ぶ籠の渡しがあり、集落へのアクセスとしてエレベータが運行されている事だろう
14:55 そして集落の中央にある公衆電話Boxにも茅葺きスタイルになっている事が面白い

この後、城端行きのバスで他のメンバーと合流し、城端〜高岡を経由して帰阪した

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