八方アルペンライン 〜 八方尾根〜遠見尾根(2620m) 〜 五竜テレキャビン
コース概念図 コース断面図
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2012年09月20〜21日 (木〜金曜日)曇り一時雨 メンバー:4名
歩行距離 15.4q/歩行時間 11時間37分 (休憩時間 1時間25分) 所要時間 13時間02分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》

08:07
《プロローグ》
我が山歩き同好会の発起人、ミヤさんの復活記念を兼ねて10年振りの後立山トレックだがお天気には歓迎されなかったようで空は生憎の鉛色
お馴染みのペンションオーナーのご厚意で八方アルペンラインまで送って戴きゴンドラで一気に1830mの八方池山荘に着くが、どんよりとした重たい雲が途切れる事がないまま歩き始めることになりそうでなかなかテンションは上がらない ただ今の気温は22℃

08:37
《第一日目》
連休の狭間と言うこともあって八方池山荘前は人混みもなく静かだが、ミヤさんの復活記念と併せてケンさんの北ア初体験も兼ねているので、これで青空だったら申し分ないのにと恨めしく思いながら八方尾根自然研究路をノンビリスタートする
08:46 今回は人混みもないので敢えて木道コースではなく尾根道コースを辿ることにするが、相変わらず灰色のベールに取り囲まれて景色を楽しむことも出来ない
09:12 - 09:15 足元に散らばる岩ガレに気をつけて尾根道を30分程伝うと三等三角点(点名:八方 標高:1973.8m)の出迎えを受けるので、恒例に従ってソッと踏むと前方にウッスラとケルンが目に入る
50m程足を進めて1974mに建つ八方山ケルン《通称:石神井ケルン》に着くのでケンさんが初対面の挨拶を・・・・
09:30 15分程も伝うとトイレに着くが、途中から湿原コースを迂回してきたKさんとミヤさんの2人とここで合流して
09:31 2〜30m先に建つ息(やすむ)ケルン《通称:第二ケルン》(2005m)に向かうと前方の尾根上に八方ケルンがウッスラと姿を現す
09:39 高低差にして30mの尾根に出ると目の前に八方ケルン(2035m)がスラリとしたスマートな姿で迎え、そして見送ってくれる
09:40 さらに展望の開けた尾根を伝い登ると、先ほど通り過ぎた第二ケルンがすっかりとガスに捲かれて見えなくなってしまう
09:45 このガスでは、本来姿を見せてくれるはずの不帰ノ嶮〜白馬三山のダイナミックな山容も全く望むことが出来ないので、目の前に拡がる尾根筋のパノラマを楽しみながら八方池への分岐に足を進める
09:52 - 09:56 5年振りに訪れた八方池畔(2060m)からも不帰嶮すら望むことが出来ず、モノトーンで無背景な八方池が却って新鮮な情景を醸し出してくれるようだ
10:03 池畔を巡ったついでに小さな祠付近から尾根上の第三ケルンを見上げるが、ここでも背後に連なっている稜線さえ目にすることが出来ないまま登山道に出る
10:03 第三ケルン(2080m)から100m程西に伝った鞍部に登ると八方尾根自然研究路の終点を現す道標が打たれて、ここから唐松岳への登山道に変わり足元は岩ガレが散らばるやや荒れた細いコースになる
10:20 八方池に見送られながら八方尾根自然研究路と分かれて20分も歩を進めるとダケカンバが目立ちだして下ノ樺(2100m)の樹林帯に入るが、登山装備をしていないKさんはここまで同行してくれたが予定通り下山する事になり八方池に下るのを見送る
10:39 尾根道は下ノ樺を抜けると上ノ樺への急な中腹道にかわり、尾根筋の南側斜面を伝い登るが懸念していた雨の心配はなくなったようで頭上を覆っていた灰色の雲は少し軽く感じられる
10:54 - 10:57 岩ガレの続く歩き難い急斜面を伝い、上ノ樺を通過するとやがて60u程の雪が残る扇ノ雪田(2200m)に着くので、少し足を休める
11:21 雪田を見下ろす尾根に出て程なく右手前方の稜線上に丸山ケルンが姿を現す
一旦戻るように稜線への道を伝い上がると八方尾根の最上部に建てられた丸山ケルン(2430m)の出迎えを受ける
11:33 さらに10分程尾根筋を伝うと、登山道から5m程北側のハイ松帯に雷鳥がいると二人連れの登山者に教えられてハイ松帯に足を進めてみると
11:35 教えて戴いた通り、1羽の雷鳥が我々を迎えてくれて得意のポーズを見せてくれるのでゆっくりと近づいてソッとシャッターを切る
11:58 登山コースに戻って八方尾根最上部の岩尾根を南から捲き通ると
12:09 10分程でガスの中に佇む唐松岳頂上山荘がウッスラと姿を現わし
12:17 - 12:51 今回の最高地点となった唐松岳頂上山荘(2620m)に着く
唐松岳まで足を伸ばして見たいところだが灰色の濃いガスに覆われて展望は全く期待できないので、先に山荘で昼食を済ませる事となりテーブルをお借りするがありがたい事に10年前にはなかった昼食メニューが用意されているので、暖かい中華丼をお願いする
12:57 食事が済んでもいっこうにガスが晴れそうにないので唐松岳ピストンを諦めて牛首の難所に取り付く
13:25 5年振り3度目となる牛首だが、訪れるたびに細かい土砂が洗い流されていて大きな岩塊ばかりが剥き出しになっているので滑る心配がなくなり少しずつ歩き易くなっているように感じるのは私だけかな
13:54 牛首に取り付いて凡そ1時間、2511m独標の岩場を下り切ると難所も終わりだが、ここまで来ると皮肉な事に唐松岳がハッキリと姿を現すがそれもホンの一瞬で深いガスに隠れてしまった
15:40 そして1時間30分後には大黒岳と最低鞍部を通過し、右下がりの斜面を緩やかに高度を上げて行く事になる
15:46 左に見える白岳の山頂部が視界に入ってくるとやがて縦走路と遠見尾根の分岐点に打たれた道標の迎えを受けるが、目の前に大きく聳えている五竜岳の勇姿は勿論足元に建つ赤い屋根の五竜山荘すら全く影も見えない
15:48 遠見尾根分岐点で最後の気合いを入れて右下への急坂を伝い下ると少しずつ五竜山荘の赤い屋根がガスの中から次第にハッキリと見え出し
15:57 無事、唐松岳頂上山荘から3時間で今日の宿舎である五竜山荘(2490m)に辿り着く事が出来た
山荘前で少し話し込んでいると途中まで同行してくれたKさんから安否確認のメールが届く

食堂に用意されている食器類は20人足らずと言う事で今回はゆったりと足を伸ばして寝る事が出来そうだ
夕食に五竜山荘名物でお代わりフリーのカレーライスを戴いた後、21時の消灯時間を待たずに床に就く


07:30
《第二日目》
夜半から降り出した雨のせいで今朝はご来光にも見放されたが降り続く小雨の洗礼を受け、せっかくケンさんの北アルプス初挑戦も唐松岳に引き続いて五竜岳も登頂を断念する事になり、朝食を済ませてキレット小屋を目指される2〜3パーティーを見送りながら我々も出発準備にとりかかる
07:34 頭上も明るくなって小雨が途切れたので、少し早目に雨具は着けずに五竜山荘(発)を後にする
07:44 昨日とは異なり五竜山荘の赤い屋根を見下ろしながら遠見尾根分岐点まで足を運び上げるが、今日も五竜岳が姿を現してくれる事はなさそうだ
07:45 分岐点まで登ると昨日見る事が出来なかった唐松岳がスッキリとした山容を見せてくれるので、ケンさんにとってはせめてもの清涼剤になったかも・・・・
07:57 きついジグザグに付けられた遠見尾根コースを10分程伝い白岳(2541m)山頂を踏むと、以後はひたすら下る事になるので今見える景観をじっくりと目に焼き付ける事とする
07:58 南のピーク五竜岳は相変わらず濃いガスに包まれているが北のピーク唐松岳はハッキリと見渡す事が出来るので、昨日辿ってきたコースを改めて目で辿ってみる
08:10 白岳から遠見尾根の急斜面を下ると、右手後方に少し頭を隠した五竜岳を背景に昨晩お世話になった五竜山荘の見送りを受けるが山肌には秋の気配を感じさせてくれるように色づいた草花が姿を見せて、沈みがちな気分を盛り上げてくれる
08:36 そして遠見尾根の核心部となるクサリの付けられた岩場の急斜面に差し掛かると待ち構えたように小雨が降り出し、思い思いに雨具を装着して慎重にクサリ場を通過する
09:24 2〜3カ所に現れるクサリ場をクリアすると殆ど気付かずに通り過ぎてしまう尾根上の小さなピーク西遠見山(2268m)を踏んで、右下に残雪の見えるシラタケ沢を見渡せる展望所で雪渓と沢の瀬音を聞きながら池塘のある小広い台地西遠見に着く頃、小雨も上がったようなので雨具を片付ける
09:58 - 10:11 なだらかで平坦な山道を30分も伝うと20m程右手に大きな池塘が横たわる大遠見(2106m)に着くので足を休める
この辺りから同じ道を登りで歩かれる登山者を多く見受けるようになり、皆さんテン泊組のようでそれぞれ20s超のザックを担いでおられるのに驚かされる
10:13 大遠見を過ぎると道も平坦で快適な箇所が多くなるが、雨上がりの道には泥濘の箇所も増える事になるので木道を踏み外さないように伝うと
10:51 - 11:00 予想外に長く急な階段登りが続き、やっと登り着くとケルンの建てられた中遠見山(2037m)だがやはり展望は全く開けそうにないままだ
中遠見山で暫くモノトーンの景色を眺めながら疲れの目立ってきた足を休めてガスの中をさらに下ると
11:18 - 11:27 15分程で小遠見山を迂回する道と小遠見山への分岐に着くが、とりあえず展望のきかないのを承知で小遠見山(2007m)へのやや急な坂を登り小広い山頂に立つ
11:36 ここからはアルプス平自然遊歩道として整備された道を伝う事になるので、あまり時間を気にすることなくノンビリと伝うと10分程で二ノ背髪を通過するが周囲の景色が変わる事はないので足元だけを見ながら歩く事になる
11:45 視界に入る樹木もいつも見慣れた雑木になり山麓に近づいている事を感じながら足を進めると
11:46 一ノ背髪を通り過ぎるが全く代わり映えのしない景観なので同行メンバーも標識をカメラに納めるだけで良いようだ
12:04 - 12:06 やがて小遠見山から30分程で見返り坂に着くと途端に眺望が変わる
ガスの切れ目にこの後立ち寄る地蔵ノ頭がしっかりと視界に入る
12:14 一旦湿原の拡がる鞍部に下り着くと地蔵ノ頭と地蔵ノ沼との分岐点が現れるので、今回は左の地蔵ノ頭へのコースに足を進める事にする
12:21 - 12:27 目の前に見える高台への階段道を10分程辿るとドッシリとした感じのケルンが建てられた地蔵ノ頭(1676m)に登り着くが、ここまで来てもやはり見晴らしは利かないので眺望を楽しむ事を諦めて最後の休憩を貪る事にする
12:44 地蔵ノ頭を後にするとアルプス平の山野草園の中に付けられた遊歩道を伝って
12:46 ゴールのアルプス平駅(1500m)に着いたところで展望レストランに立ち寄って、お薦めの“おざんざ”を使った麺で軽く腹ごしらえを済ませた後ゴンドラに揺られて山麓に降り立つ

15:56
《エピローグ》
ペンションに戻ると先に下山して安曇野散策を楽しんできたKさん共々オーナーのご好意で露天風呂へ案内して戴く事になり、車で20分程のおびなたの湯で至福の一時を堪能する

夕食は無事帰還のご褒美を兼ねて奥様自慢の腕によりをかけて造って戴いた豪勢な手作り料理に舌鼓をうってこの日は終わり

13:17 翌22日は天候にも恵まれたので初めてというメンバーの希望をとりいれて松本城に立ち寄る事に・・・
多くの人で賑わう明るい園内をノンビリ一巡りして
13:30 五重六階の天守閣を見学する
現存する城の中では日本最古といわれ、姫路城、彦根城、犬山城とともに四つの国宝城郭に指定されているだけの風格を感じながら
13:38 急な階段を伝って6階まで上がり窓から外を眺めると結構な高度感だ
1階へ伝い降りる途中で展示されている当時の武具等も鑑賞しながら往時を偲んでみる
13:58 思い思いに城内をノンビリと一巡りした後は全員が揃うのを待ちながら、城郭や石垣の精緻な構造に感心しながら松本駅前に移動して
14:59 お土産を手に入れて15時発の高速バスで帰阪の途に就く
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