大炊神社 〜 リトル比良(703.0m) 〜 涼峠
コース概念図 コース断面図
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2011年05月14日 (土曜日)晴れ後一時曇り メンバー:8名
歩行距離 18.6q/歩行時間 9時間29分 (休憩時間 2時間30分) 所要時間 11時間59分
10:01 大阪駅G番ホームに着くとすぐ“クボキン”さんの顔が目に付きまずは挨拶を交わしていると、少し離れた所に“ヒゲ”さんを見つけて移動しますが、さらに今回のゲスト“摩耶山さん歩”さんも元気な笑顔で合流されます
大阪組が全員揃ったところで8時45分発の新快速に乗り込み、運良く座席も確保できて近況に話が弾むと高槻駅から“ケン”ちゃんも合流して久しぶりの会話で瞬く間に京都駅に到着ですが、ここで我々の乗っている後寄りの4輛が切り離されるとの車内放送に慌てて前寄りの車輌に移動を余技なくされます
ここから“なかりん”さんも合流して会話も仕切り直しとなる間もなく山科駅に着き、山科組の“オノ”ちゃんと“ノム”やんの2人が乗り込んできてメンバー全員が揃ったところで改めてメンバー紹介を済ませて思い思いに会話を楽しんでいると瞬間移動でもしたようにスタート地点の近江高島駅に到着です
駅舎を出るとすっかりお馴染みとなったガリバーが迎えてくれます 10:03 頭上には青空が広がり手元の温度計が22℃を示す中、準備が整ったところで駅前から車の少ない線路沿いの道を北へ向かってスタートします 10:18 すぐバスの通る街路に出て北へ伝うと、やがて高島中学校を過ぎ最初の信号のある分岐手前に遠慮気味に付けられた道標に案内されてこの分岐を左に 10:24 200mほどで音羽バス停に着きます
ここが今回のコース、リトル比良への取り付きとなる大炊神社の参道入り口で 10:26 左折して舗装路に足を進めると正面から石の鳥居が、そして右横からは白蓮山・長谷寺(びゃくれんざん ちょうこくじ)の大きな石灯籠が迎えてくれます 10:28 鳥居の手前を左に辿るとすぐ右手から「近江西国七番・白蓮山長谷寺」と掘られた立派な石標と駐車場?の横に建てられたトイレの見送りを受け 10:28 広く整備された林道への入り口に設えられた車止めのゲートを通り抜けます 10:29 ゲートを抜けるとすぐ獣除けのゲートが巡らされていますので留め金を外して林道を進みますが 10:33 4m幅に整備されていて、2006年9月に訪れた時の面影は道のどこからも感じ取る事が出来ません 10:38 程なく少し記憶に残る分岐点に差し掛かりますので、広く整備された林道を右に見やって 10:40 曲輪のように細く掘り巡らされた溝を渡る頃には以前の面影が蘇ってきます 10:43 視界には新緑に衣替えした木々の柔らかな彩りが映り、病み上がりの眼を癒されながら小さな瓦礫の散らばる道を伝うと 10:47 - 10:49 右手後方から先ほど岐れた広い林道が合流する地点で石仏と祠が安置された賽の河原に着きます
まだ整備中と見えて小広い更地状態ですぐにでも通過したいところですがスタートして30分が経過した事もあり少し休憩を挟む事としますが 8名ものメンバーが一堂に会するのは7年ぶりですので、どうしても各人の近況が話題の中心になり分岐や道標への注意が疎かになる事が心配ですが、私にとっては1965年以来10回近くも歩いたコースですので全く不安を感じる事もなかったのですが、このことが今回の準遭難に遭遇する伏線だとは思いも寄らずに先に進む事になります 10:52 賽の河原を過ぎると岳観音の参道らしくなり、倒木やヤブっぽい1m幅の山道に代わり 10:53 すぐ道標のない分岐が現れますが、往時には多くの参詣者で賑わったであろう左の道を伝う事になります 11:04 - 11:13 10分程で大きな石灯籠が見下ろす通称日本庭園と呼ばれる小広い台地に飛び出しますのでザックを下ろしてノンビリと眺望を楽しむ事とします 日本庭園に相応しい石灯籠は背丈が3m程もありますが、神爾谷に残る比良明神の石灯籠と同じように琵琶湖の沖から夜目でも判るように建てられたもののようで、私は神罰を覚悟f(^^;)で灯籠の立つ岩場に登ってみます

※差し込み画像はケンちゃん提供 灯籠から見下ろすとメンバーの心配そうな視線が突き刺さる様子に驚きますが、無事に登り着いたのを確かめてホッと一安心してくれたような安堵感も一緒に伝わってくるようで、自身の年齢を嫌でも自認させられる一瞬に思わず苦笑しながら 大きく広がる東方面に眼を移すとウッスラと靄のかかった琵琶湖が静かな湖面を見せてくれますが、その背景に横たわる伊吹山の勇姿は見る事が出来ませんのでパノラマをカメラに切り取って灯籠を後にします 11:15 灯籠と琵琶湖に見送られてやや足場の悪い岩道を伝い上がると 11:18 - 11:26 2〜3分で右手に白坂と書かれた名板の付けられた樹林越しに周囲とは全く異質な景観が広がりますので、30年前を偲んで横道から白坂に登ってみますが豊かな白砂に覆われていた往時とは見る影もなくなって、ほとんどの砂が流されてしまい痩せた白い砂岩が剥き出しになった貧相な岩山が目に付くだけです ※それでも昔の面影が少し残る東斜面越しの景観が消えかけた記憶を呼び起こしてくれます 登山道へ戻る前に小さく流れ落ちる水を手に受けて冷たさを確かめ、メンバーの後を追いかけます 11:34 この辺りから斜度は増して急斜面を辿る事になりますが、岳観音詣で辿られた古い参道の雰囲気が所々に残っていますので一段一段往時の気分に浸りながら石段を伝うと 11:37 曰くありげな小さな祠が右手から迎えてくれますが不動明王の石仏が安置された不動尊と案内されています 11:40 道端には苔むした石組みの急階段が続くと右手に武蔵坊弁慶が一刀両断に切り裂いたと伝えられる弁慶の切石を見やると傾斜も幾分緩やかになり 11:44 - 11:45 人の手により平坦な台地に整備された広場に着きますが、十一面観音が祀られたところから岳観音堂として親しまれた長谷寺(ちょうこくじ)跡で近年になって麓に移設された残骸の礎石だけが残されています

※45年程昔に訪れた時にはこぢんまりとした観音堂が迎えてくれた事を思い出しますが、移設された麓で見かけた長谷寺は完全に立て替えられたようで微かな記憶に残っている形状とは異なっています 11:52 ここからは参道の雰囲気もなくなり4〜5m程の岩場を伝い上がったり 11:54 見上げる程の巨岩を捲き通ったりして高度をあげて行くと 11:56 - 12:05 岳観音堂跡から15分程で眺望の大きくザレた展望尾根に着きますので、ザックを下ろして給水休憩を挟みます 12:07 そろそろ腹の虫も騒ぎ出す頃ですが少し長居をしたようですので 12:08 ひとまず岳山(だけやま)への道に少しピッチをあげて10分程頑張ると尾根に登り着き 12:20 - 12:28 元嶽岩屋観音の祀られた最初のピークである岳山(565m)山頂を踏む事になります 12:29 ここでも10分近く足を休めた影響もあって、少し予定タイムをオーバーしていますが想定範囲の遅れですのでエスケープを考える必要はなく、各人のペースで山名板の横から一旦鞍部まで下りますが 12:45 鳥越鞍部の少し手前の尾根筋で、次の目的地となるオーム岩が山肌から大きくせり出して待ちかまえています

※鳥越鞍部は「山と高原地図」には“鳥越(うごえ)”と記載されていますが・・はたして? 13:02 下から見上げるとオーム岩までは急登のようですが実際辿ってみると案外緩やかな登りで、途中には右手に蛇谷が峰から阿弥陀山の稜線が見え、さらに背景には武奈ヶ嶽や江若国境に連なる峰々も顔を覗かせてくれます 13:12 - 13:50 予定より30分遅れでオーム岩に到着しますが既に着いているはずの先行メンバー5人の姿が見あたらず一瞬まさかコースアウト???の不安が頭をよぎり、取り急ぎ電話を掛けて見ると「風邪が強いので少し場所を変えて食事中」との事で安堵しますが、今回のアクシデントはこの辺りから芽吹いていたのかも・・・・

一安心で後続メンバー3人でオーム岩の上で絶景をおかずに至福の一時を過ごします ※西方向にはこの後辿る岩阿沙利山が、後ろには屏風のようにコヤマノ岳〜武奈ヶ岳〜釣瓶岳と豪華な顔ぶれの揃い踏みをジックリ鑑賞しながら ※視界を北西方向に巡らすとドッシリと大きく裾を広げて横たわる蛇谷が峰の姿も目の前に・・・・ さらに北方向には高島の市街地とゆったりと水を湛えた琵琶湖を背景に、今回辿ってきた岳山〜鳥越が東西に伸びる稜線を見せてくれます 14:01 食後は少し緩やかになった鳥越峰の北尾根を10分程登ると今回のコースで2番目の標高となる鳥越峰(702m)の肩に登り着いたところで、左後方から見張山コースを併せて小さな起伏を伝うと 14:12 大きな岩が目立つようになり 14:13 程なく巨岩の重なる693mの独標を過ぎ、八王子の鞍部まで120m程下りますが 14:40 下り着いた八王子から改めて次のピーク、岩阿沙利山(いわじゃりやま)への急坂を登り返す事になりますが食後の足は怠い重さに見舞われてなかなかピッチも上がりません 14:53 - 14:58 それでも30分程掛けて100mばかりの標高差を登り返すとほとんど見晴らしのない、三等三角点(点名:足谷 標高:686.4m)が打たれた岩阿沙利山(686m)山頂に着きますが、山頂直下にある眺望のすばらしい仏岩は時間の都合でパスする事にして 15:04 鵜川越への急坂を下る事とします
足下には小石や浮き石も散らばっていますので慎重に足を運び下ろしますが 15:11 やがて10分近くで勾配も緩やかになり左下には林道鵜川村井線がチラチラと見え出すようになると右手に鹿ヶ瀬への細い山道を見送ると、 15:12 1994年に造成された林道鵜川村井線によって無粋に切り削られた縦走路は一旦舗装路に飛び出しますが、今ではここが鵜川越(553m)と呼ばれています 15:13 舗装道路を左方向に20mも戻るとガードレールの付けられた急な登りを伝い上がり 15:14 本来の縦走路に登り返します 15:20 道は一本道で樹間に付けられた抉れた急坂を登る事になりますが、先行メンバーの最後尾を歩くヒゲさんの姿も少しずつ距離が離れて行きます 15:26 嘉嶺ヶ岳(かねがたけ)北陵を登ると小さなコブでY字状に岐ける分岐が現れますが分岐にはしっかりとした公設道標に打たれていますので、左の水無谷ルートを見やって道標通り右へ足を進め 15:28 暫く快適な樹間の道を辿る事になりますが 15:34 程なく嘉嶺ヶ岳への急坂登りに代わり、5分程我慢を続けると 15:35 - 15:40 山頂から20m程左(=南)側で嘉嶺ヶ岳(Ca.660m)から東に延びる市界尾根の肩部に登り着きますが、ここでも公設道標に従って左へ緩やかに下り始めると先程まで見え隠れしていた先行グループ最後尾を歩くヒゲさんの姿も完全に見えなくなってしまいました

※この時点で距離が離れすぎた事を連絡すれば良かったのですが、気心が知れているメンバーなので特に迷うところはないだろうと気にも止める事はありません 15:42 広い市界尾根を緩やかに下って行くと 15:46 分岐から10分程で公式な基準点から除外された四等三角点(廃点)がコースの中央で見送ってくれます 15:48 そして50m程広い市界尾根を伝うと赤色に塗られた市界標石と枯れ枝の置かれた分岐がありますので、ここで滝山の見える右手への細い道を下りますが、先行の5人グループはこの分岐を直進してしまった事をこの時点では全く気がついていませんので、後続グループの3人はひたすら急坂を鞍部まで30m程伝い下ります 15:52 せっかく下った鞍部から再び三たび登り返す事になり、今回のコースで最高地点となる滝山への50m程の急坂を登りますが何度も繰り返したアップダウンで足には相当なダメージが溜まって来たようでメンバーのピッチは益々鈍って来たようです

※この時点では再び涼峠からここまで往復する事になるとは予想もしていませんでした 15:58 10分弱で滝山(703m)のピークから30m程右(=西)側の肩部に着いて西へ延びる尾根道を下り 16:05 尾根尻にある大きな岩のあるコブを越えて先行メンバーが待っているはずの寒風峠への下りに掛かると 16:11 突然、先行メンバーのヒゲさんから「早よ来んと、みんな風邪引いてしまうで」との電話を受けて、「もうちょっとで着くから」と返事をして少しペースを上げます

※この時に現在位置を確認しておけば良かったのですが、まさかメンバーの参謀が一緒なのでコースアウトするとは予想もしていなかった事が悔やまれます 16:17 5分少々で寒風峠が視界に入りますが先行グループはおろか、誰も人の姿を確かめる事が出来ませんのでヒゲさんに電話を掛けてみますが残念ながら圏外・・・ 16:20 - 16:25 今回のシンガリを歩くなかりんさんが峠に着いても先行メンバーの影は見えず、連絡も取れないので「ひょっとすると涼峠まで先に行ったのでは」と考えて涼峠まで足を伸ばしてみる事にします 16:27 苔むした岩やシットリとした湿原の広がる、私の大好きなオトシもユックリ見る事が出来ないまま泥濘や急造の丸太橋を辿ると 16:42 潤沢な水源となっているオトシを横切るように流れるシシガ谷のせせらぎを渡り返しながら 16:46 とりあえず焦る気持ちを抑えて足元と眼の高さに枝を伸ばす雑木に細心の注意を払います 16:50 滝山から南に伸びる稜線の終端となる662m独標の西麓には、ウッカリするとルートを外してしまいそうな広い湿地帯が広がっていますのでテープや道標を見落とさないよう進むと丁字分岐に着きますが、ここは滝山南尾根への左ルートを見やって道標通り右へ進むと最後の徒渉が迎えてくれるのでクリアして 16:53 湿原から徐々に離れると前方に涼峠(すずみとうげ)が眼に入りますが、やはり先行メンバーの姿は見あたりません 16:54 - 16:58 涼峠は気持ちの良いそよ風が吹き通って疲れた体を優しく癒されながら、この後の対応を検討しますが相変わらず携帯電話は圏外・・・
なかりんさんが少しタンヤマ谷の方に移動すると不安定ながら電話が使えそうとの事で、私も移動して見るとグッドタイミングだったようで先行グループのケンちゃんから「急坂を下ったら道がなくなり、谷川の出合で沢も増水で渡れそうにないのでとりあえず今から戻るわ」(16:56)との連絡、ここで初めてコースアウトを確信しました 17:27 - 17:42 先行メンバーの3人は照明具を持っていないし日没も近づいているので、3人で検討して電話の安定する場所まで戻る事に決めとりあえず寒風峠まで戻ってみると案の定電話のアンテナはバッチリです
なかりんさんとクボキンさんの疲労が大きそうなので連絡要員としてここでの待機をお願いして、ヒゲさんに電話してみると「今、戻っている最中やけど足が思うように進まへんので少し時間が掛かりそうや」との状況を聞き、照明具と防寒具も必要と判断してザックのまま滝山まで急いで戻る途中でケンちゃんからも電話、「慌てずにゆっくりでいいから確実に分岐まで戻って」と伝えて滝山西尾根を辿ります 18:16 - 18:20 滝山を過ぎ嘉嶺ヶ岳への鞍部に向かうところでケンちゃんから次の電話で「順調に尾根を戻っているので、後30分くらいかな」の一報を受け、寒風峠で待機しているなかりんさんへ通報して少しは安心して貰います 18:33 - 18:36 やがて鞍部に着き嘉嶺ヶ岳の市界尾根に登りかけると尾根分岐から降りて来られる摩耶山さん歩さんの姿が目に入り(19:02)、ホッと緊張が解けた瞬間です
簡単に状況をお聞きしすぐになかりんさんに一報を入れるとなかりんさんも一安心の様子、「今からそちらへ向かうわ」との返事です
残りのメンバーの到着を待つ間に照明具を取り出してすぐ装着出来るように準備していると、 19:13 - 19:21 疲れた表情の先行メンバー全員の顔が鞍部に揃いますので照明具を用意していないメンバーにヘッ電を渡して、なかりんさんに全員無事合流を連絡して滝山目指すと尾根付近からヘッ電の灯りが2つ下ってくるのが目に付きます
長時間の待機で気が気でなかったなかりんさんとクボキンさんがわざわざ出迎えに来てくれたようで、ここからはスタート時の8人が揃って下りますが、先行グループのメンバーにはまず寒風峠(19:40)の雰囲気だけでも味わって戴き、私がお気に入りのオトシ(20:29)も何となく想像して貰ってようやく涼峠まで戻る事が出来・・・・この間約4時間のアルバイトでした 20:40 - 20:45 何とか全メンバーが揃って涼峠に勢揃いしたところで少し休憩を取り、疲れた足に鞭を入れて溝のように抉れた道を下ってゴールを目指します 20:51 遙か眼下に見える街灯りを見下ろしながら足下を照らすヘッ電の光を頼りに一歩ずつ足場の覚束ない露岩混じりの道を慎重に下って行くと 21:01 - 21:14 小広い台地になっているハタのコバまで来ましたのでここで今回最後の休憩を取りゆっくりと足を休めます 21:34 左の谷筋から静寂を突き破って揚梅の滝が力強い轟音を響かせていますが、滝見台から眼を凝らしても見事な姿を眼にする事が出来ないまま遊歩道を伝い降りると見覚えのある慕え橋(したえばし)が迎えてくれます 22:02 残念ながらゴール近くまで辿り着いたところで21時57分発のJR京都行きを見送る事になり、人気のない北小松駅で次の22時39分発の京都行きまで待時間を利用して反省会を兼ねますが、ヒゲさんとクボキンさんは最終電車に乗る事が出来ないと言う事で今日中の帰宅は断念して貰う事に・・・・ お二方には大変申し訳のない結末となってしまいました(合掌!) ページの先頭へ