胎内潜りコース 〜 岩橋山(658.8m) 〜 ろくわたりの道
コース概念図 コース断面図
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2011年03月02日 (水曜日)薄曇り一時雨 メンバー:3名
歩行距離 10.0q/歩行時間 4時間26分 (休憩時間 0時間52分) 所要時間 5時間18分
10:14 近鉄・大阪阿部野橋を9時20分に出る河内長野行きの準急に乗り、下車予定の富田林駅へ向かう途中で同行メンバーの“ヒゲさん”も乗車している事に気が付く
車中でバカ話をしているうちに富田林駅に到着、9時50分発の平石行き金剛バスに乗り込むと途中からもう一人のメンバー“ジー”さんも乗ってきたところで今回の全メンバーが揃った事になる
終点の平石バス停まで貸し切り状態のままなので、下車するとノンビリ準備を整えて府道704号(竹内河南線)を進行方向(=東)に足を進める 10:18 正面に山並みを見ながら東方向に300mも辿ると右手に2m幅の舗装された林道が岐れるのでここで少し戻り気味に右へ曲がり 10:19 間もなく小さな流れを越えると分岐があるので道なりに右へ進むと、やや急な登りに変わる 10:21 2分程で左に分岐する広い道を見やって道なりに直進すると 10:22 すぐ人家も途絶え、林道は舗装から地道に変わって緩やかな登り坂を辿る事になる 10:26 バス停をスタートして凡そ10分で簡易舗装された道が左に岐れるが、これが手元の地図に記載された名石コースへの取り付きのようでツルベ谷方向へ回り込むように伸びて行くので、今回は左への道に足を進める

※勿論、直進でも胎内潜りには行ける 10:27 左への道を20m程登るとすぐ右へ登る細い踏み跡が現れるのでこの右への踏み跡に足を進める 10:28 程なく平石集落が見渡せる高台を通るが、ここに集落を見守るように20基程の古い墓石が並んでいるのに出逢う 10:31 そして100mも踏み跡を伝うと植林の出迎えを受けるところで道は二手に岐れるが、今回は胎内潜りへの尾根道を登る予定なので左への道を伝う事にする

※右へ進むと岩橋峠に続く先程分かれた舗装路に出る 10:37 尾根道は良く踏まれた明るい植林の中に続くので、急な登りでグングン高度を稼ぎ 10:41 取り付きの分岐から10分程で右手に走る支尾根に登り着く 10:48 - 10:54 一旦樹林が途切れてササ原が広がり、目の前に鉄塔(#23)が姿を現すので足下に広がる展望を楽しみながら頑張って急坂を伝い上がってくれた足を少し休める事とする 10:57 鉄塔から20mも登ると再び一面の植林に遮られて樹木以外は見る事が出来なくなるので、足元に敷き詰められた落ち葉に隠れている小石や枯れ枝をウッカリと踏まないよう注意しながら緩やかな起伏を楽しむ事になるが 11:09 快適な平坦地は5分少々で終わり、雑木に代わった急斜面に付けられた薄い踏み跡を 11:18 - 11:22 さらに5分少々伝い登り大きな岩が目に付き出すと、急坂の途中で胎内潜りの出迎えを受けるので2回目の休憩を挟んで、胎内潜りの周囲を一巡りしてみる ※下側からは判りにくいので上側に回り込んで見ると、何とか一人が潜り抜けられそうな割れ目が空いているのが見えるが試してみるメンバーはいないようで・・・・ 11:23 少し足も元気を取り戻したところで、なおも続くプラスチックの急階段を2〜3分足を運び上げると 11:25 分岐のあるやや平坦な台地に着き、本来はここで左への水平道を見やって真っ直ぐ登る事になるが左横に付けられた名石コースへの私製道標に釣られて左への道に足を進めてみる
しかし前方に見える鉄塔(#219)からは暫く急階段を下らなければならないようなので、“名石”巡りは次の機会に先送りして急階段を10分程登り詰めると 11:38 - 11:41 急斜面が終わって50p幅の平坦な踏み跡を進む事になり、山頂直下に残された歴史上の遺跡久米の岩橋にたどり着く ※『河内名所図絵』の葛城岩橋図に描かれた久米の石橋(いわはし)

当郡、石川郡平石村の上方にあり。平石より阪路を東にとる事十八町にして、葛城の山頂少し東の方にあり。河内、大和の国境は、石橋(いわはし)より東五町計下りて、伏越峠を限る。しかはあれと、いにしへより和歌の名所に大和にあれば(大和名所図会)にも出せり。 此石橋の形を見れば、巨巌にして面に橋板の段ある事四ツ、両端、稍隆(ややたか)うして欄檻に似たり。幅三尺余、長八尺許。西南の方、些(すこ)し欠たり。形勢、将に南峰に逮(およば)んと欲す。実に、人力の到る所にあらす。伝云、むかし、役優婆塞(=役行者)、葛城の峰より金御嶽へ通ひ給はんとて、石橋をかけなんとす。これを諸々の神に命じ給ふ。葛城一言主神、容貌いと醜ければ、昼の役をはゞかりて、夜をまち給ひしより、橋をわたし得給はず、行者いかりて、一言主神を呪縛して、深谷に押籠置たまへり云云。

  さ月の頃石橋にのほりて いは橋によるばかり出る螢かな  湘夕

 なを、此ほとりにか奇石多し。石不動は石橋の上五間許にあり。鉾立石は高サ弐丈はかり。其形をもって名とす。石橋より山下四町にあり。鍋釜岩、弐ツとも形をもつて名とせり。これも石橋より西の方五町にあり。胎内潜は、巨巌、左右より頭を傾け、中間、虚にして、人これをくゞるに身を縮めて通る故に、名によぶ。大峯にひとしく、其外、奇岩多し。地勢勝れて、南に金剛山の巓近く見へ、東は、大和の畝火山、三輪杜、纒向の檜原、天香具山など、遥に見えわたり、西の方には、河内の国中、摂陽の村邑、難波江、珍努海、北には、浦の初嶌、芦屋里、鳴尾崎、灘の浦まで鮮にして、風色いちじるく、一国の勝景なるべし。 11:42 ここからは少し下り気味に細い踏み跡を東に伝う事になるが 11:45 前方の樹間に右下がりの山道が見え隠れするとダイトレへ飛び出すので、左へ続く坂を登る間もなく 11:48 - 12:16 今回の最高地点である岩橋山(658m)の山頂に登り着く
頃合いも良いので山頂の日溜まりに腰を下ろして昼食休憩とする

※山頂には三等三角点(点名:葛城山1 標高:658.6m)標石がダイトレ標石と肩を並べるように打たれている 12:29 今回は珍しく食後のスタートが下りから始まるので、いつも味わう足のだるさを感じる事なく 12:33 植林の中を縫って下る急な丸木階段を踏み外さないように気をつけて辿ると 12:36 いつの間にかツルベ谷の頭を通り過ぎて平坦な尾根にベンチの置かれた柿ノ木谷の頭まで下ったようで、辻に打たれた公設道標に従って左への尾根道を進み 12:40 平坦な尾根の左(=西)側を捲くと一瞬左前方眼下に富田林の街並みが広がる 12:53 いつの間にか473mのコブがある尾根尻を通り過ぎて山頂から30分程で平石峠への急階段を下る事になる 12:55 - 12:57 階段を下るとひっそりと静かなX字状になった平石峠に着くが、遠慮気味に打たれたダイトレの標石がなければまるで異次元空間に迷い込んだのでは?と思う程の歴史を感じながらこの後の登りに備えて少し足を休めるが 12:59 昼食後最初の登り返しはやはり予想通りに足のだるさに閉口しながら苦手な丸木階段を上る事になる 13:36 やがて尾根に出て南北に続く平坦な尾根道を伝う事になるが、四等三角点(点名:竹内山 標高:402.6m)のある402mのコブも通り過ごして気が付けば上の池分岐に着いてしまったようで、 13:44 - 13:46 分岐を過ぎて道も舗装路に代わりダラダラと下ると、日本書紀に「難波より飛鳥に至る大道を置く」と記され大阪府堺市から二上山の南麓・竹内峠を越えて奈良県葛城市の長尾神社付近までの約26kmを結ぶ“日本最古の官道”とも“シルクロードの終着地点”とも言われる竹内街道に合流するが、残念な事に車輌の行き交う国道166号沿いの舗装道路ではロマンのかけらも感じる事が出来ないまま府県境となる竹内峠 13:55 国道を横切って岩屋峠への最後の急坂に取り付く 14:15 やっと高度差100m程の急坂を登り切ったと思うまもなく、すぐ尾根道を下る事になり竹内峠から20分程のアップダウンで五差路になった岩屋峠に到着するので 14:19 - 14:22 左へ折り返すように坂道を100m程下ると奈良時代に中国の石窟寺を真似て造った石窟寺院跡といわれている岩屋が迎えてくれる

※岩屋前には岩屋峠の由緒が書かれた説明版が取り付けられている
また太子町のホームページには石窟の詳細が紹介されている
刳り抜かれた岩壁の左端には何故か石仏が横向きに安置されているので、柵に遮られて正面から拝見する事は出来ないまま岩屋を辞す事になり 14:23 台風で倒れた樹齢600年の岩屋杉を潜って 14:30 二上山(雌岳)の西山腹を捲くダイトレとの合流点まで伝い上がると 14:32 ベンチの置かれた小広い台地に着くので、 14:40 ここから左へ下る雌岳の西南に伸びる岩尾根を10分程伝い下って 14:43 - 14:47 鹿谷寺跡に降り立つ
台地の中央部に残る1個の岩を削って造られたと言われる十三重石塔や岩窟に彫りこまれて微かに残る線刻の三尊仏坐像をノンビリ見学する

※この鹿谷寺跡からも太子町のホームページで周辺から日本最古の貨幣といわれる、和同開珎が出土したと紹介されている 線刻の三尊仏坐像もジックリ拝見したいところだが、ここも柵と有刺鉄線で保護されているので柵越しのご対面しか出来ないのでカメラで接近可能なところまで近づいて、ブレないようにソッとシャッターを押して鹿谷寺跡を辞す事になる 14:52 道は北側の階段を回り込むようにアスレチック施設の跡を左手に見て大日池方向へ辿り、 14:53 池への途中で右手植林横に打たれた道標に案内されて2m幅のろくわたりの道に取り付く 15:11 浅い谷筋から見晴らしの良い岩尾根に出るので展望を楽しみながら北西に延びる尾根道を伝い、送電線がクロスするところで左後方(=南)へ折り返すように古道を楽しむが、 15:14 眼下に無粋な南阪奈道路が見えるとせっかく雰囲気のある古道も無惨に削り取られて急なプラスチック階段を下らされる事になり 15:18 排気音と排気ガスの入り交じった車道の下を潜り抜けると 15:21 再び静けさを取り戻したろくわたりの道をノンビリ辿る 15:23 やがて前方が大きく開けると獣除けのゲートを開閉して畦道へ飛び出す

※画像はゲートを抜けて振り返ったところ 15:32 ろくわたりの道はすぐの丁字路を左に伝う事になるが、今回は右へ折れて農道を西方向に辿り鹿向谷大橋を見上げながら里道に合流して左(=南)方向に向かい、今回のゴール太子温泉でユックリ汗と疲れを流した後、16時40分発の送迎バスで近鉄南大阪線・上ノ太子駅まで乗せて戴いて仕上げとなる反省会場へ・・・・ ページの先頭へ