極楽平 〜 木曽駒ヶ岳(2956.3m) 〜 濃ヶ池
コース概念図 kisokoma-h.jpg
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2008年08月26〜27日 (火〜水曜日)曇り時々晴れ メンバー:3名
歩行距離 9.2q/歩行時間 7時間58分 (休憩時間 3時間13分) 所要時間11時間11分

16:34 《プロローグ》
毎年恒例となったアルプス遠征ですが、今年は中央アルプスの盟主・木曽駒ヶ岳でノンビリする事に決まりました。
山行当日の天気予報では“山頂は曇りか霧・一時雨”とのことで取り急ぎ“晴れ・曇り・雨”の天候に合わせて7コースを準備して、前泊地となる駒ヶ根高原の民宿にザックを預け早太郎温泉郷・こまくさの湯でノンビリ気分を解しますが、生憎の曇り空で駒ヶ岳や南アルプスの絶景を見ながらの入浴は無理なようで明日の本番を待ち遠しく早めに床に着きます。
08:02 《第1日目》
朝7時に朝食を済ませ、表に出ると薄く広がる雲間には青空も少し顔を覗かせ薄陽が射していますので「今日は“晴れコース”に決まり!」と即断します。
天気予報が良い方向に外れたようで「日頃の行いが良かったのかも知れないな」と心なしかザックを軽く感じて宿を後にします。 08:03 目の前で“逆さ宝剣岳”を水面に映す静かな表情の駒ヶ池が出発を見送ってくれます。 08:07 池畔をノンビリ辿ると、先程まで雲がかかっていた宝剣岳がスッキリとした姿を見せてくれますので千畳敷カールと勇姿をズームアップで1枚・・・ 08:46 菅の台バス停で今日の昼食用にオニギリを買い求めた後、12分発のほぼ満席状態のバスに揺られてシラビ平(1662m)まで約35分のバス旅で標高を稼ぎます。
バスを降りた乗客は急いでロープウェイ乗り場へ向かわれますが、20分間隔で発着する次のゴンドラは9時00分発と少し時間がありますのでノンビリしてから乗り場へ向かいます。 09:12 ロープウェイは僅か7分の空中散歩ですが一気に1000m近い高度差の千畳敷(2612m)まで運んでくれます。
ネットで知り合った山の休日さんのアドバイスもありますので薄い気圧に順応するまで駅舎周辺からの景色をゆっくり楽しむ事とします。
駅舎の東側眼下には雲海が広がって町並みを望むことは出来ませんが、さらに背景となる南アルプスの山並みも残念なことに雲に遮られて山座同定ができそうにありません。 09:14 駅舎の西側には“中央アルプスのシンボル”、どこから見ても絵になる宝剣岳を背景に大きく広がる千畳敷カールが目に飛び込んできます。
そして乗越浄土への登山道“八丁坂”を上下するハイカーが蟻の行列を連想させるように点々と続いている情景をゆっくり眺め 09:38 そろそろ身体も順応した頃では・・・と駅舎前をスタートしてまずはサギダルの頭を見上げる位置に祀られた駒ヶ岳神社に山行の無事と天候に恵まれる事をお願いします。
ここでルートは左右に分かれますので八丁坂へ向かう右の道を見やって、握りしめている山の休日さんのレポを真似て極楽平へ続く左の道に足を進めます。

薄陽が射す現在、手元の温度計は20℃を指しています。 09:57 道なりに一旦南へ緩やかな坂道を登りますが、丁度ボランティアの方が道端に落ちているゴミを拾いながら極楽平に向かわれていますので少しお話をしたり、前後になりながらゆっくり高度を上げて行きます。

振り返ると青空こそ見えませんがスッキリとした山稜に抱かれるように建てられた淡いピンクの駅舎(兼ホテル)が緑の背景に映えて見えます。 10:08 駅舎をスタートして30分、予定では極楽平に着いている筈の時間ですがやっと折り返すように西へ向かうところで凡そ2倍の時間をかけ、“超”が着く程のスローペースで一歩一歩足を運び上げます。 10:25 前後して歩くボランティアの方に草花や野鳥の名前を教えて戴きながら歩いていると、すぐ近くの岩から1羽のホシガラスが見送ってくれます。 10:32 - 10:41 なんとスタートから1時間かかってやっと極楽平に到着です。┐(~ー~;)┌

ほとんど一緒に登り着いたボランティアの方とさらに話が弾んだ後、ご好意で雲に隠れた三ノ沢岳をバックに記念写真を1枚・・・「はい、チーズ」 西北西方向に一塊の雲に覆われていた山が徐々に雲のベールを脱いで穏やかな姿を現します・・・

孤高の単独峰、御嶽山(3067m)です。 10:45 10分程の休憩が済んだところでボランティアの方と別れ、再びノンビリと稜線を北へ辿り始めると先程雲に隠れていた三ノ沢岳(2846m)もピラミダルで美しいその尖峰を見せて見送ってくれますが、入れ替わるように御嶽山が雲の影に・・・ 10:52 やがてサギダルの頭を右に見やるとすぐ左手目の前に三ノ沢岳への道が鋭い岩峰の横を下って行くのが目に付きます。 10:59 さらに展望の開けた稜線を5分少々辿ると突然目の前に意外な程こぢんまりとした宝剣岳(2931m)が姿を現し、その左後方には盟主の駒ヶ岳・本岳がソッと顔を覗かせます。 11:01 - 11:10 すぐ左手に3m程に石積みされたケルン(遭難の碑)の出迎えを受けるといよいよ今回歩くコースの核心部、宝剣岳への岩尾根を辿ることになりますので、これまでの散策モードから緊張モードに切り替えるため少し充電時間を置きますが その間に北東方向に浮かんでいた雲が姿を消して三つのピークを見せる乗鞍岳(3026m)が際立つ風格で堂々とした山容を見せてくれます。

極楽平で別れたボランティアの方が後から追いついて来られて「昨日までの天気予報からは想像も出来ない程良い天気になり、本当に良かったですね」と笑顔で声を懸けて下さって「お先に!」と一足先に宝剣岳ぬ向かわれます。 そろそろ充電も終わったようなので出発の準備に取りかかっていると、先程の方が軽快な足取りで岩尾根を登って行かれる様子をハッキリ望むことが出来ますが、コチラから見る限り山頂まで一本調子に続く岩尾根のように見えますので案内地図に書かれている(危)マークの意味がこの時点では理解出来ないまま、山頂を見上げると丁度本当の意味のピークに立っている登山者が目に入りますので思わずズームアップしてみます。 11:12 一旦小さな鞍部まで下りますが、鞍部への途中から木曽前岳を挟むように御嶽山と乗鞍岳が頭だけ覗かせて見守ってくれているようです。 11:14 鞍部から岩尾根を少し登ると最初のクサリ場が迎えてくれますので三点確保で岩場を左へ回り込んだり 11:20 右手に切り立った岩壁を見ながらクサリに案内されてコブを乗り越えたりしますが 11:24 ケルンのあった取り付き点からは想像も出来なかった鋭い起伏が待ちかまえていて、足下を覆うガスの谷間に向かって岩場を急降下して二つ目の鞍部まで岩峰を迂回する事になります。 11:26 次の岩峰は捲かずにまっすぐ乗り越えますので 11:31 当然三つ目の鞍部へはクサリの助けを借りながらルンゼ状の岩壁を伝い降ります。 11:34 そしていよいよコースのクライマックス、宝剣岳へ直接登り着く最後の岩壁に取り付きます。
三点確保を忠実に守り、緊張感を保ちながらテラス状の岩棚に登り着くと右手にルートは続きます。 11:49 なおも岩壁を上に這い上がりますが体感的には殆ど垂直ですので、前を行く同行者は振り返る余裕もないようでひたすら岩場を伝い上がり、やっと山頂直下のテラスに着くと右手から岩のトンネルが迎えてくれます。
ここはザックが引っかからないよう小さくしゃがんで潜り抜け 11:53 もう一頑張り階段状の岩を伝い上がると目の前に飛び込み台を思わせる水平な岩盤が目に入ります。
この岩の上から辿ってきた岩尾根を見下ろすと最初の鞍部に下られる後続のパーティーの姿が遙か下に見えます。 11:58 人の話し声が聞こえ出すと最後の一登りで山頂に到着です。

ケルンから50分間保ってきた緊張感もここでほんの少し解放します。 12:03 - 12:21 山頂には既に10人近い先客が寛いでいらっしゃいますが殆どの方は宝剣山荘側からピストンされるようで、一組の外国人の方だけが我々と入れ替わるように極楽平方向に下って行かれるのを見送った後登頂記念に一人ずつお気に入りのポーズでカメラに向かいますので、私も自由の女神を真似て1枚・・・

問題はその後で、足の長さを考えて登らなかったためモタモタと岩から下るハメに f(^_-) 12:23 狭い山頂に次々と人が登って来られますので昼食を諦めて我々は山頂を辞する事とし、宝剣山荘に向かってクサリの巡らされた岩肌を伝い下りますが、途中で幾組かのパーティーと行き交うことに・・・
驚いたことにこの岩場をノースリーブにビーチサンダルという出で立ちで登ってくる若者もいるようで、まるで遭難願望でもあるのかと疑いたくなってしまいます。 12:44 - 13:20 山頂から岩伝いに20分で宝剣山荘手前の広い露岩帯に着きますので、手頃なテーブル状の岩を見つけて遅い昼食タイムとします。 13:24 食後は宝剣山荘から天狗荘の横を通って中岳方向に辿りますが、左手に山岳信教の名残でしょうか何やら祭礼台の跡と思われる刻字された石柱が目に付きますが案内も見あたりませんので素通りすることとします。 13:31 5分程で中岳の捲き道(横手コース)が左に別れますが、中岳へのルートには先行の登山者が沢山見えますので往路はこの捲き道へ足を進めることとして左へ採ります。 13:34 捲き道からは左手の天狗岩に続く岩尾根に鋭く突き上げる石塔が周囲を圧倒するように存在感をアピールしている情景を後にして 13:40 岩場を縫うように付けられた道ですが、 13:42 案内書に書かれたような(危)マークの箇所は見あたらず、むしろ中岳の山頂を通るルートより格段に快適な岩道といった感じで山肌を横切ります。 13:48 捲き道に分かれて20分で中岳山頂を通るルートと合流すると途端に元気な話し声が聞こえてきます。
青い屋根の駒ヶ岳頂上山荘を通り過ぎるといよいよ今日最後の登りが待ち受けています。 14:06 元気で賑やかな10人くらいの中年パーティーに混じって盟主・本岳(2956.3m)への砂礫混じりのやや急な坂道を登ると前方に石積みされた駒ヶ岳神社(伊那側)が見えてきます。
また左下にはガスに捲かれた木曽前岳(2826m)と今夜の宿・赤い屋根の頂上木曽小屋が目に入ります。 14:07 20分程で木曽駒ヶ岳・本岳に登り着きますが山頂は相変わらず多くの人で賑わっていますので、とりあえず少し遠巻きに山頂を一巡りしてみることに・・・・ 14:08 - 14:27 山頂には方位盤や木製の道標が建てられていますが、一際目を引く所に一等三角点(点名:信駒ケ岳 標高:2955.95m)が打たれていますのでソッと触れた後先客の一団が下山を始められた事を確かめて 駒ヶ岳神社(伊那側)の北に回って改めて広い山頂風景をゆっくり眺め 最後に残るもう一つの駒ヶ岳神社(木曽側)が望める西に足を進めて、静かさを取り戻した山頂をゆっくり見渡した後駒ヶ岳神社に寄ってソッと手を合わせて山頂を辞します。 14:33 山頂からは小石が散らばって少し歩きにくい坂道ですが、十分な広さですので小石を踏み違えて捻挫しないよう足下に気をつけて木曽前岳との鞍部・玉ノ窪に向かって下って行きますと 14:37 左下を通る駒ヶ岳本岳の捲き道との合流点に建てられた頂上木曽小屋に着きます。 14:48 合流点から捲き道を戻るように回り込むと今夜の宿舎に無事到着です。 ※小屋の前からは目の前に木曽前岳とガスに捲かれた麦草岳(2733m)を望む事ができますが、一面を取り囲むガスに遮られて“素晴らしい夕陽が展望できる小屋”から御嶽山や乗鞍岳と沈む夕陽を鑑賞することは諦める事になりそうです。 ※今夜の宿泊者は我々3人だけになりそうで、200人収容の山小屋は貸し切り状態です。 夕食には管理人のご好意でワインの差し入れがありご機嫌でまずは「カンパ〜イ」。

夜は冷えますので8時30分の消灯を待たずに蒲団に潜り込みます。
05:19 《第2日目》
※今日の日の出は5時7分という事ですが、太陽の昇る南アルプスには相変わらず雲がかかっていますので山頂でご来光を拝むことはパスしますが、西側の空には青空が広がっていますので今日も晴れ用に準備したコースを歩く事を期待しながら南〜西に広がる朝の風景を楽しみます。 ※朝日を浴びて心持ち赤みを帯びた雲を少しずつ脱ぎかけている御嶽山を待ちますが、殆ど雲は動きそうにないので仕方なしにズームアップで1枚 ※南東方向にはすっきりと陽光を受けて昨日迎えてくれた宝剣岳が絵になる姿を見せてくれます。 07:14 朝食を済ませて今日もノンビリとしたスタートです。
一旦駒ヶ岳・本岳に登りながら振り返りますと南方向にピークを連ねる稜線にも朝日が当たって風景が緑と青灰色に変わると、反射光の所為でしょうか靄って遠望が利かなくなってきます。 07:22 2度目の本岳で駒ヶ岳神社に今日の天候と安全をソッとお願いした後、岩礫の散らばる山頂から馬ノ背尾根を下り始めますが前方にはガスがかかって将棊頭山(2730m)方面の展望は全く目にすることは出来ません。 07:42 緩やかな稜線をノンビリ辿ると我々を先導するように常に2〜30m前方を“山の住人”達が岩から岩を伝って行くのが目に入ってくると 07:44 右手後方に駒ヶ岳頂上山荘からの道が合流してきます。 07:47 時々展望の良い馬ノ背尾根らしさが顔を出し、先程の合流点を振り返ると本岳と中岳の鞍部に建つ駒ヶ岳頂上山荘の青い屋根も一瞬小さく見えますがすぐガスのベールに隠れて 08:05 足下には再び散乱する岩礫帯が現れますので、展望の利かない事で足下への注意が集中出来、却って良いのかも知れないと勝手な理由を考えているといつの間にか案内役の“山の住人”の姿が消えてしまいます。 08:20 前方のガスが少し切れると茶臼山(2652.7m)がほんの少し顔を出してくれます。
ガスの切れた後方を振り返ると先程の岩礫帯を下って来られる4人連れのパーティーが確認できます。 08:38 - 08:44 白い岩肌と緑のハイ松のコントラストを楽しみながら平坦な尾根筋を辿る右下に小さな水溜まりのような濃ヶ池が目に付き、左手方向には大きくU字状に抉れた“駒飼ノ池カール”が・・・・
残念ながらガスに覆われてカールを確かめる事は出来ませんが、前方の一段高くなったところに岩礫が現れますので最初の休憩を挟む事とします。
ここは丁度馬ノ背の尾根尻になっているようです。 08:56 休憩の後は少し勾配のきつくなった露岩混じりの尾根を下ることになりますが、視界を遮るガスは相変わらずで乳白色に塗りつぶされた景色を背景にハイ松帯に続く快適な道をノンビリと下ってゆきますと 09:03 - 09:08 八合目の分岐ポイントに到着します。
後になって考えればこの先に40分程足を進めて、新田次郎著「聖職の碑」の舞台となった大正2年8月26日に中箕輪尋常高等小学校の修学旅行登山での悲劇、その“遭難記念碑”までピストンすれば良かったのですがこの時には全く気がつかずに右へ折れて濃ヶ池に向かいます。

風通りのよい辻の気温は18℃と歩くには絶好の清々しさです。 09:11 辻を折り返すように南へ辿ると暫くは背丈を超える雑木に遮られて景色を楽しむことは出来ませんが 09:18 やがて左手に今まで雲に覆われて全く姿を見せてくれなかった南アルプスがほんの少し雲の切れ目から甲斐駒ヶ岳の頂を見せてくれます。 09:23 八合目の辻から10分程平坦な中腹道を進むと右手上方に「聖職の碑」で二人が風よけにした岩ではないかと思われる四角い石盤のような大岩がガスの中から姿を現し 09:27 程なく“その昔には水浴びが出来た”と言われる濃ヶ池が目の前に全容を見せてくれますが 09:28 - 09:54 池畔まで降りて見ると今では流れ込む土砂に埋め立てられて池というより大きな水溜まりといった雰囲気で、池の東側には小さな石像と鳥居の跡?と思われる木片が、そして南側には岩の上に「天台大神」と掘られた標柱が見かけられますが案内が見あたらず実態は知るすべがありませんが、ここが濃ヶ池であることは南東側に打たれた駒ヶ根営林署による標識で知ることが出来ます。 ※池畔でノンビリ休んでいると南方向のガスが薄れて、この後辿る宝剣山荘が遠望出来ますがガスがなければ見られるはずの風景はカメラ位置の関係もあって見ることが出来ません。 休憩時間が長すぎたようで、馬ノ背尾根で遙か後方におられた4人連れのパーティーが池に到着されたのを契機に一足先に池を後にして、次の目的地・駒飼ノ池に足を進めます。 10:00 足下の水溜まりに気をつけて背丈の高い雑木帯の平坦な道をスタートしますが 10:07 やがてガスで対岸の見えないU字カールの左岸を辿ると崩落した岩礫帯を横切り、小さな起伏を緩やかに下って駒飼ノ池から流れる沢を横切ると 10:34 このコース中もっとも低い岩清水分岐に着きます。
手元の25000地形図ではこの分岐を薄い踏み跡の左へ下ると伊勢滝を経て黒川渓谷に続いているようで、また駒飼ノ池には400m程直進してから谷筋を登るルートが書かれていますが、今は無難に道標に従ってここからは右手の急な山肌を登ることにします。 10:38 ルートはいきなり山肌をジグザグに伝い上がる事になります。 10:42 正面に大きく切れ落ちた絶壁が現れますので右横の急斜面に取り付けられたハシゴを登り 10:44 岩溝に架けられた水平なハシゴを渡り、さらに絶壁に沿った急坂で汗が滲み出してくる頃 10:56 - 11:30 突然開けた台地状の駒飼ノ池に登り着きますので、少し時間が早いようですが木曽小屋で用意して戴いた弁当を広げる事にします。
ノンビリ昼食を摂っていると濃ヶ池で追いついて来られた4人連れが通り過ぎてすぐガスの中に消えて行くのを見送ります。

※名前は“池”が付いていますが付近に水溜まりすら見あたらず、細い流れが台地を湿らせている程度で、ここにも“辨胝龍王”と掘られた石柱が目に付きます。 11:31 昼食休憩が終わると先程まで周囲を包み込んでいたガスが途切れ、途端に大きなカールの上に赤い屋根の天狗荘が目を引きますが、見る見るうちにガスが覆い隠してしまいます。 11:32 ここからはカールの中を宝剣山荘目指して登る事になりますが、100m程右手からは溶け残った雪渓に見送られて 11:47 最後の登りとなる擂り鉢状の急斜面をジグザグに伝い上がると 12:02 駒飼ノ池から30分で宝剣山荘の直下に着きますが急ぐ必要もありませんのでゆっくりと宝剣岳を包むガスが切れるのを待ちますが 12:06 - 12:24 右手には宝剣山荘と天狗荘がくっきりと見ることが出来ますが、少し離れた中岳にはガスが懸かってどう見てもガスが切れそうな状況ではありませんので 12:27 仕方なく乗越浄土まで足を進めて見ますが一向に好転の兆しはなさそうなので今日の宝剣岳は諦める事にして 12:28 (少なくなった?)後ろ髪を引かれる思いで八丁坂を下り始めます。 12:30 一面のガスで千畳敷カールの全貌を見ることは出来ませんが、深くU字に削られた谷相だけを確認して下ります。

この八丁坂でも薄い半袖シャツとサンダルに小さなバッグで登ってくる親子連れに遭遇して悪寒が走ります。
子供さんは「寒い寒い」と言いながら仕方なしに登っているようですが、母親(たぶん?)と思しき女性は「もうすぐだから我慢して」程度の認識で、もし雨でも降ってくればどうするつもりでしょうか? 12:56 何とも理解が出来ないまま30分程でカール分岐に着き左の遊歩道へ足を進めて剣ヶ池に着きますが相変わらず深いガスに覆われた一帯は乳白色の景色しか目に入りません。 13:06 - 13:19 下山時刻にはまだ充分時間がありますので剣ヶ池で最後のチャンスを狙って待っていると不意にガスが切れ、宝剣岳から伊那前岳への稜線が一瞬美しい姿を見せてくれます。

あとは千畳敷駅まで少し登って13時48分発の臨時便でシラビ平に・・・
バスも臨時便が出されて予定より少し早めに民宿に帰り着き、早速“大沼湖〜別荘地〜光前寺〜家族旅行村”と続く遊歩道を辿って早太郎温泉郷・こぶしの湯でゆっくり手足を伸ばしますが、残念なことにやはりここでも南アルプスの山並みを目にすることは出来ないまま、軽く反省会を済ませて民宿に戻ります。 ページの先頭へ