東尾根登山口 〜 堀坂山(757.4m) 〜 堀坂峠
コース概念図 hossaka-h.jpg
↑「地図」上の○印をクリックするとその位置の画像を表示します。
2008年8月2日 (土曜日)薄曇り メンバー:単独
歩行距離 13.3q/歩行時間 5時間16分 (休憩時間 1時間52分) 所要時間 7時間08分
09:14 ネット友であるなかりんさんの矢頭山レポを拝見して、可能なら自分も未踏の伊勢山地を歩いて見ようと思いつきますが、矢頭山や伊勢山上へ公共機関で出かけるのは便数や行程に少し無理があるようなので比較的アクセスの容易で、たまたまネットでお知り合いになったoka-chanさんが歩かれた堀坂山へ出かけてみることにします。

近鉄・松阪駅前から三重交通バスに25分揺られて横滝口バス停で降ります。
薄曇りの天気ですが、無風状態の影響もあって手元の温度計では既に気温32℃と今日も汗だくを覚悟して正面にうっすらと見える堀坂山目指してバス道を西へ向かいます。 09:19 数分で南北に通る県道59号との「伊勢寺町南」交差点に着きますので 09:26 県道を横切って更に西へ足を進めるとやがて県道45号と合流します。
薄曇りとはいえ日陰のない舗装道路を西へ進むに従って汗がジワジワと滲み出して来る頃、前方に県道を跨ぐ「伊勢自動車道」の堀坂橋が見えて来ます。 09:36 堀坂橋を潜って10分、右手に静かな鎮守の森?が姿を見せてくれますがこの道を復路で歩くことにしていますのでしっかりと目にとどめて通り過ぎます。 09:38 程なく堀坂川に架かる西蓮寺(さいれんじ)橋を渡りきると右手に広い谷筋が広がります。
すぐ左手に松阪阪南森林組合の大きな看板を見やりますとすぐに森林公園の駐車場が見えますが、燃料費高騰の影響でしょうか夏休みにも関わらず広い駐車場にはほとんどマイカーの姿が見あたりません。 09:48 暫く田園風景が続きますがやがて右手に整備された堀坂川が見え出すと観音岳山麓に広がる森林公園で水遊びする子供達の歓声が聞こえ出し、程なく右手に森林公園への入り口が姿を現しやっと前方左手に堀坂山への登山口となる雲母谷(きららだに)林道が視界に入ります。 09:53 汗かきの面目躍如と言ったところでしょうか、雲母谷林道への分岐では既に500tのペットボトルが殆ど空っぽ状態ですが、この時点ではザックにまだ4本残っているので何とか足りるだろうと楽観的に考えてそのまま県道と別れて車止めのクサリが渡された林道へ足を進めます。 09:56 道はすぐ急坂のコンクリート道に変わりますが、道を挟んで立ち並ぶ植林が日陰を作ってくれますので少しヒンヤリとした涼しさを感じます。
それでも温度計は28℃を示していますので汗が引く事はなく次第に足が重く感じて来ます。 10:12 林道に足を進めて15分程でY字の分岐に着きますが、道端に付けられた道標に案内されて左の道へ足を進めます。 10:21 さらに10分程で舗装が途切れて雲母谷林道の終点に着くと、再び分岐が迎えてくれますがここからは正面の木に付けられた道標に案内されて樹幹の尾根道に取り付きます。 10:25 数メートルも足を進めますと「東尾根登山口」と書かれた手造り案内板が迎えてくれますが、いきなり樹林の急坂を登ることになり 10:41 木の根の飛び出した細尾根をグングン高度を上げる事になりますが、 10:51 滴り落ちる汗に比例するように水分補給の回数と立ち休憩だけが増えますのでペースはガクンと落ちてしまいます。

山は止めて、森林公園でノンビリする方が良いのでは・・・・”とどこからか甘い誘惑の声が聞こえてくるようで足の運びは更に鈍くなってきます。 11:26 前方には依然として急峻な尾根道が続くようですが、予定ではとっくに登り着いている筈の456mのコブはまだ視界に姿を現してくれませんので少し時間配分に不安を感じながら、重い足を運び上げますと傾斜が緩やかになって目の前に顔を覗かせる露岩がどうやら548m峰東の尾根尻に登り着いた事を教えてくれます。 11:31 ここからは稜線を西へと辿ることになりますが、地図で現在地点を確かめて見ますと案内書で入手したルート図とは大きく異なり456mのコブから500m程西に登り着いたようです。

ただ、他に踏み跡らしいルートも見あたらなかったので案内書のルート図が間違っているようですが、そのお陰でほぼ予定通りの時間配分であることに一安心します。 11:34 小さな起伏を辿ることになりますが途中でササに覆われて少しルートが判りにくくなりますが 11:38 50mも進めばササが姿を消して再び明るく広い平坦な稜線歩きが続きます。 11:40 尾根尻から10分程で小さなピーク(548m)に着きますが樹林の中で展望も開けませんのでここは通過します。 11:44 一旦小さく下りますがすぐ細い尾根道を登り返しますが露岩が飛び出した予想以上の急勾配ですので 11:47 所々に付けられたロープに従いながらジグザグに高度を上げますので、少し歩いては水分補給を兼ねて立ち休憩を繰り返していると 11:52 後方から単独行の男性が軽快な足取りで近づいて来られます。

「今日は!」挨拶を交わしますが、50代後半くらいの地元の方で殆ど毎日散歩を兼ねて歩かれているとか・・・なるほどよく見ると荷物は無く500tのペットボトルだけを手に持って追い抜いて行かれますが、その姿は見る見るうちに樹林に消えてしまいます。 11:53 先程の男性が見えなくなった付近まで来ると大きな露岩が目に付き、ルートは左から岩の上に出てやや急な尾根道に変わります。 11:54 548mのコブから堀坂山・雌岳への丁度中間地点のようで、地図の等高線では580m付近に着いたようでここから山頂まで少し急な登りが続くようですのでしっかり水分を補給して、次々に姿を見せて歓迎してくれる露岩を巡りながら東尾根を西に辿りますと 12:03 鋭く尖った先端を上にして突き立つ岩が神聖な雌岳に近づくハイカーを検閲する衛兵のように出迎えてくれます。 12:05 いよいよ雌岳が近づいたのでしょうか?ゴツゴツとした岩肌が目の前に広がりだし、岩場を巻き上がる急坂のルートにはトラロープが付けられていますので雨で濡れた岩場では助けを借りることも出来ますが今は必要ありませんので岩を左から捲きますと 12:16 道は雌岳から外れて山腹を横切るように北側へ回り込み、雌岳の北に伸びる尾根尻(630m)に着きます。
右手前方には、このあと辿る堀坂山が神事で使われる長い竹を頭に乗せて丸みのある山容を見せてくれます。 12:20 - 13:00 緩やかな尾根筋をノンビリと南に辿り松が目立ち始めると左手にこんもりとした小高いピークが目に入りますがこれが最初の目的地、堀坂山雌岳(680m)ですのでルートから外れて立ち寄ることとします。
山頂にはドーム状に積み上がられた石が目立ちますので反対(=表?)側に回って見ると立派な石室に守られるように小さな石仏が安置されていますので、今日の山行の無事をお願いして手を合わせます。
平坦な山頂からは松阪港方面が見えるようですが今は靄って全く眺望を楽しむことが出来ませんので、記念に手造りの山名板をカメラに納めて山頂を辞し気温26℃の木陰で昼食時間とします。 13:06 昼食休憩で少し汗も引き足も少し元気を回復したようですが、飲み水の方は残り800t程と少し心細くなってきました。
食後のスタートは鞍部への下りとなり5分程でベンチと勢津方面への分岐がある鞍部に着きます。 13:11 地図ではここから堀坂山(ほっさかさん)山頂まで凡そ300m程ですのでなるべく汗を抑えてゆっくりと雑木に覆われた山肌を登ります。 13:13 樹木が杉に変わると右手に頂上まで 200mと書かれた表示板に励まされますが、水分を出来るだけ残すためにペースは替えずにゆっくり辿ることとします。 13:23 頭上を覆っていた樹木が途切れて目の前が開けますと見覚えのある竹がまず目に飛び込んできます。

※この竹は五穀豊穣を祈って毎年行われる神事のシンボルとして建てられているようです。 13:25 - 13:29 急峻な坂道をやっと登り着いた尾根尻から昼食を含め1時間50分もかかって何とかコース中の最高点・堀坂山(767m)を踏むことが出来ますが予想通り汗だくでバテバテ状態ですが、意外に広い山頂部には堀坂峠からピストンされる2人の女性が休んでおられますので邪魔にならないよう山頂の東側で腰を下ろします。
せっかく辿り着いた山頂ですが自慢の360度の眺望も靄に遮られうっすらとした麓の景色が望める程度ですので山頂部を少し巡って見ます。 最も高い位置には堀坂大権現が祀られ、北側には視界を邪魔しないように配慮された質素な山名板と木製の案内板が建てられ、女性が寛いでおられる西側には避難小屋?も建てられて信仰の山であることを容易に窺い知ることが出来ます。
また山頂には三等三角点(点名:堀坂山 標高:757.40m)も打たれていますのでソッと踏んで下山の準備にかかります。
行程を確認してみると5分程の遅れですのでこのペースで予定通り観音岳まで足を伸ばせるかも知れないとの期待を持って山頂を辞しますが、飲み水の残りは350t程とますます心細さを感じながら 13:30 先程の小屋の背後から堀坂峠への下りが始まりますが道のすぐ右手には大日如来が鎮座する二の峰(通称「おなご権現」)が見えますので右手の岩肌を登って 13:31 大日如来座像の安置された二の峰に立ち寄って少し急坂を下るとすぐに二の峰を捲いて下る一般道と合流します。 13:34 少し露岩の飛び出して歩き難い九十九折れの急坂が続きますが、地元の男性と一緒に登ってきた元気な女の子は汗もかかずに「ヨイショ、ヨイショ」と掛け声を出しながら笑顔ですれ違います。 13:38 やや傾斜が緩やかになると道はU字状に抉れた所に出ますがそれもほんの少しで終わると、 13:40 平坦な広い尾根道に変わり左手から再び東に向かって鎮座する大日如来座像の見送りを受けます。 13:56 緩やかな尾根道が途切れると植林の中の急斜面を横切るように付けられたジグザグの急坂を下る事になり、山頂から25分程で石の鳥居が建てられた堀坂峠に下り着きます。 13:57 鳥居の手前で両側から迎えてくれる灯籠を過ぎ鳥居を潜り抜けると 13:58 堀坂峠を東西に越える県道45号(合ヶ野松阪線)に降り立ちます。
右手には立派な駐車場がありますので少なくなった飲料水を補給しようと自販機を探しますが見あたらず大ショックです。

予定ではこの後道路の向かい側に横たわる観音岳へ登り森林公園へ下るつもりだっただけに、残り200t程となった飲料水だけではとても歩ききる自信はありませんので観音岳を断念して、日陰の少ない県道をひたすら歩くこととします。 14:22 - 14:24 照り返しの強いアスファルト道を10分程東へ辿ると右手に谷川の瀬音が聞こえてきますので少し脱線して冷たい谷川の水で身体を冷やし、改めて車道に戻って時折車の通る苦手な舗装路を下ると左手から乙女の滝が涼しげな表情で迎えてくれますのでここでも少し身体を冷やしますが 14:49 - 15:30 さらに容赦なく照りつける陽射しを恨めしく見上げながらやっとの思いで森林公園に辿り着く事ができ、早速管理事務所に寄ってシャワーを拝借する事が出来ましたが、勿論この時点で残り水分はゼロ・・・
シャワーの冷たい山水で充分汗を洗い流し身体の火照りも鎮めて着替えを済ませ、待望のビールを喉に流し込んで最後の行程となる横滝口バス停までの道程を歩くことになりますが、出来るだけ車道を通りたくないので横滝寺へ続く山辺の道から往路で通った鎮守の森?への里道を歩きだします。
途中でどんどん県道から離れるようなので道を間違えたことに気がつき少し戻りますと、殆ど廃道化している下草の生い茂ったヤブ道が県道方向に伸びて行くのを見つけ注意深く足探りで進んで見ると予想したとおり往路で見覚えのある県道に出て無事バス停に到着しますが、シャワーで洗い流した筈の汗が噴き出してきてせっかくの着替えが台無しに・・・

バス停で待つこと10数分、54分発の最終バスに乗ることが出来ました。 ページの先頭へ