中宮成就登山口 〜 石鎚山(1982m) 〜 土小屋登山口
コース概念図 isiduti-h.jpg
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2007年10月25日 (木曜日)晴れ後曇り時々雨 メンバー:4名
歩行距離 9.4q/歩行時間 5時間30分 (休憩時間 1時間16分) 所要時間 6時間46分
(前夜) 〜〜〜 まずは前夜(10/24)の作戦会議 〜〜〜

大阪南港22時40分発のオレンジフェリーに乗り込み、遅い夕食を兼ねて作戦会議?

今回はメンバーから「紅葉の石鎚山へ行きませんか」とのお声掛けがきっかけで合計4人が同行することとなり、気になる天気予報(降水確率:40〜50%)やコース状況のリサーチに話の花が咲き日付が変わっての就寝になりました。 08:34 朝6時10分に定刻通り「東予港」に着いたフェリーは大勢の船客を吐き出し、送迎用の無料バスで「JR伊予西条」駅まで送って貰います。
駅前で昼食や飲み物を確保しユックリと準備を澄ませた後、7時43分発のバスに1時間近く揺られて“石鎚ロープウェイ前”まで移動します。 08:39 事前に調べた時刻表では9時00分始発ですのでノンビリと「山麓下谷駅」に着くと、「8時40分発が出ますがお乗りになりますか?」との駅員さんの声に理解が出来ないまま切符を購入してホームへ出てみると既に満員近い人がゴンドラに・・・・
事情を理解した我々が乗り込むのを待ってすぐ臨時便は動き始め、最高斜度36度強の山肌を駆け上がります。 09:00 僅か8分弱で標高差720m・斜長1815mの「山頂成就駅」に到着します。
薄日は射しているものの手元の温度計では15℃と少し肌寒く感じますので1枚着込んだりスタート準備に少し手間取りますが、いつもの通り他のパーティーが出発されるまでノンビリと時間を稼ぎながら目の前に広がる景観を楽しみます。

※この駅舎の建つ辺りは既に石鎚山の7合目に相当する位置だと案内書には記載されています。 09:02 やがて賑やかだった駅舎も落ち着いた様ですので、我々も4m幅のコンクリート舗装路を緩やかに登り出します。 09:05 広い表参道を進みますが、正面に見えるはずの山頂部には雲が懸かって全く姿を見ることが出来ませんので、奥前神寺(おくまえがみじ)手前で少し時間稼ぎを兼ねて石鎚スキー場への分岐を右へ進み展望台に立ち寄る事とします。 09:10 すぐリフト乗り場に着きますが乗降客が少ないようで営業時間中の筈?にも拘わらずリフトは稼働していません。
我々の到着に併せて運転を開始したリフトに揺られて展望台まで少し黄葉した山肌の空中散歩を楽しみます。 09:12 - 09:18 貸切り状態の展望台(1414m)から青空と雲を被った瓶ヶ森を中心に広がる山並みにほんの少し時間の流れを忘れる事とします。 09:20 眺望を楽しんだ後は丸木階段を一旦下って成就(じょうじゅ)への道を登り返します。 09:30 10分で石鎚神社中宮(成就)社の横へ飛び出します。 予想通り一緒にゴンドラから降りたパーティーは殆ど見かけることはありませんので、ひっそりとした成就社本殿で今回の山歩きの無事をお願いします。
案内書によればこの位置から“正面に石鎚山最高峰の天狗岳北壁が見える”と書かれていますが、大きな雲塊に包まれて輪郭すら目にすることは出来ません。 09:31 境内を南に進み、石鎚山への「登山口」にあたる大きな注連縄が掛けられた神門を潜ります。 09:36 暫くは爽やかな雑木林に囲まれたほぼ平坦な八丁坂を緩やかに下って行きます。 09:45 10分程で「石鎚山遙拝の鳥居」の出迎えを受けます。
道端に建てられた案内板には“山頂まで行くことの出来ない人のために・・・”と書かれていますが、鳥居の下に設けられた賽銭箱を見れば納得?。 09:53 石鎚神社中宮(成就)社から1q程で最低鞍部となる「八丁」に着きます。
ここで左手に分岐が現れ、“刀掛道”と高さ30mの天柱石が聳える“御塔谷”へのルートがササ混じりの樹林を下っていますが今は素直に広い表参道を辿ります。 09:55 しかし遊歩道的な表参道はここまでで、やがて前社森(ぜんじゃがもり)への急な木組の階段が連続しますのでペース配分に気をつけて山頂を目指します。 10:03 5分少々で一旦木組みの急階段が途切れ小さな起伏が暫く続く樹林帯を辿る事になります。 10:09 改めて前社森への本格的な木の急階段が葛籠折れに登り始めます。 10:31 立ち休憩を挟みながら20分近い階段登りに集中して歩を進めますと「登山道↑ 試し鎖り→」と書かれた道標のある前社森の肩に登り着きます。 10:38 - 10:53 ここでメンバーは捲き道を通る2名と「試し鎖(74m)」を乗り越える2名に岐れます。
この「試し鎖」は前社森の岩峰(1592m)へ鎖(48m)を一旦登った後反対側へも鎖(19m)で下る事になりますので、鎖場では最も長い行程になります。
まず登りの鎖に取り付きますが岩盤が湿っていて足元が滑りますので鎖の輪に足を掛けて登ることになります。 丁度麓の成就社と山頂の頂上社との中間地点となる岩峰には王子社が祀られていて晴れていれば絶景が期待できるようですが、ガスに巻かれた山頂は相変わらず目にすることは出来ません。 10:47 この前社森への上り下りは鎖に頼る以外ルートがありませんので高所恐怖症を自認している同行メンバーは「まさか鎖を下るとは・・・」と後悔した様ですが、必死の覚悟で鎖を伝い下ります。 11:06 再び平坦な表参道を辿って歩きますと左側の切り立った崖下からは鮮やかな紅葉が見送ってくれます。 11:08 目の前に次のピークが立ち塞がりますが右手西側から捲いて肩を越えます。
振り返ると樹間に先程越えてきた前社森の岩峰が鋭い岩肌を見せています。 岩峰の肩まではやはり整備された木の階段を登ることになります。 11:14 肩まで登り着くと前方に「夜明峠(よあかしとうげ)」と水色の屋根が目に着きます。
水色の屋根はこの後目指す「一ノ鎖」下にある小屋ですが、その上部はガスに覆われて相変わらず目にすることは出来ません。 11:15 岩峰の肩から一旦「夜明峠」のある鞍部まで下りますが、まだ石鎚登山が今程容易でなかった頃はここで夜が明けるのを待って先に進んだ事から、夜明峠(よあかしとうげ)と呼ばれるようになったそうで、晴れていればここから南尖峰・天狗岳・弥山・三角点峰を仰ぎ見る事が出来ると案内書には書かれています。
またここから左へのササ道を40分下れば天柱石の聳える御塔谷へのルートが別れます。
そして後方からは今肩を越えてきたばかりの岩峰が見送ってくれています。 11:23 峠からは「一ノ鎖」へ続くササ尾根の階段道を緩やかに登って行きます。 11:29 やがて一ノ鎖直下の尾根途中からは明るい陽射しを受けた中宮成就社が視界に入ります。 11:32 - 11:40 4つの鎖場のうち一番容易に登れる「一ノ鎖」がすぐ出迎えてくれますが、ここでも捲き道を通る2名と「一ノ鎖(33m)」を登る2名に岐れますが、試し鎖にチャレンジしたメンバーは捲き道を選ぶ事になり、別のメンバーと私が鎖に挑戦する事になります。
途中から見下ろすと年配の男性2人も足元を確かめながら登って来られます。 ※ここから瓶ヶ森を中心として北側に連なる石鎚山脈を形成する峰々に暫く自分の中で時間が止まります。 11:42 暫くはササ原の尾根に付けられた平坦な道をノンビリ辿ると正面に二ノ鎖小屋と鳥居が見えてきます。
小屋の裏手には垂直な岩場「二ノ鎖」と鎖を伝い登る数人の登山者も目に付き出します。 11:50 - 12:11 そろそろ空腹を覚えてきたので二ノ鎖小屋直下の鳥居横で足を休めるのに併せて昼食タイムとしますが、気温は13℃と低い上に太陽は厚い雲に隠れていますのでユックリと食べられる条件が整っている訳ではなく、身体が冷え切らないうちに食べ終わる事になります。

※ここで下山予定の土小屋へのルートが左に分岐していますので、ここから山頂へはピストンすることになります。 12:14 気になっていたガスもニノ鎖小屋まで包み込むように広がって来たようです。
目の前にある鎖場中最大斜度の「二ノ鎖(65m)」もすぐ上部が靄って視界から消えているようで3人のメンバーは早々と捲き道を選びます。
結局右足の違和感が少し気になって「二か三か、どちらかをスキップ」する事で自分を納得させた時点で全員捲き道を迂回することになりますが、 12:17 メンバーの1人が足の不調を訴え二ノ鎖小屋で待機する事になり残りの3名で山頂を目指すこととします。
遙か昔に訪れた時の記憶は全く掘り起こすことができませんが、広く整備されすぎた鉄製の階段もあってとても2000mの山頂直下を登っている雰囲気を味わうことができず、ここも鎖場を通るべきだったかなと少し後悔しますが「右足を考えれば順当な選択だったんだ」と改めて自分に言い聞かせます。 12:29 階段と桟道が交互に現れる迂回路をノンビリ登ると15分程で鎖道と合流しますので二ノ鎖上部を少し見下ろしてみますが、やはりガスが視界を遮ってハッキリとは見えないようです。 12:31 露岩混じりの階段を少し捲き上がると左手のササ原に細い岩道が別れます。
道標はないようですが岩道の少し奥まった道端「←三之鎖 登り口」と書かれた道標が隠れるように付けられていますのでこの岩道に足を進めます。 12:33 しかし岩道には鎖は見えず頼りないロープが付けられているだけですが、取りあえずこの岩をよじ登りますと続いて細い鎖が付けられた岩溝をよじ登ることになります。 12:36 よじ登った岩溝のすぐ上から「三ノ鎖(68m)」が始まりますので一層濃くなってきたガスの中を登りだします。 12:39 登り初めて2〜3分で霧のような雨が舞いだし鎖や足場が濡れ滑りやすくなってきますので、鎖を掴む手にも自然に力が入ってしまいます。
下を振り返りますが目に見える範囲には後続のパーティーが見あたりませんので、おそらく霧雨のために登るのを躊躇されているのかも知れませんが自分も右足の違和感を気にしている余裕はありません。 12:55 残り2〜3mのところまで登りきりますと待ち兼ねていたように突然雷雨の歓迎に逢いますので、最後の一歩で弥山山頂(1974m)に立ち慌てて石鎚頂上社に走り込んで雨を凌ぎます。
程なく雨脚も弱まりますので頂上社から頂上山荘へ移動することとしますが、雨とガスで指呼の間に聳えているはずの最高峰・天狗岳(1982m)の輪郭も見る事が出来ません。
10℃を指す温度計を確かめていると目の前にずぶ濡れの若者が突然現れ驚きますが、「天狗岳で雷雨に遭遇し慌てて戻ってきたが、途中の岩場はツルツルで頭の中は『滑落』の2文字以外何も考える事が出来なかった」と聞き、時間がずれていれば私が同じ目に遭っていたかも知れないと思うと思わず身震いを覚えながら山荘に飛び込みます。 12:59 - 13:25 山荘で少し暖を採った後雨具を装備していると、二ノ鎖小屋で待機中のメンバーが山頂の様子を心配して携帯電話を掛けてくれますので、「今から下山開始するから20分程かかる」旨伝えて山荘を辞します。
山頂から5分で左に面河道(おもごみち)分岐を見やって三ノ鎖迂回道を下ります。 13:43 山荘を出て凡そ20分で予定通り二ノ鎖小屋で待機中のメンバーと合流して昼食を摂った土小屋ルートとの分岐まで階段を下ります。 13:45 雨のお陰で「天狗岳」に立ち寄ることが出来なかった事で予定より1時間20分も早く土小屋ルートへの分岐を右折する事になり、雨も小康状態が続いていますのであまり神経質になる必要はなさそうです。
全く展望のないのが残念ですがここからはノンビリと今夜泊まる予定の国民宿舎・石鎚までの距離4q・標高差400m程の緩やかな下りを歩くことになります。 13:46 最初は石鎚北壁を横切る形で少しずつ高度を下げながらササ原に伸びる快適な道を進みますが、足の不調を訴えていたメンバーの足取りが重いので2人ずつのパーティーに分かれて歩くこととします。 13:51 前を歩く2人との距離はドンドン開いて行きますが、道は1本道ですので慌てる事も心配する必要もありません。
やがて岩壁が削ぎ落とされたルンゼを通過しますが道には桟道が整備されていますので渡された丸木に躓かなければ全く足元を気にする必要もありません。

といってもこのガスでは足元以外に見るところはありませんが・・・・ 14:04 分岐から20分も経ちますと雨足の強くなる間隔も少しずつ遠のき、乳白色に塗り込められていた周囲の景観も心なしか視界が広がって来たように感じる頃、右手岩陰から小さな地蔵の見送りを受けると、 14:05 再び桟道の架けられたルンゼが迎えてくれます。 14:22 分岐から35分で石鎚北壁のトラバースも終わり、やや広くなった東陵基部を通り過ぎます。
ほぼ平坦で緩やかに下る尾根道に変わると道の両側にはササ原が広がってきます。 14:41 道は稜線の右側を捲くようになるとササに覆われた傾斜地にゴヨウマツを見かけるようになります。
晴れていれば素晴らしい展望が楽しめそうですが、今は少しずつ開けてきた視界で墨絵のような景色を楽しみながら足を進めます。 14:46 5分程で建造物の跡が残る小さな台地を通りますが、後で調べてみるとどうやらここが「ゴヨウマツの休憩所」と呼ばれる場所だったようです。 14:49 少しずつ広がる視界は墨絵の世界から色つきの世界に変わって来ます。
目の前には色鮮やかな紅葉・黄葉が広がってきますが、太陽が顔を出してくれればさらに素晴らしい彩りだろうと想像を楽しみながら雨上がりのシットリとした捲き道を辿ります。 14:51 程なくして尾根の鞍部越しに土小屋付近の建物が見えてきます。
雨も完全に上がったようで前方の見晴らしはどんどん広がって行きますが振り返れば相変わらず重い鉛色の雨雲が山頂方面を覆い隠しています。 15:01 再びゴヨウマツの立ち並ぶ庭園のような風景に迎えられて建物が見えだした土小屋に向かって緩やかな坂道を下りますが同行メンバーのピッチは依然として鈍く、足の不調は快方に向かいそうにはありませんのでこの後もノンビリと景色を楽しみながら足を進めることとします。 15:04 鶴ノ子ノ頭との鞍部に差し掛かると何という樹木か判りませんが見事な色づきを見せてくれます。
道端には小さなベンチも置かれていますので雨に濡れていなければユックリ休憩するのも良いかもしれません。 15:16 やがて「鶴ノ子ノ頭(1637m)」の北側を横切る様に付けられた岩肌に張り付くような幅の狭い桟道を通ります。 15:17 すぐ左に小さな谷が現れますが、この辺りには少し黄葉しかけたブナ林が広がっているようで一面の黄葉をイメージして通過します。 15:21 間もなく行く手左の山裾に薄青色の屋根が見えてきます。
地図でどうやら今日の宿「国民宿舎・石鎚」であることを確かめていると先行のメンバーから宿舎に到着した旨の電話が懸かってきます。 15:29 鶴ノ子ノ頭を捲き終わる頃左手に雨上がりの大森山が望めるまでガスは晴れてきたようです。 15:34 ここまで来るとゴールは間近ですので色付いた木々の風景を楽しみながら散策気分で平坦な道を進み、 15:36 ガスが一瞬途切れると左手方向に“氷見二千石原”を持つ「瓶ヶ森(1897m)」が特徴のある山容を見せてくれます。 15:39 そして二ノ鎖小屋下の土小屋分岐から2時間で国民宿舎分岐に辿り着きますのでここを左に折れます。 15:41 最後の階段を下るとブナの樹林が迎えてくれます。 15:44 足の不調を訴えていたメンバーも山頂こそ踏むことが出来ませんでしたが二ノ鎖小屋まで登り、無事土小屋まで辿り着くことが出来て余韻を楽しみながら最後のブナのトンネルを潜ります。 15:46 「国民宿舎・石鎚」に到着すると同時に、玄関で待っていてくれた先着メンバーの出迎えをうけて早速汗を流すこととします。 15:46 私だけは玄関前で青空の見えてきた風景を少し楽しむこととして前方に広がる瓶ヶ森方面の山並みや、 16:47 谷間から湧き上がる雲をカメラに納めてメンバーの後を追いかけて汗を流します。 〜〜〜 そして翌26日は 〜〜〜

平日と言うことでバス便はありませんが、宿舎のご好意で麓の面河渓まで車に便乗させて戴くことが出来、バスの連絡時刻までユックリと渓谷を散策することとします。 〜〜〜 バスで松山に移動 〜〜〜

この後は面河から久万を経由して松山まで出ますが、東予港を出るフェリーの出航時刻まで充分時間もありますので道後温泉で改めて汗を流すこととします。 ページの先頭へ