八方尾根 〜 唐松岳〜五竜岳(2814.1m) 〜 遠見尾根
コース概念図 コース断面図
↑「地図」上の○印をクリックするとその位置の画像を表示します。
2007年09月22〜23日 (土〜日曜日)曇り時々晴れ メンバー:4名
歩行距離 20.1q/歩行時間 11時間52分 (休憩時間 3時間13分) 所要時間 15時間05分
《レポート画像》
↓クリックで画像が拡大します。
到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》

07:40
《第1日目》
いつもお世話になっているペンションのオーナーのご厚意でゴンドラリフト・アダムの乗り場まで車で送って戴くが、8時00分始発の筈が既に列の出来ている人並みに配慮して7時30分には運転が開始されているので今はそれほど混雑はしていないようで、5〜6分並んでいるとリフトに乗る事が出来た 現在の気温は23℃で上空には薄雲が広がっている
08:27 兎平と黒菱平で乗り継いで予定より約17分遅れで終点の八方池山荘をスタートする事になるが、予想通りの人混みに少し人並みが途切れるのを待って我々も歩き出す
08:29 尾根道も捲き道も多くの登山者で賑わっているが、比較的少ない捲き道を伝いながら振り返ってみると後方にはパラパラと人が見える程度で我々がほぼ最後部に位置しているようだ
08:45 山荘前からノンビリ足を進めて20分で八方山の肩に乗ると展望も大きく開け
08:51 - 08:54 八方尾根に6つ造られたケルンの一つ、八方山ケルン(1974m)と三等三角点(点名:八方 標高:1973.8m)に迎えられるが生憎周囲を取り捲くガスのお陰で灰色のカーテンの向う側は望む事が出来ない
08:55 展望を諦めて尾根筋を伝うとほんの一瞬、ガスの狭い切れ目からチョコッと不帰T峰が顔を出してくれる
09:04 程なく目の前に第二ケルンが姿を見せると少しガスも切れだして左手尾根上に建つ八方ケルンが視界に入る
09:11 やがて5分少々でその八方(開成校)ケルンに着く頃には人混みも疎らになってきて、何となく息苦しさを感じることなく大きく深呼吸も出来そうだ

振り返って見ると緩やかに登ってきた割には第二ケルンの建つ八方山が遙か下に見えている

09:27 - 09:40 7〜8分で右手前方に青空が顔を覗かせると八方池越しの不帰U・V峰に陽光が差して一瞬スポットライトに浮かび上がるが、10秒もすればガスのカーテンに隠れて再び灰色の風景に逆戻り 気温は16℃
09:42 池畔から第三ケルンの建つ遊歩道に合流すると一般の遊歩道は終点なので、多くのハイカーはこの場所でガスの切れるのを待ちながらユックリと寛いでおられるようだが、ここからはカラフルな服装が視界から消えて大きなザックを担いだ登山者だけが歩く事になる
09:54 第三ケルンを後にして凡そ10分で左手に登山者カウンタを見やるとダケカンバに覆われた下ノ樺に着く
10:16 ここからは暫くほぼ水平な中腹道を西方向に伝う事になり
10:19 15分程で丸山への尾根尻に近づくと再びダケカンバの広がる上ノ樺に着く
10:31 - 10:41 上ノ樺を抜けると年間を通じて雪が残る扇ノ雪田が迎えてくれるので少し休憩を挟み、折り返すように2361m独標の尾根に出て雪田を見やる
11:05 - 11:12 雪田から25分程尾根道を辿ると丸山ケルンが迎えてくれるのでここでダメ押しの休憩?を挟んでいると、ガスも少しは気を遣ってくれたようで不帰U・V峰の全容がウッスラと見え出すが
11:48 視界の回復もここまで・・・
やがて2554m独標の岩尾根を捲くように付けられた登山道を進むと左側が切れ落ちた絶壁をへつるように辿る事になり、またまた目の前には灰色のガスが広がる
12:03 ここまで来ると20分程で縦走路が通る唐松岳頂上山荘(2620m)裏に飛び出す
12:10 - 12:34 人混みを避けて山荘から馬鹿下りへの小広い台地で昼食を摂る事とする
12:45 昼食後は腹ごなしを兼ねて唐松岳をピストンすることになるが、運良くガスが晴れてくれる事を期待しながらザックをデポして北西への稜線に足を進める
13:03 - 13:15 15分程稜線を伝うと唐松岳(2696.4m)に着くがやはり懸念していたガスも切れる事はなかったようで、チョッピリ期待していた不帰嶮は全く望む事が出来ないまま二等三角点(点名:唐松谷 標高:2695.8m)をソッと踏むだけで山荘まで戻る事になる
13:12 今頃・・・・と言う頃になって唐松岳頂上山荘方面のガスが切れてハッキリ見通す事が出来るが、これ以上は期待できないので尾根を伝い戻る途中から案の定ガスに視界を遮られてしまう
13:31 - 13:36 山荘まで戻り荷物を整えた後、雨の降らないうちに牛首の難所を無事に通過して
14:53 2002年には見送ってくれた雷鳥との再開を期待していたが、大黒岳のハイ松帯では最後まで出逢う事は無かった
15:02 - 15:11 やがてほとんど真下に見える最低鞍部への下りが始まるが、ここでも雷鳥に遭遇する事ができないまま鞍部から尾根に登り返す

尾根尻への途中から振り返ると今辿ってきたばかりの唐松〜大黒岳の連なりが見えるところまで天候も回復して来たようで、明日は少し期待できるかも・・・・

15:27 目の前に続く緩やかな尾根筋を登っていると前方の空に青空が広がって来た事で、足運びも幾分軽やかになるが
15:37 尾根尻まで登ると白岳の右肩から大きな山容の五竜岳が姿を現し、上空には相変わらず鉛色の雲が覆い被さるように居座っている
15:49 - 15:54 白岳との鞍部まで来てもガスが切れる事はないのでこの日の展望は諦める事にするが、明日の空模様が気に掛かるので辿ってきた唐松岳方面を振り返ってみると少しずつガスは晴れてきているようだ
16:11 縦走路をさらに南へ辿って白岳の肩に着くと白岳を越えて遠見尾根へ下る分岐が左手から迎えてくれる
16:11 すぐ右下に今夜の宿となる五竜山荘が目に着くが、小屋の周辺にはテント指定地から溢れ出た10張ばかりのテントが登山道にまで散見されるので小屋の混雑具合も窺い知る事が出来る
16:14 山荘横へ下る途中から明日下る予定の遠見尾根を見てみるとガスは殆ど消えたようだが、頭上を覆う分厚い雲は相変わらずのようで明日の晴れを祈る事にして
16:15 人混みの五竜山荘に荷物を降ろすが、小屋の中は足の踏み場もない程の混雑を予想していた我々にとって関東方面から来られた登山者2名との相部屋で定員通りの6名部屋で足を伸ばして寝る事が出来そうだ
16:39 小屋の外では夕食準備の合間を利用してノンビリと寛ぐテン泊登山者も明日の天気が気になるらしく天気の話題で持ちきりのようだ

06:43
《第2日目》
5時半に朝食を済ませて外に出てみるが、期待に反して今日も濃いガスに覆われた五竜岳一帯は晴れる事はなさそうなので雨具と飲料だけを用意して山荘からピストンする
途中で早くも下山して来られた方と出逢い、山頂の様子を教えて貰うが「展望は全くダメだった」との予想通りの一言に一応納得して登り始めるが
06:47 全然眺望の利かない岩道をG2ノ頭(2658m)近くまで伝ってくると下山中の100人近い団体とのすれ違いで10分ばかり横道で待避する事になる
07:36 団体さんの通り過ぎた後をノンビリと伝っていると、岩場に落ちているストックの先端部をなかりんさんが見つけてとりあえずポケットに入れて山頂まで持って行く事にするが、山頂直下を下ってくる女性4人のパーティーとすれ違うところで先っぽの取れたストックに遭遇して声を掛けてみるとドンピシャ、登りで紛失したとのことなので僅か7〜8分で先っぽは無事に元のストックに帰れたようだ
07:41 - 07:52 岩稜を伝って5分程で五竜岳(2814.1m)山頂を踏む事になる
山頂に標石のみ残された三等三角点(点名:平川入 亡失)の残骸を見やって、ガスに烟る山頂からの眺望を少し楽しむ事にする

西方向には剱岳の鋭い岩峰が雲海から頭だけ覗かせ、北方面には今辿ってきた五竜岳への登山路が静かに待っていてくれ、南には鹿島槍ヶ岳の双耳峰がクッキリとした姿を見る事が出来る

07:55 まずまずの眺望を楽しんだ後は縦走コースとの分岐がある東峰まで人混みの途絶えた岩稜を伝い
08:00 殆ど貸し切り状態になった山頂を辞す事にして瓦礫の散らばる北尾根を慎重に下ると
08:18 G2ノ頭近くまで下ると北側を覆っていたガスも散らばって大展望が広がりだしたようだが、長野県側には相変わらず厚い雲がかかっているのが何とも悩ましいところだ
08:38 - 09:05 凡そ2時間で五竜山荘から五竜岳を往復してみると殆どの宿泊客はそれぞれ次の目的地に移動されたようだが、まだ10数人分のザックがデポされていると言う事は我々が最後ではなかったと言う事だが・・・・?

一通り準備を整えたところで遠見尾根へのスタートを切る

09:07 山荘裏から白岳への急斜面に取付き、昨日通過した分岐まで戻る事になるが一気の急登りで瞬く間に山荘が小さくなって行く
09:15 分岐を右に伝い遠見尾根への起点となる白岳(2541m)山頂には、一見して三角点?と思わせる標識点石柱が打たれているがここには三角点はない
09:41 山頂から南東に伸びる稜線が遠見尾根で、クサリの付けられた急な岩尾根を下りきると
09:45 ザレた斜面に変わるので滑落に注意しながら左端に付けられた階段を伝い下る事になる
09:57 一旦西遠見山との鞍部に着き小さく登り返すと西遠見山(2268m)を踏む事になるが、この小さな変哲もないピークでは殆ど気づく人はいないだろう
10:10 西遠見山を通り過ぎて右手にシラタケ沢を見下ろせるベンチが設えられた鞍部に着くが、目線より上部はガスに覆われて荒々しい姿を見せる筈の五竜岳は望む事が出来ない
10:22 - 10:24 大遠見山との鞍部(Ca.2500m)に着くと小広い台地に池塘が目に付くが、近くには西遠見の名標が付けられているのでこれが正しい地名のようだ
10:48 - 11:05 なだらかな稜線をなおも東へ伝うと30分程で右手に大遠見ノ池が横たわり、朽ちた「大遠見」の名標が置かれた大遠見山(2106.3m)に着くので少し休憩を挟む
すぐ北側には三等三角点(点名:中ノ沢 標高:2106.28m)の打たれた平坦なピークがある筈だが今回は山頂に立ち寄らずに休憩を挟む事にする
11:19 徐々に高度を下げて中遠見山との鞍部を登り返すと
11:39 - 11:45 大遠見山から凡そ25分で標高差70m程の中遠見山(2037m)を踏むので相当疲れが溜まってきた足をここでも休める事になる
12:04 - 12:44 緩やかに続く山道を20分程辿ると分岐に着くが、左は2002年に歩いたルートで小遠見山の裾を捲き、右は今回歩く小遠見山を通るルートだ
右のルートに取り付くと5分足らずで小遠見山(2007m)を踏む事になるが、山頂には数人のハイカーが食後の一時を寛いでおられるので我々も邪魔にならないよう一隅を借りて昼食タイムとする

※山頂には既に配点となっている三角点標石が残っている

12:53 食後のスタートは北に続く尾根筋を進む
すぐ捲き道と合流してそのまま10分程で尾根尻にある二ノ背髪(Ca.1950m)を通り過ぎ
13:03 道なりに北東方向への尾根道を緩やかに10分下ると一ノ背髪(Ca.1890m)に着く

ここからは整備の行き届いた道を辿る事になる

13:19 やがて15分も下ると見返り坂(Ca.1740m)と名標の付けられた小広い台地に着くが、相変わらず周囲を取り囲む乳白色のガスに遮られて殆ど展望はない
13:23 見返り坂を過ぎるとジグザグに付けられた急斜面を下る事になり、4〜5分で左手方向に地蔵ノ頭のケルンがガスの中から浮かび上がってくる
13:31 7〜8分で地蔵ノ頭との鞍部に下り着くと、左手に地蔵ノ頭(1676m)への分岐に迎えられるので右への捲き道を伝うと
13:35 足元に小さな地蔵の沼(Ca.1650m)が姿を見せてくれる
爽やかな高原に広がる湿原地を通り抜けると
13:52 白馬五竜スキー場のゲレンデ内を通る階段道に続き、分岐から1時間程で
13:56 白馬五竜・テレキャビン「アルプス平」駅(1515m)に着くので約8分の空中散歩を楽しんで「とおみ」駅まで移動した後、エスカルプラザでユックリ汗を流して
16:51 いつもお世話になっているお馴染みのペンション樹里家に無事ゴール
09:50 《エピローグ》

オーナーのご厚意で神城駅まで運んで戴き、帰宅の途に就く

ページの先頭へ