白谷本流コース 〜 横山岳(1131.7m) 〜 三高尾根コース
コース概念図 コース断面図
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2007年05月03日 (木曜日)晴れ メンバー:2名
歩行距離 13.2q/歩行時間 6時間04分 (休憩時間 0時間58分) 所要時間 7時間02分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
11:13 最近遅いスタートが定番となりつつあるが、今回も大阪8時30分発の新快速にユックリと座って木ノ本まで2時間、タウンバス(金居原線)に乗り継いで杉野農協前バス停着が11時10分
気温21℃、準備の整ったところで青空の広がる上空を見上げて遅いスタートをきる
目の前に建てられた案内板に従って、国道303号を右に見やり左に伸びる5m幅の旧道に足を進めると
11:20 数分で右手から“横山岳登山口まで約2.0kmです”と書かれた標識に見送られるが、さすがこの時間では全くハイカーに出逢うこともないので貸し切り気分でノンビリと杉野集落を通り抜ける
11:24 バス停から10分程で左に網谷林道が別れるので道標に案内されてここを左折するが、網谷林道も舗装された広い道なので足元に気を配る必要はないが車の往来は山間の集落とは思えないほど頻繁で、道路端を注意深く歩くことになる
11:31 長閑な網谷林道を北に辿ると正面にこれから訪れる横山岳が端正な美しい双耳の山容を見せてくれる
11:36 やがて小さなせせらぎにかかる込谷橋を過ぎると、左から込谷林道が合流してくるがここは忠実に舗装道路を直進する
11:43 5分少々で緩く右に曲がると左手に越地(こえち)谷が見えてくる
ここがコエチ谷登山口だが今回の下山コースに予定しているところなので、今は左に見やって更に直進すると
11:47 バス停から35分で、白谷登山口のある白谷出合に着く
道路の左右に造られた広い駐車スペースには25台程のマイカーが停められているが、既に多くのハイカーは山頂付近におられる頃で駐車場には主の帰りを待つ無人の車が静かに並んでいるだけで人の姿を窺うことはできない
11:48 今回は駐車場の北側にある白谷登山口から白谷の左岸に付けられた白谷本流コースへ足を進めるが、東尾根コースを登る場合はここを直進することになる
11:58 登山口から10分で植林を登り横山岳広域林道を経由して太鼓橋に続く新しい登山道が別れるが、今は通行止めの標識もハズされているので土砂崩れで閉鎖されていたという白谷沿いの旧道を辿ることにする
12:22 僅かに残された踏み跡を頼りに渡渉を繰り返すが土砂崩れの影響で左岸は通れそうにないので、100m程上部に見えるガードレール目指して滑りやすい左手(=右岸)の急傾斜をよじ登る事になる
12:23 - 12:25 何度か足元の小石と一緒に足場を滑らしバランスを崩しながらも着実に急な傾斜に付けられた踏み跡を辿って25分で広域林道の終点に登り着く
3m幅の広域林道の山側には冷たい水が岩を伝い落ちているのでタオルを絞って汗を拭う
12:31 林道を右に暫く進むと白谷を跨ぐコンクリート製の太鼓橋が正面に見えてくる
そして橋の向う側(=左岸)には谷沿いに伸びる白谷本流コースも見える
12:35 ガレキが敷き詰められたような足場の悪い踏み跡を慎重に辿るが、集中豪雨や雨期などの水量が多いときには相当な苦労を強いられることになりそうだ
12:38 いくつかの小さな滝に癒されながらガレキに足を滑らせたり躓かないよう注意しながらV字に刻まれた深い谷筋をノンビリと遡ると、やがて落差17mと言われる経ノ滝の出迎えを受ける

※麓にある神宮寺の僧が般若経を写経する前に身を清めた事に由来してこの名前が付けられたと案内書には書かれている

12:48 経ノ滝は直登する事が出来ないので一旦右岸を高捲く事になるが、ここで早くも下山中のハイカーに出逢う
12:50 右下に滝の落ち口を見下ろしながら捨て縄に助けられて最初の急な岩場を登り再び沢筋を右、左と渡り返しながら足を進める
12:54 やがて登りも幾分緩やかになって沢沿いを辿ると2人連れのパーティーとすれ違う
既に昼食タイムを大きく過ぎているが、適当な台地と日陰が見あたりないのでもう少し上流へ足を進めてみる
振り返るとV字の谷筋を通して木ノ本方面が目に入るが見える筈の琵琶湖は靄に遮られてまったく望むことが出来ない
13:09 左下がりの急な傾斜地を横切るように白谷の左岸を辿るが、露岩の飛び出した所にはトラロープも渡されているので気をつけて歩けば問題はない
13:10 経ノ滝から歩きにくい露岩混じりの谷筋を40分程で小さなゴルジュを通過する
13:17 - 13:48 小さなゴルジュを過ぎると谷筋は左へカーブする
すぐ右手の谷筋に幾重にも小さく流れ落ちる五銚子ノ滝が姿を現すので左の谷筋にある小さな台地で滝を見上げながら遅い昼食を採ることとする
13:50 標高700mにある五銚子ノ滝は上段に2条、中段に1条、そして下段に2条に別れた落差20.5mの滝と案内されているが下流にあった経ノ滝と比べると水流も少なく女性的な優しさを感じさせてくれるので、少し迫力には欠ける
ここからは深く切れ込んだV字渓谷の景観と静かに岩肌を伝い落ちる美しい滝に別れを告げていよいよ最大の難所登りにかかる

※麓にある横山神社に捧げる御神酒の銚子をそれぞれ5条に別れた滝で清めた事から名付けられたと案内されている

13:55 急峻な登山道横の道端からは白・黄・淡いピンク・薄水色に着飾った多くの草花に見送られて右岸に付けられた高巻き道に取り付く
14:14 次々と出迎えてくれる岩場にはロープが固定されているので危険はないが、強烈な勾配が続くため完全に息が上がってしまい少し登っては立ち止まって呼吸を整えまた登る、これを繰り返しながら急坂を少しずつ刻んで足を運び上げる事になる
14:38 休む間もなく次々と出迎えてくれる岩場は結構楽しませてくれるが疲れが溜まってきた足からは悲鳴が聞こえてきそうで、自然とペースも鈍ってくる
14:43 五銚子ノ滝からの急勾配はどこまで続くのかと思う程の激登りだが、50分で標高1000m地点に登り着くと右手の樹木に頂上まであと300m ガンバレ!!と書かれた標識が迎えてくれる
14:45 露岩の飛び出す急峻な登りが続くので山肌にしがみつくように根を張る木立の助けを借りる事になるが
14:55 相変わらず休むことなく続く急登を10分程で頂上まであと200m ガンバレ!!の標識が迎えてくれるが、この地点で標高は1050mなので“平均斜度は30度か”と全く似つかわしくないことを考えながら重い足をひたすら引き上げる
15:03 この辺りまで登ると植生が変わってブナが一面を覆ってくる
急な登りも心持ち緩やかに感じるが、見上げる稜線まではまだ少し距離があるのでユックリとしたペースでブナの間を縫って足を運び上げる
15:04 五銚子ノ滝から続いた激登りもそろそろ終わりに近づくと頂上まであと100m ガンバレ!!の標識が迎えてくれる
この地点が標高1100mになるので残り30mの標高差はさらに緩やかな斜面を登ることになる
15:05 目の前に稜線が見えてくると名残を惜しむように最後の固定ロープが迎えてくれる
15:06 遂に山頂部を踏もうとすると足元から可憐なカタクリが「お疲れ様!」とばかりに迎えてくれるのでチョッピリ疲れも和らぐ
15:08 長く感じた激登りから解放され、五銚子ノ滝から1時間15分程で横山岳(西峰)と東峰を結ぶ釣り尾根状の稜線に飛び出すとホッと緊張も緩む
道は丁字になっているが先ずは左へ進んで最高点と三角点のある西峰に向かう事とする
15:11 - 15:17 0010 ほんの20mも西へ足を進めると二等三角点(点名:横山岳 標高:1131.72m )の打たれた横山岳(西峰)に到着する

山頂には五銚子ノ滝での食事中に追い抜いて行った女性パーティーが休んでおられるので、お聞きしてみると地元木ノ本の方で登山口まで自転車で来られたそうだ

※このあと交代でプレハブの屋根に登って眺望を楽しむがごく最近までここに気象観測施設が建てられていたようで、今では取り払われてこのプレハブだけが残されていると案内されている

展望の開けた北側には三周ヶ岳や三国岳が顔を覗かせてユッタリと波打つ奥美濃の連なりが目を楽しませてくれる

15:18 東尾根コースから下山するという女性パーティーを見送った後、一時の山頂貸し切りを楽しんで我々も東尾根までピストンすることとする
登ってきた白谷本流コースを右手に見やって地元・杉野山の会によって開かれた“横山岳遊歩道”を東に足を進める
15:30 風もなく穏やかに晴れた天候なので残念ながら比良の山並みは霞んで望むことが出来ないが、樹木が途切れて右手(=南)方向に地元で杉野富士と呼ばれている墓谷山と後方に横たわる余呉湖が微かに姿を見せてくれる
15:31 西峰と東峰を繋ぐ痩せた稜線は何か巨大な動物の背骨を思わせるような白い石灰岩が尾根上をくねって伸びている
15:41 - 15:44 展望を楽しみながらノンビリと足を進めて25分、次第に背丈の低い雑木越しの展望が広がってくると東峰に到着する
東峰からは奥美濃や鈴鹿の峰々まで360度の眺望を楽しんだ後再び西峰まで戻る事にする
16:03 - 16:21 ここからは南に伸びる尾根筋の下りが待っているので同行者の持ってきたビールをご馳走になり、喉を潤した後激下りの「三高尾根」を伝う事とする
16:23 道はブナとササに囲まれた自然林の中を下るが、強烈な登りだった白谷本流コースほどではないが結構厳しい坂がいきなり始まる
16:27 5分少々で少し平坦な台地が現れる
足下に広がる杉野の集落や南方面の眺望に恵まれた“三高尾根展望台”で、足を休めながら傾いた太陽の光が造る影の長い山襞の様子や東から南に広がる眺望を少し楽しむ
16:42 改めて墓谷山との鞍部を横切る越地(コエチ)谷との交点にある鳥越峠を目指して自然林に覆われた急坂を一気に下る
16:54 三高尾根展望台から30分で再び尾根上の平坦地望横ベンチに着く
この位置から振り返る横山岳はドッシリとした山容を覗かせてくれるが成長した樹木に遮られて全景を見ることは出来ないが、ここまで降りてくると先程まで足下に見えていた墓谷山がほぼ目線の高さに見えてくる
17:08 この後はもう一度緑鮮やかな自然林に包まれた急坂を暫く下ることになるが
17:15 山頂から1時間弱で墓谷山との鞍部鳥越峠に降り立つ
17:19 ここからコエチ谷へ直接下ることは出来ないので道標に従って50m程墓谷山方向に登り返すると左方向に下る“コエチ谷下山口”が現れる
この分岐を直進すれば墓谷山を経て大亀山・南罫寺に立ち寄ることが出来るが時間も押してきたので今回はここを左に下ることとする
17:26 最後の下りもなかなか手強い急坂だが疲れた足が滑ったり捻挫しないよう気をつけて眼下のコエチ谷を目指す
17:33 山頂を後にして1時間10分、コエチ谷に伸びる林道に無事下り着く

振り返ると鳥越峠からの尾根筋は斜度30度近い急坂であったことを改めて認識する

17:34 コエチ谷の左岸に沿って着けられた林道は苦手な舗装路ではなく2m幅の地道なので、足に伝わる心地よい感触を楽しみながらコエチ谷出合に向かう
17:45 10分程でコエチ谷出合に着き網谷林道に合流するので、ここからは往路を戻る形で右折して杉野集落へ向かうことになる
18:15 20分程で網谷林道入口に出るのでここから旧道を右に伝ってゴールの杉野農協前バス停に着く

41分発のバスを待って木ノ本駅に着き、駅前の鈴乃や・清泉閣でユックリ汗を流した後は例によって列車の時刻(20時18分)に併せた反省会で有意義だった今日1日を締めくくる

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