今畑登山口 〜 霊仙山(1094.0m) 〜 汗拭き峠
コース概念図 コース断面図
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2006年11月25日 (土曜日)晴れ後曇り メンバー:4名
歩行距離 11.0q/歩行時間 5時間46分 (休憩時間 0時間58分) 所要時間 6時間44分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
09:27 今回は山仲間の“なかりんさん”から「霊仙山へ行きませんか」とのお声掛けを戴き、二つ返事で同行させて戴くことに・・・・

集合場所のJR彦根駅ではオーナーのなかりんさんが既にマイカーで待機してくれるので、メンバー4人が揃ったところで車に乗り込んで今回のスタート地点、過疎集落の霊仙落合(=冬季無人集落)まで移動する
長閑な風景で迎えてくれた霊仙落合で越冬準備中?のおばあさんに駐車スペースをお借りして出発準備を済ませる

09:28 登山口までは車で通ってきた県道17号・多賀醒ヶ井線を少し戻る必要があるのでノンビリとほとんど車の通ることもない県道を戻る
09:33 過疎集落の霊仙落合から400m程戻ると左手に山腹に残る廃村集落・霊仙今畑への取り付き点、今畑口に到着する
ここが今回の登山口なのでまずはデジカメに納める

※頭上には気持ちの良い青空が広がっているが、現在の気温は手元の温度計で11℃とやや肌寒さを感じるが、歩き出せばすぐに暖まるだろうとそのまま登山口へ足を進める

09:34 登山口からはいきなりジグザグに付けられた急な登りが始まり、各自がペースを確かめながらこの坂道に取り付く
09:38 道は植林と自然林が入り交じった樹林を右に左に縫って高度を上げてゆく
09:46 登り初めて凡そ10分、急な傾斜地で昭和54年(1979年)に廃村となった霊仙今畑集落(最大戸数17戸)がヒッソリとした佇まいで出迎えてくれるので休憩を兼ねて少し廃村を巡ってみることに・・・・
09:48 - 09:51 登山道のすぐ横には当時の生活で最も大切だったと思われる水汲み場が今でも静かに水を湛えて迎えてくれる
09:52 登山道から逸れて昔の生活臭が残る細い道をユックリと巡ってみる

※何故か懐かしい気持ちになるのは私が山間の田舎で産声を上げたからか、目に付く住居は今でも充分生活が出来そうなくらいしっかりとした佇まいを見せてくれる
そして集落の一段高いところには創建が江戸末期と言われる白雲山・宗金寺(浄土真宗本願寺派)が今も綺麗に整備された姿で廃村集落を見守っている

09:59 少しの時間だったがユッタリと心の洗濯も出来たようで、気持ちを切り替えて再び急な九十九折りの山道を伝い上がる
10:17 20分程で笹峠付近から西に伸びる支尾根尻に登り着くと黄葉した広葉樹越しに少し展望が開ける
右手(=南)方向には尖ったピークとその右側からは鍋尻山が丸みのある頭をほんの少し覗かせている
10:24 幾分勾配も緩やかになった尾根筋は先程までの広葉樹から植林に変わって、少し薄暗さに包まれた静かな道が続く
10:34 再び植林から雑木に変わると見上げる正面には堂々とした風格で我々を見下ろしているピラミダルな近江展望台が見える
上空には先程まで広がっていた青空が少し薄い雲に覆われて来たので朝の天気予報で午後からは天気も下り坂に向かうでしょうと言っていたコメントが少し気になりだす
10:39 一旦なだらかに続いていた道も急な登りに様相を変えてくるが、時折舞い落ちる枯れ葉や黄色く色づいた木々に癒され、落ち葉の絨毯をカサカサと踏みしめながら徐々に高度を上げてゆく事になる
10:50 せっかく稼いだ高度だが鞍部目指して雑木に覆われた道を緩やかに下る事になる
10:54 目の前に覆い被さるように立ち塞がる西南尾根への取り付き点に着くが、ここが“霊仙山登山地図”と“←今畑/りょうぜん山頂→”と書かれた道標が建てられたササ峠
10:57 道脇にはその名前の通り背丈程のササやススキが茂って足元が見にくくなっているので足探りで道を確かめながら、左手方向に広がる東大台の正木ヶ原を連想させるような立ち枯れを見やって足を進める
11:04 やがて背丈を越すようなササ原を掻き分けて西南尾根への強烈な登りに取り付く
11:11 ササ原は腰ほどの高さに変わるが相変わらず踏み跡程度の判りにくい道が続くので、コースを外さないように足下への注意も怠ることが出来ない
11:15 さらに勾配は増してくる
山肌はササ原から一面のススキに変わって来るがところどころに鈴鹿固有の石灰岩が顔を出している(カレンフェルト)ので躓いたり踏み外したりしないよう一層足下への注意が必要になってくる

標高も800m近くなってくると冷たく強い風が容赦なく顔や耳に襲いかかって、頭上を流れる雲も凄い早さで横切ってゆく

11:17 ※登ってきた笹峠方向を振り返ってみると眩しく照りつけていた陽光も心なしか弱まり、銀色に輝いていたススキも輝きが鈍ってきたように感じる
11:26 往路の最後尾を努めるなかりんオーナーも容赦なく吹き付ける横風を受けて、帽子を被っていられない様子で手に持ち替えての急登りが続く
11:34 展望のいい尾根筋だが遠景はレースのカーテン越しに眺めたように、春先を思わせる靄に包まれてウッスラとしか望むことが出来ない
相変わらず吹きつける強い風で靄も吹き払われるのではと思うのだが、全く靄が晴れる気配はなさそうだ
11:42 強烈な登りから開放されると今度は尾根筋に飛び出した歩きにくいカレンフェルトの出迎えを受けて、強烈な横風に身体のバランスを崩されながら尖った岩角に注意してユックリ足を進めるが、冷たい横風に足下の岩も揺れで踏み外してしまいそうになる
11:43 - 11:47 笹峠から急坂を登り初めて50分、露出した石灰岩が彫刻のように立ち並ぶ近江展望台に着くので、ここで公式?な小休止を挟む
11:47 前方にはこれから辿る南霊岳〜霊仙山(最高峰)〜三角点峰が目線の高さに並んで見えるが、暫くは石灰岩の飛び出した歩きにくい岩混じりの稜線を歩かなければならないので横風のご機嫌を窺いながら足下を確かめ、ついでに眺望も楽しむ事になる
12:09 吹き付ける横風に翻弄されながらも石灰岩に躓かないよう気を付けて足を運ぶことになるので、ミニ・アルプスの眺望を楽しんでばかりはいられない
12:22 - 12:55 やがて近江展望台と南霊岳との鞍部に着くとこの日最初のハイカーに出逢う事になる
数人のパーティーが左手の窪地で昼食休憩を済まされたようで、ザックの荷造りを確認して出発の準備に忙しそうだ
この後は我々が辿ってきた西南尾根を下るとの事だが我々は歩きにくい岩尾根を10分程山頂近くまで進んで、南霊岳直下の鞍部東側の木立で風を避けながらの昼食タイムとする
13:05 昼食場所を後にして10分、相変わらず続くカレンフェルトに足元を悩まされながらなんとか南霊岳(1,036m)に辿り着く

※この地点は案内書によっては「南霊仙山」と書かれているが、ここでは一般的に多く使われている「南霊岳」としている

13:06 そろそろ露出した石灰岩も穏やかさを見せてくれるが、依然として強い横風は治まりそうにないのでなかなか眺望を楽しむことに集中出来そうにないが、すぐ目の前に霊仙山が大らかな山容を見せてくれる
13:16 10分程進むと大らかな山頂部も姿を消して再び歩きにくい石灰岩の飛び出した狭い尾根を辟易しながら通過することになるが
13:23 程なくササに覆われた爽やかな尾根歩きになり、もう一度一面の石灰岩が目の前に広がると最高峰に到着する
振り返ると先程まで快適に歩かれることを拒んでいた南霊岳周辺の露出していたカレンフェルトも全く目にすることが出来なくなる
今辿ってきた伸びやかな稜線のすぐ左から鍋尻山が静かに顔を覗かせてくれる
13:25 - 13:31 今畑登山口から昼食を挟んで凡そ4時間、広い霊仙山最高峰(1,094m)に着くが、先客は既に出発された後なので山頂は貸し切り状態
強い風の所為か山名板の付けられたポールはなぎ倒されている
上空にはすっかり青空も姿を消して覆い隠すように鉛色の雲が広がり、相変わらずの強風に見舞われて手元の温度計は4℃を指している
靄ってはいるが北方向には堂々と横たわる伊吹山の圧倒的な山容が嫌でも目に付く
目を南に転じると頭に雲を被った御池岳から今辿ってきた西南尾根、そしてこれから立ち寄る三角点峰までのパノラマを楽しむ事が出来る
13:34 一通り眺望を楽しんだ後は冷たい横風に後押しされて、点在するカレンフェルトを縫うように三角点峰との分岐へ足を進める
13:40 丈の低いササ原を辿り10分足らずで分岐に到着する
この分岐を右へ進むと経塚山だが一旦三角点峰に立ち寄る事になるので今は道端に打たれた道標に従って左折する
13:41 三角点峰を見やると先客のハイカーが降りて来られるところで、こちらでも貸し切りが保証されたようだ
13:45 - 13:54 最高峰から15分で霊仙山三角点峰(1,083.5m)に着くが、眺望は殆ど変わらないので目新しい風景にはお目にかかれそうにない
山頂に打たれた二等三角点(点名:霊仙山 標高:1083.45m)をソッと踏んだ後、傍に建てられた霊仙山に纏わる伝承に目を走らす

中国仏教最高の称号「三蔵」を日本人で唯一授けられた霊仙三蔵や山頂に建立されたと言われる霊仙寺など、物理的に裏付ける遺物がなく今でも伝承とされているようだ

ボンヤリと霞む琵琶湖が辛うじて視界に入るが、対岸に連なる比良連山を望むことは出来そうにない
13:58 先程の分岐まで戻り経塚山との鞍部に向かって緩やかに草原に付けられた坂道を下ると、前方にはこれから訪れる経塚山とユッタリとした尾根上に建つ避難小屋が、そしてさらに後方に構える阿弥陀ヶ峰の勇姿が大きく視界に広がる
14:09 鞍部から経塚山へ登り返すと先程立ち寄った二つのピークと同じように点在するカレンフェルトが出迎えてくれる
14:11 - 14:14 三角点峰から15分で今回の最後のピーク経塚山(1,040m)に登り着く
360度の眺望もこれで見納めとなるのでユックリと目に焼き付ける事とするが、一番北に位置するピークなので北に聳える伊吹山をジックリと楽しむこととする
※目の前に累々と広がる石灰岩の上から谷山への稜線上に建てられた避難小屋が柔らかな雰囲気を醸し出している
14:23 強い横風には悩まされたが素晴らしい眺望を楽しませてくれた“展望の山”に後ろ髪を引かれながら、山頂を後にして西へ緩やかに伸びる快適な道を下り始めることになる
14:31 経塚山を辞して15分程でドリーネに水が溜まって出来たと言われるお虎ヶ池に着く

この池は琵琶湖の形をしていると案内されているが似ていると言えば似ているような・・・

14:39 暫くは道の両側に広がるササ原の中を、左手から霊仙山の見送りを受けてノンビリと辿る
14:44 お虎ヶ池から10分でお猿岩の分岐に着く
右へのルートは今春以降に開かれた道で、従来の道よりも近道で歩きやすいと案内されているのでこの道を下ることとするが、分岐に建てられた道標には間違った地図が書かれている
どう見ても新しい右の道がキケンだと読みとれるのだが実際は従来の左の道が歩きにくい道だと、毎週この山を歩いていると仰る今年70才を迎えられる年輩の方に教えて戴いたので一緒に右の道を下る事とするが、間違った道標はない方がましだと思うので早急に訂正して戴きたいものだ
14:54 道は尾根尻からジグザグに付けられた急な坂道だが歩きやすく、よく整備された新しい道はお猿岩から10分程で従来の道と合流している
15:01 やがて緩やかな広い山道を下ることになるが、ユックリと晩秋の風景を楽しみながら明るく歩きやすい尾根筋を辿る
15:02 快適な道をお猿岩の分岐から15分程下ると5合目に設けられた見晴台に着くが、少し展望は開けているが樹木に遮られてあまり見晴しは期待できないのでこのまま通過する
15:17 さらに快適な道をノンビリ下ると見事に紅・黄葉した木々の葉が見送ってくれる
15:24 さらに尾根道の両側から素晴らしい錦秋の彩りが次々に目を楽しませる演出で迎えてくれる
15:36 素晴らしい彩りを楽しませてくれた紅・黄葉が途絶えると風景は常緑樹の雑木に変わり、大きく左に回り込むと2合目の汗拭峠に下り着くので、お猿岩からご一緒した年輩の方はここで我々と反対方向の榑ヶ畑に下られるため、ここでお別れする事になる
丁度我々と逆コースを回られるパーティが既に休憩中なので軽く挨拶を交わして霊仙落合へ足を奨める
15:39 急坂に付けられた細い道なので足を滑らさないよう気を付けて沢沿いまで下る
15:56 暫く頼りなげな沢沿いの踏み跡を辿ると道はしっかりとした右岸沿いの林道に降り立つ
やがて数本の丸太を束ねた太い丸木橋を左岸へ渡る
16:06 峠から30分で植林された樹林を抜けると冬季には無人となる落合集落が静かな佇まいで迎えてくれる
16:07 学校の跡だろうか?左手に流れる大洞谷の対岸から入口に小さな鐘が架けられた建物が寂しげな佇まいで見送ってくれる
16:09 すぐ右手からよく手入れの行き届いた落合神社が迎えてくれるので、立ち寄って無事に下山できたことに感謝の気持ちでソッと手を合わせます
16:11 スタート地点の落合集会場前の駐車スペースに戻り着き、落合神社の裏を見上げると鮮やかな紅葉が残り少ない秋を精一杯着飾っているように見える

この後は彦根市街にある極楽湯 彦根店でユックリ暖を採った後、なかりんオーナーのご好意で幻想的な錦秋の玄宮園ライトアップを堪能してご機嫌で帰宅の途につく

※この日ご一緒戴いたなかりんオーナー摩耶山さん歩さんのレポにも是非お立ち寄り下さい

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