紫香楽宮跡 〜 飯道山(664.2m) 〜 日吉神社
コース概念図 コース断面図
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2006年10月18日 (水曜日)晴れ メンバー:3名
歩行距離 12.6q/歩行時間 5時間05分 (休憩時間 1時間09分) 所要時間 6時間14分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
09:36 今回訪れたのは甲賀忍者の修練場と伝えられ、また“近江の大峰山”とも呼ばれる修験者の山飯道山

JR草津線・貴生川(きぶかわ)駅でホーム続きの信楽高原鉄道に乗り換えて14分、最初の駅・紫香楽宮跡(しがらきぐうし)駅に降り立ち無人の改札を出て準備を整える
天候は晴れ、温度計は22℃

09:42 駅のすぐ前を線路に並行して走る国道307号の道路脇を右(=北)方向に足を進める
09:48 300m程先に左方向に伸びる3m幅の砂利道が現れるのでここを左折する
道角には東海自然歩道を示す道標が建てられていて紫香楽宮跡(しがらきのみやあと)北入口へのルートである事を教えてくれる
09:56 ほんの暫くの間、国道を走る自動車の喧騒から開放されて自然林に挟まれた快適な自然歩道を進むと快適な道も300m程で県道53号に突き当たるのでここを右折する
09:56 50mも進むとすぐ左手に聖武天皇の離宮跡・紫香楽宮跡への案内板が現れるのでせっかくの機会と言う事もあり立ち寄ってみる
10:00 - 10:12 道端にテープが巡らされて松茸山に付き立ち入ることを禁止しますの旨が書かれた不釣り合いな告知板が建てられている前を通り抜けるが、案内書によると
天平14年から大々的な都の造営が続けられたが、次々に発生した災害のため人心の不安が募って僅か3年で平城京に再遷都され、建立中の大仏も遷都先の奈良・東大寺で完成した
といわれる短命で謎の多い幻の都、その大仏建立が企図された甲賀寺跡に今も残る礎石に歴史の重さを感じさせられる
10:01 今ではヒッソリと佇む小さな紫香楽宮だが、そろそろこの地も辞する事になるので訪れた記念に奈良国立文化財研究所による復元図をカメラに納める
10:08 維持保存のための工事中だろうか、ところどころに青いシートが散見されるが足下に規則正しく配置された礎石から往時の広大な大宮殿の一片を窺いながら幻の宮殿跡を辞す事にする
10:21 先程の県道53号まで戻って左(=北)に足を進めると10分程で黄瀬の交差点に着く
正面に見える工事中の第二名神高速道路を見てこの交差点を渡ると、道標の案内通り近年になって発掘された宮町遺構を寸断するように横切る高速道路下を潜って左前方を走る県道53号に合流する
10:24 ふと見ると第二名神高架手前のこぢんまりとした森に新宮神社が祀られているので、ちょっと立ち寄って今日の山行の無事をお願いする
10:37 馬門川に沿って伸びる舗装された道(県道53号)はほとんど行き交う車もないのでノンビリと道端を北へ辿る
10:48 道は途中で中井出・岡出の集落を通る道と別れ山裾を伝うので、左手に広がる長閑な集落を眺めながら平坦な県道を辿ることにする
10:54 - 11:03 新宮神社を後にして30分で前方右手にこんもりとした森と石の鳥居が姿を見せる
ここが飯道神社への入口になるので今まで辿ってきた県道53号と別れて鳥居を潜り、右に伸びる飯道神社へ足を進める事になるがその前に少し休憩を挟む
11:18 鳥居の下には細かいバラスが敷かれた3m幅の歩道が通っているが、車は鳥居を避けるように左側に広がるオレンジシガCCとの間を緩やかに登るようになっているようで、歩道は鳥居を過ぎると車道に合流してゴルフ場の南側を東に辿って見落としそうな小さな道標の付けられたY字状の分岐に着く
これから辿る飯道山はほぼ正面に見えるのだが、ここは道標に従って右へ緩やかに登る舗装道路に足を進める事とする
11:22 数分で右に登る2m幅の地道を分ける
分岐手前の右手に建てられた案内板には、右への道は休憩施設を経て飯道神社へ迂回する車道と案内されているが、今は真っ直ぐ続く舗装道路に足を進める
11:22 分岐から30mも進むと小さな石の鳥居に迎えられて飯道神社への宮町登山口に到着する

※鳥居の傍には飯道山に纏わる案内板が建てられ、前には駐車スペースのある広場になっている
また山頂まで七丁であると示された親切な標識も目に付く

11:26 石の鳥居を潜り数段石段を上ると左手からヒッソリと佇む白髭大明神の見送りを受ける
11:27 石段が終わり丸木の階段や露岩の飛び出した道に変わるが整備が行き届いているのであまり足下に神経を集中させる必要はなさそうだ
11:39 木漏れ陽を浴びながら広い登山道を辿ると、一丁目・二丁目と道端に打たれた丁石の出迎えを受けて程なく右手方向に休憩施設を通る車道からの捲き道が最後の急な木製階段を登って合流してくる
11:41 すぐ現れる3丁目の丁石を見やると丁度中間点に設置された木のベンチが左横から出迎えてくれる

左方向には木の間越しにゴルフ場とその後に広がる宮町の集落や立ち寄った紫香楽宮跡の森が靄の中にボンヤリと見える

11:53 5丁目を過ぎて20m程で左横から2体の地蔵の出迎えを受ける
ササ原に建てられた標識には“地蔵宿”と書かれているが由来などは書かれていないので判らないまま通り過ぎる
11:57 やがて左手の山肌に朽ちかけた石垣が目に付き出すが、明治維新の廃仏毀釈で解体の憂き目に逢った旧飯道寺の跡のようで、とりもなおさず頂上が近づいたと言うことだろう
左手に金亀水を見やって6丁目の丁石を過ぎると立派な石段が現れ、そのすぐ上には飯道神社の境内が姿を見せる
12:00 登山口から30分程で三角点のある飯道山への道を右に見送って左の石段を登り掛けると、なにやら賑やかな黄色い声が聞こえてくる
12:01 さらに石段を登り切って鳥居を潜り抜けると神社内の境内は黄色い帽子を被った沢山の小学生で溢れかえっているので、とても我々の昼食スペースを確保することは出来そうにない

※引率の先生にお尋ねすると貴生川小学校4・5・6年生の合同遠足ということだ

12:02 - 12:35 予定していた二の峰山頂広場での昼食を諦め、昼食場所探しを兼ねて食後に予定していた行場コースに少し足を進めてみる
山頂広場の楽しそうな賑わいを聞き流して足を進めると巨岩の足下に小さな祠が祀られているのが目に付く

標識によると天狗の岩と呼ばれているようだが少し静かで人影もない事からここでお楽しみの昼食タイムとする

12:42 至福の一時は瞬く間に過ぎて、気が付くと賑やかな笑い声に包まれて行場コースに挑戦する6年生の有志?20名ほどに取り囲まれて行場巡りのスタート地点に紛れ込んだようだ
12:43 まずは蟻の巣穴?からとりつく小さなお友達ですが
「こんな狭いとこ通れるんか?」
「痛い!狭もうて出られへん」
賑やかな挑戦者達が通り過ぎた小さな岩穴も、ザックを背負った我々オッサンにはとても通り抜ける事は無理なのでパスして迂回ルートを進む
12:45 岩場から目線を変えると眼下のゴルフ場とその背後に広がる宮町の長閑な田園風景が、さらに遠景には信楽の山里などが視界に入る
12:48 続いて地底に潜り込むような蟻地獄?に吸い込まれて大きな岩の裏側に潜り抜けるようだが、ここもオッサンは通れそうにないのでパスすると続いて大きな岩の裂け目が待ち構えている
不動明分け岩だが、やはり我々オッサンの通れる広さはなさそうでここも岩の外側から回り込む事になる
羨ましい事に小さな挑戦者達がワイワイキャーキャーと賑やかに通過して行く様子を見守る事になる
12:57 次に待ち構えている行場は蟻の塔渡りだが左が切れ落ちた岩場なので引率の先生が一段下で万一の対応に備えて体制を整えて見守っておられるが、「こわ〜 もし落ちたら死んでしまうわ」
口とは裏腹に楽しそうな表情で次々と細い岩を登り岩蓋の下をくぐり抜けてゆくが迂回出来ないので、やっとオッサンも一緒に楽しむ事になる
13:06 続いて少し大きめの岩穴胎内潜りに着くが多くの小学生が順番を待っているのでオッサンはここもパスする事にして、次に現れる垂直な2段の岩壁にクサリの垂らされた岩上に取りかかる
迂回ルートがないので我々もこのクサリ場をよじ上らなければならず、まず下段の岩場でチビッ子の邪魔をする事になる
13:10 上段のクサリ場には先行組の小学生が果敢に挑戦しているので暫く休憩しながら順番を待つ
「こんなとこ登らなあかんのん先生? 落ちたらどうしてくれるんや」
和気藹々に言葉のキャッチボールを楽しみながら1人2人とこの難所をクリアして行くが
13:20 どうやら岩上で行場コースは終わったようで後はなだらかな山道を捲き上がり、寄り道ついでに平等岩に登ってみるが相変わらず靄って遠景を望むことが出来ない
続いて二の峰頂上で東の覗きにも登ってみるがすぐ近くにある三上山でさえウッスラとしか望むことが出来ない
最後に玉体石と命名された巨岩に見送られて行場を一巡した事になるので飯道神社へ戻る
13:25 境内には行場巡りに参加しなかった6年生が賑やかに食後の休憩を楽しんでいるので、我々不審者?は邪魔にならないよう足早に本殿に向かうが
13:26 どうやら重要文化財に指定されている神社本殿の前だけは先生方の配慮でチビッ子の立ち入りを制限されているようで、子供達の姿も見あたらないので少しノンビリと拝観して本殿を辞する
13:27 拝殿前の広場では出発準備の整った4・5年生がしばしの歓談に余念がないようで、随分若返った気分のオッサンはその横を通り抜けて飯道山本峰へ向かってスタートする
13:43 境内を辞して石段を下り往路で左折した分岐まで戻り、分岐から林道を15分ほど辿ると小さな分岐に着く
道脇に付けられた道標には←飯道山山頂(0.8q) ↑杖の権現茶屋と案内されているので左への細い山道に足を進めるが、メンバーの1人が体調不良のため頂上をスキップして直接杖の権現茶屋休憩所へ向かった事で、後々大変なアルバイトを強いられる事になるのだが・・・

ここから左右に分かれて別々のコースを伝う事になる

13:45 左への道は背丈程に育ったササ原を掻き分けて樹林の緩やかな勾配を登って行くことになり
13:53 10分近く歩くとやがてT字状の鞍部に出る
左方向へは小枝が積まれて通行止めとなっていて、道標にも頂上→と右方向を示しているので迷うこともないのでササ原の稜線を右へ辿る
13:58 - 14:08 分岐から15分で飯道山(664.2m)本峰に着く
山頂には二等三角点(点名:飯道山 標高:664.21m)が打たれているので例によってソッと踏む
金勝・鷲峰山・比叡・比良の山々が見渡すことが出来て、織田信長が国見をしたと言われる好展望の筈の山頂からも相変わらずの靄に遮られて全く眺望を楽しむことは出来ないので山座同定は諦める
14:09 下りは杖の権現方面と案内された道標に従ってササ原の急坂を伝い
14:21 - 14:23 途中ベンチの付けられた展望の開けた場所からも展望は期待できないのでそのまま通過する
山頂から10分程で杖の権現茶屋休憩所の建てられた四つ辻に降り立つが、先回りしたはずのメンバーの姿は見あたらない
携帯電話も繋がらないようなので分岐を見落としてそのまま堀越林道を下ったのだろうと判断して、ひとまず道標に従って左への瓦礫が散らばる歩きにくい左羅坂(ざらざか)へ足を進める
14:23 最初は雨が降れば忽ち川に姿を変えるのでは・・・と思える露岩の飛び出した急な坂を下りはじめ
14:28 やがて土が雨水で洗い流されてゴロゴロと岩が散乱した道を、岩に乗り上げたりを踏み外さないよう注意して慎重に下る事になるが
14:41 歩きにくい荒れた道を20分も下ると平坦な道に変わり、コンクリート舗装された三大寺林道に合流する
14:46 ここからは舗装された緩やかな坂道をノンビリ辿ることになるが、途絶えていた携帯電話が通じるようになったので早速連絡を取ってみると案の定堀越林道を国道307号まで下ってしまったとの事だった

体調不良なのに結局大きく遠回りして貴生川駅まで歩かなければならないようで心配だが、何とか歩けそうだと言うことで一安心する

14:51 林道を緩やかに10分程伝い下ると右手に岩壷不動尊への石段が現れるが、今は立ち寄らずに前を通過する
14:56 不動尊の石段から5分で2m幅の砂利道との分岐に着くが、分岐には小さな道標が打たれており←三大寺経由貴生川(2.5km)/山上経由貴生川(5.2km)→と案内してくれるのでここで三大寺林道と別れて左への道徳寺林道の砂利道に足を進める
14:58 道はよく整備されているので明るい植林に囲まれて森林浴を兼ねながらノンビリ歩く事が出来る
15:01 ほんの2〜3分で快適な道はコンクリート舗装に変わって左の山肌を下って行くが、ここで右に伸びる細い山道が樹林の中に伸びているので右の細い道に足を進める

この分岐に道標は見あたらないが、右手に立つ木の幹には白ペンキで案内されている
※左の坂を下っても三大寺へ抜けられるようだが確認は出来ていない

15:15 凡そ10分少々で三大寺登山口に降り立つが、左後方から合流する舗装された道は先程の分岐で左に下る道のようだ(未確認だが道脇の案内図にも書かれていない)
15:19 すぐT字状に突き当たるのでここを左折して日吉神社に向かう事にする
15:25 - 15:28 正面に見えていたこんもりとした森にヒッソリと日吉神社が佇んでいるので山行の無事に感謝を込めて立ち寄ると、後方の三大寺登山口方向から賑やかな話し声が聞こえてくるので振り返ると山頂で一緒だった小学生達の元気な隊列が目に入る
15:56 早々に日吉神社を辞して飯道寺を通りから眺めただけでゴールの貴生川駅を目指してノンビリ歩いていると、すぐ後に止まった1台の車から大柄の男性が近づいて来られるので何か聞かれるのかなと思っていると「すみません みつみさんですか?」
予想もしていなかった一言に一瞬時間が止まりますが、やっと「そうですが・・・」と顔を見上げてびっくりです
なんとご自身のホームページでお顔を拝見したことのあるwolfgangさんのにこやかな表情が目の前に・・・
この時は挨拶だけですぐ走り去られましたが、わざわざお土産を戴いて恐縮したままゴールの貴生川駅に到着です

別ルートを大回りで歩いたメンバーも20分程後に無事到着したので、この後は簡単な着替えを済ませて列車に乗り込み心はお楽しみの反省会場へ一足飛び・・・

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