コグルミ谷 〜 御池岳〜鈴北岳(1247.0m) 〜 鞍掛峠
コース概念図 コース断面図
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2006年05月03日 (水曜日)晴れ メンバー:5名
歩行距離 9.8q/歩行時間 5時間20分 (休憩時間 1時間40分) 所要時間 7時間00分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
09:55 今回はなかりんさんのお声掛けでカルスト地形で知られる鈴鹿の最高峰・御池岳を歩くことになり、待ち合わせ場所であるJR彦根駅から筆髭さんとなかりんさんのマイカーに分乗させて戴き一路登山拠点である鞍掛トンネル東口へ、そこから300m程東に下った右カーブ付近に駐車スペースを確保する
09:58 人気と雲一つ無い快晴に誘われて既に沢山のマイカーが止められた国道306号端を、緩やかに東に足を進める

※気温19℃と少し低めだが降り注ぐ陽光を受けて体感温度は25℃くらい

10:13 - 10:18 駐車場所から20分程でコグルミ谷登山口に到着して左岸を確かめると、通行止めのロープが張られてどうやらコースが崩壊しているようなので道標に従って右岸が取り付き点だと理解して
各自が思い思いにスタート準備にとりかかる

※同行メンバーの摩耶山さん歩さんが事前に入手された情報によれば、雪解けのため長命水手前までは泥濘があると言うことなのでスパッツを装着するメンバーも・・・

10:19 準備が整ったところでコグルミ谷の右岸に新しく付けられたルートに取り付き、いよいよ鈴鹿の盟主に一歩足を踏み入れる
10:23 すぐ右下に見える涸れた沢の補修箇所を過ぎると本来の左岸へ渡り直して左下がりの急斜面を横切るように岩肌を辿る事になり
10:26 谷相もカルスト地形固有の表情を見せてくれる
地上に白い頭を出している石灰岩の珍しい景観に目を惹かれながら、露岩混じりの足元に注意して明るい谷を遡る
10:32 時折メンバーの足が止まり思わず足元にカメラを近づけている情景が見えるが、理由は勿論道端から遠慮気味に出迎えて呉れる可憐な草花とのご対面なのだ
10:40 足元に咲く白や淡いピンク等、小さな花に癒され、樹林の中に続く苦しい急な登りにも笑顔が見られる
登山口から20分、角の尖った岩の露出した歩きにくい急坂も右手に深い谷が見えてくるとタテ谷出合を示す道標の出迎えを受けて
10:53 やがてシダ類が山肌に広がりを見せてくると樹木も幾分小振りになり、ボンヤリと稜線も望めるようになってくる
11:05 - 11:09 やがて左手から支谷が合流してくると、伏流になっている長命水の水場に着くのでここで給水を兼ねて最初の休憩とするが、ここまでに懸念していた雪解けによる泥濘がなかったので一安心
11:15 道は一旦左の支谷へ回り込むように尾根を横切るが、支谷には厚さが1mもありそうな雪塊が陽光を浴びながら最後の踏ん張り見せている
11:17 暫く支谷の地肌から林立するように顔を出している石灰岩を縫って谷筋を伝うと
11:21 5分近くで右手の尾根を捲きながら道は谷から離れてゆく
樹林の中を辿る急な尾根道を進むと五合目の標識が前方から迎えてくれる
11:41 - 11:50 お花鑑賞会を兼ねてノンビリ山道を登るので、予定より20分遅れてやっとカタクリ峠(六合目)に到着するが、名前の由来となったカタクリはまだ堅い蕾が殆どのようで、薄紫の花は殆ど見かける事が出来ない
道は丁字状になっていて左へ進むと白瀬峠を経て藤原岳、また右へ進むと御池岳へ、と書かれた道標に案内されて緩やかに右へ続く尾根筋に足を進め
12:05 道なりに樹林を辿ると峠から15分で七合目を通り過ぎて
12:23 さらに平坦な尾根道を10分程辿ると、やがて右下にコグルミ谷を見やってさらに数分で鞍部に出る
既に12時を過ぎているので昼食タイムで賑わう鞍部を横切り、緩やかに右手に下りると真ノ谷出合に着く
ここからは真ノ谷源流部にあたるV字状の谷道を右へ辿ると八合目に到着する
12:28 なおも谷筋を覆うカレンフェルトの間を進むと
12:29 すぐ少し小高い台地が現れ、手前に←丸山 25分・奥ノ平 35分・ボタンぶち 40分と書かれた道標前に辿り着く
ここが御池岳丸山分岐で、直進すれば池ノ平を経て真ノ池へのルートだが今は道標に書かれた左への道を辿る
12:36 10分近く急な坂道を登るが足元にはザラメ状の雪が残っているので、滑らないように注意しながら御池岳から南東に伸びる稜線を目指して足を進める
12:44 御池岳丸山分岐から15分程でなだらかな緩斜面に辿り着くと、右脇に付けられた標識板に九合目だと教えられ
13:00 さらに15分も足を進め御池岳南東に伸びる稜線に辿り着くと、大小の苔に覆われた岩が目の前に拡がり山頂部に着いた事を教えてくれる
13:06 稜線からは南方面の展望が開け、正面から御在所岳がそしてその右横からは雨乞岳が居並ぶ山並みが大らかなパノラマを見せてくれる
13:14 1241mの奥ノ平を左に見やってササ原に付けられたV字状に抉れた道を南に向かうが、ササ原の途中から振り返ってみると広々とした奥ノ平は高原の雰囲気を醸し出して、山頂にいることを忘れさせて呉れる
13:15 - 14:09 南方向には絶壁に面して小高い丘、ボタンブチが見えてくる
上では数人が思い思いに指さしながら絶景を楽しまれているので我々もササ原を回り込んで大展望の丘に上がり、併せて遅い昼食タイムとする
ボタンブチの南側は御池谷に向かって約600m、急峻な切れ落ちた崖になっているが岩肌には灌木がしっかりとしがみついて逞しさをアピールしている
先程の稜線から眺めた風景と同じ方向を遠望してみるが、手前に見えていたササ原が視界から消えて幾重にも重なる山並みが海原のように大きく波打ち
少し視点を左(=南東)方向に移すと御在所岳の左に見える竜ヶ岳の左肩を通して、ウッスラと伊勢湾が見渡せる
14:10 食後はボタンブチから北に向かいササ原をかき分けて進むと、正面に鈴鹿の盟主・御池岳が穏やかな山容で待ってくれている
14:12 ササ原が途切れるとオオイタヤメイゲツ(と案内書には書かれているが・・・)の林が広がり、足元には鮮やかな緑の葉を見せるバイケイソウが自分の出番が来たと自己主張しているようだ
14:22 - 14:30 やがてボタンブチから10分少々でカレンフェルトの散乱する広場になっている御池岳(丸山)山頂に登り着く
展望は樹林越しのためあまり良好ではないがそれでも多くのハイカーがノンビリと素晴らしい景観を満喫されている
14:34 時間の経つのを忘れてボンヤリ空を見上げながらの昼寝でも・・・・
現実には無理な事と判っていても少し後ろ髪を引かれる思いで山頂を辞し、樹林越しに見える鈴北岳を目指すこととします。
14:43 バイケイソウに見送られて灌木帯の拡がる小尾根伝いに緩やかに鞍部に下り着くと、10分程で右手から真ノ谷を詰めた道が合流すると前方に広々とした草原が見えてくる
14:52 手元の地図によるとこの辺りに日本庭園がある(あった?)ようだが、見渡してみてもそれらしい風景は見あたらないが・・・
やがて足元右下に雪を浮かべた水溜まりのような窪地が姿を現すが、すぐ傍の木に付けられた手書きの標識には真の池と案内されているのでこれが真の池なのか?
14:54 目の前が広々とした草原になっているが、1996年にハイカーのタバコの不始末で焼け野原になった時の残骸だと案内書には書かれているが、ササに覆われたこの一帯は当時どのような風景だったのだろうか?
興味を残したまま鈴北岳に向かう事にする
14:55 ササ原の中にポツンと取り残されたように小さな道標が迎えてくれる
右手方向には道らしいモノが見あたらないが、道標には鈴北岳(難路)→と書かれている?・・・・ここは真っ直ぐ鈴北↑と書かれた方向の踏み跡に足を進める
14:58 緩やかな登りに掛かると左手の大きな窪地に厚さ3m程の雪が溶けずに残っている
我々と前後して歩いておられるパーティーがこの雪の上で感触を楽しんでおられるが、地図ではこの辺りに元池が記述されているが標識もないのではたしてここが池なのか判らないまま先に進む事になる

※高原状の山頂部にはドリーネと呼ばれる石灰岩地域に見られる擂鉢状窪地が点在し、現時点では22個の池塘が確認されているそうだ
ドリーネは雨水・地下水に溶食されたり地下の石灰洞が崩れて地表が落ち込んでできた擂鉢状窪地だと説明されている

15:02 鈴北岳と御池岳の鞍部に着くと四ツ辻になっていて、右は真ノ谷へ、左は元池へ、そして直進はこれから訪れる鈴北岳へのルートとなっているので真っ直ぐ広々としたササ原の斜面を辿ると
15:11 - 15:26 鈴北岳山頂では素晴らしい眺望が待ちかまえていた

北には大らかな山容の霊仙山と金糞岳、さらに丸みのある伊吹山までの大パノラマが目を惹くが、更に右後方には白い帽子を被り周囲を圧するような迫力で顔を覗かせている能郷白山がウッスラと望める

穏やかな陽光を浴びた山頂広場は、先程までの賑やかさから開放されて我々だけの貸し切りスペースとなるのでノンビリ寛ぎながら雄大な展望をユックリ楽しむ
15:30 素晴らしい景観を目に焼き付けて北側に続く県境尾根を下り始めると、数分で左手にタテ谷への分岐道標が現れて見送ってくれる
15:56 やや急な樹林の尾根道を15分程ユックリ下ると
16:00 広々としたササ原に覆われた1056m独標に到着するので、コブから南東方向を振り返ると鉄塔のある頭陀ヶ平(1143.4m)が大きな姿で見送ってくれ、道端からは薄紫のカタクリに見送られながら樹林の急坂を伝い下ると
16:19 やがて樹林が途切れて送電鉄塔に着く

※この鉄塔は中部電力と関西電力の保守分界点になっているようで、大変興味深く横に建てられた案内板を覗き込む

16:27 鈴北岳を後にして1時間で鞍掛峠に下り着くと四つ辻になっていて公設道標も完備されているが、左右どちらを採っても鞍掛トンネル登山口へ、直進すると焼尾山を経て三国岳へ続くのでここは右のトンネル東口への急な道を下る事にする
16:29 急な右下がりの細い道を下る事になるので、滑らないよう注意しながら高度を下げてゆく
16:34 途中に道が崩落したところに橋が架けられているが、この橋も少しずり落ちて斜めになっているのでバランスを崩さないよう渡るが、勿論崩落した谷筋を迂回して辿る道もある
16:39 やがて駐車スペースが視界に入り出すが、止められている車も減ってきたようで車道脇には数台の車が主人の到着を待っている様子が垣間見える
16:49 鞍掛峠から20分程でトンネル東口に降り着き、谷筋を流れる小さな川を渡って車道に向かい
16:50 今下ってきた鞍掛峠を振り返ると、西日を受けて焼尾山を覆うように咲いているヤマザクラが眩しく輝いて見える
道路脇には御池岳への登り口を示す道標が無事に下山した事を教えてくれる
16:55 登山口から車道を300m程伝って無事に駐車場所まで戻ることが出来たので、この後は車で彦根まで移動して 自然堂[スーパー銭湯 極楽湯]に立ち寄り、ユックリ疲れをほぐして解散

※楽しい一日を企画して車と運転まで提供して戴いたなかりんさんに筆髭さん、本当にありがとうございました。

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