船坂谷 〜 石ノ宝殿(Ca.870m) 〜 本谷
コース概念図 コース断面図
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2006年02月21日 (火曜日)曇り後晴れ メンバー:単独
歩行距離 12.9q/歩行時間 5時間29分 (休憩時間 0時間24分) 所要時間 5時間53分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
10:31 宝塚駅から蓬莱峡経由有馬行きの阪急バスに揺られて20分、船坂バス停で降りて“今日午後からは晴れ”の天気予報を信じて気温12℃の薄曇りの下、準備が整ったところで
10:32 - 10:34 バス停の向かい側の船坂山王神社に立ち寄って、今日の山行の無事をお願いして西方向へ足を進めると
10:37 すぐに船坂交差点に着くので左に西宮北(有料)道路を見やって交差点を横切って直進する
10:40 2〜3分で殆ど水のない船坂川に架かる船坂橋を渡って左折して
10:40 広い川底の砂地一面に茂るカヤを見やりながら船坂谷左岸沿いの静かな舗装された林道に足を進めると
10:44 やがてカヤが途切れて右手に桂山荘が見える

※手元の温度計は6℃を指しているが風もないのであまり寒さは感じない

10:48 左手から船坂砂防堰堤の見送りを受けると分岐が現れるが、道標もないのでまずは右の谷川沿いの2m幅の地道へ足を進めて見る
最初は快適な道だがやがて目の前に巨大な堰堤が行く手を遮りルートは遮断されるが、あれほどシッカリとしていた道が見事に消えてしまったので先程の分岐まで戻る事になる
10:58 分岐まで戻って改めて左の舗装路を5分程道なりに進むとまた右への分岐が現れるがここは舗装された左の道を辿ると
10:59 すぐ続いて分岐が現れる
左への道にはロープが張られているので、ここは分岐位置に立つ松の木に付けられたテープに船坂谷 白水山→と書かれたコースで初めての道標に従って右への舗装路を進み
11:01 ここで船坂谷右岸沿いの道を伝う事になる
コンクリート橋を左岸に渡って林道を道なりに辿るとコンクリート舗装から3m幅の地道に切り替わり、いよいよワイルドな谷歩きが始まる予感で心地よい緊張が走る
11:04 すぐ右手前方に水場⇒と書かれた標識の付けられた松の木が目に止まるが、前まで行くとパイプを伝う水場が現れる

※この水場の右手に白水山への取り付きがある

11:05 大雨の度に土砂が暴れ出すためなかなか補修が追いつかないようで、舗装もはがれたり路肩の石が河原へ押し流されたりしているので少し足元にも気を配りながら2m幅の林道を伝うと
11:07 左手に危険物貯蔵庫?のような建造物が見えるが、大きなポリタンクがいくつも積まれている割には囲いもされていないので単なる物置なのかも・・・・
手元の案内書ではこの辺りに「老ヶ石」があるようだがそれらしきものは何も見えないのでひょっとして豪雨にでも流されて移動したのかも、と思いながら緩やかに坂道を辿ると
11:08 林道も少しずつ心細くなってきて所々で舗装が剥離して地道が現れるので、躓かないよう気をつけながら船坂谷の右岸に付けられた林道を進むがこの辺りも豪雨の影響だろうか?
流れ出した土砂の爪跡がそこここに残されているが、なかなか整備が間に合わないようで流木も河原に散らばったまま放置されているようだ
11:11 やがて左右に広い道が分岐するが相変わらず道標がないので地図とコンパスで地形を確かめて見ると、どうやら右手前方にある山が白水山と思われるので右への分岐は沢を渡って左岸沿いに白水山に続くルートだろうと判断してここは左の右岸沿いに進むことにする
11:16 やがて右から象の背中を連想させる大きい岩が出迎えてくれるので、大きさや形から判断するとどうやらこれが触れると老ける と言い伝えられる老ヶ石ではないのかと、手元の案内書に?マークを書き込むが、道の左脇のササ原にも穴の空いた奇妙な形をした岩が顔を覗かせているのでこの岩が老ヶ石かも・・・・どこにも案内がないので半信半疑のまま通過する
11:18 船坂橋から凡そ40分で林道も終わり、目の前に行く手を遮る船坂第3砂防堰堤(高さ20m)の出迎えを受ける
堰堤沿いを探しても登り口は見あたらず、左(右岸)側は不安定で急なガレた石積みがあり右(左岸)側は急な岩肌でどちらも取り付くことを拒んでいる
11:22 注意深く見てみると左側の5m程手前に急な山肌に付けられた細い踏み跡が目に付くので、ここから取り付いて右岸の山肌を高捲いて
11:24 堰堤の右岸に上がり、乗り越えて再び山肌を谷道まで下ることになるので
11:25 山肌に付けられた踏み跡は右下がりの急斜面にかすかに付けられていて、踏み外さないよう横切るように少しずつ川床まで下る
11:28 流石に堰堤の数を誇る六甲山、さらに2〜3分で次の堰堤が無粋に待ちかまえているが、なぜこんなに多くの堰堤が必要なのか判らないが、“六甲の谷歩きは堰堤登り”と云われるだけにこの擁壁も乗り越えなければ先に進むことが出来ないのだ
11:30 右側(左岸)の灌木を縫いテープに誘導されてこの堰堤もやり過ごすと
11:33 やがて背後に控える巨大な堰堤の足元に落差10mの船坂谷で唯一といわれる川上ノ滝が美しい扇形の岩肌を見せて迎えてくれるが、勿論真っ直ぐ乗り越えることは出来ないので滝から10m手前の右(左岸)への急坂を100mばかり高捲く ここでの気温は5℃
11:39 先程まで遙か上部に聳えていた巨大堰堤を左下30m程に見下ろしながら緩やかに捲いて沢筋へ下って行くと岩肌を洗いながら可愛らしい小滝が迎えてくれる
11:44 小さなせせらぎと野鳥の囀りに癒されて、出逢う人もない静かな気持ちの良い谷歩きを楽しむが
11:45 時々垣間見える空は薄曇りだが雨が降る気配もない
ルートは下草に付けられたかすかな踏み跡と地図を頼りに、時々現れるテープと小枝に付けられたKPC⇒の小さな標識に助けられて谷筋を伝うと
11:47 川上ノ滝から15分程で高さ6〜7mの石積みの古い堰堤が前方に現れる
11:48 ここは右側(左岸)にロープの付けられた急なルンゼ状の露岩帯をよじ登って乗り越えると
11:50 堰堤の上流側は水のない広い谷筋だが、足元に露出した岩礫に気を付けながら自然林の間を縫って上流へ足を進めると
11:51 すぐ二俣が現れる
左への谷は水無山を目指すように緩いカーブを描いているが、ササ原に微かな踏み跡を残すルートは右俣へ続いているので左俣を見やって右俣を直進する
11:53 5分程で再び石積みの堰堤が前方に立ち塞がるが
11:53 ここでも右手(左岸)の急斜面に取り付いて高捲き
11:59 瓦礫(がれき)の散乱した道の判りにくい広い川床を、足元に気を配りながら一歩ずつ上流に辿る
12:03 堰堤から10分ばかり川床を辿ると、また正面に20m程の堰堤が見えてくるがその手前左側で兵庫登山会による案内板が迎えてくれる
12:04 案内板の左横にはササの茂みを縫って急な道が登って行くが、堰堤方向にも道らしい踏み跡が見えているので案内板を確認してみると案内図では谷沿いが一般道で左方向が登山道と書かれているようだ
今ひとつ進行方向が読みとれないので一旦堰堤下まで足を進めて捲き道が無いことを確かめるが、途中の小枝には誰かの忘れ物らしい6本爪アイゼンが持ち主のお迎えを待ちわびるように架けられているのが見える
12:10 ここは読みとりにくい案内板横を左へよじ登るように急坂を伝う事にして、背丈程もあるササに視界を妨げられながら滑りやすい急斜面を登るが
12:14 突然ササ原が途切れると右下50m程に先程の堰堤を見下ろして、右下がりの急な傾斜地を微かな踏み跡頼りに横切るように緩やかに下る
12:19 右岸の急斜面を横切ると再びササの茂みに迎えられ、目の前に案内書で見覚えのあるDETOUR(←まわり道)と書かれた標識が見えるので案内書に書かれたルートを辿っていると判ってホッと一安心
12:20 さらに中腹の高捲き道を登り続けると樹林も幾分疎らになり、周囲の風景も開けてくるが
12:21 谷筋までは7〜80m程はあるだろうか、今度は一変してワイルドな岩場やザレた急坂下りが始まり固定されたロープの助けを借りながら谷筋へ降り着くが
12:24 再び谷筋の源流近くを右に横断するように緩やかに捲き上がり
12:27 やがて石の宝殿に向かって突き上げるように急な谷道に変わるので、ペースを確かめながら一歩一歩足を運び上げると
12:29 やがていくつ目かの堰堤が前方に見えてくる頃には、今まで踏み跡程度だった道もハッキリしてくるので周囲をノンビリ眺めながら堰堤下に辿り着く
12:33 お決まりの要領でこの堰堤も捲き登ると
12:37 船坂谷最後?の堰堤が5m程の高さで通せんぼするので左(右岸)側から直接乗り越える
12:40 ルートは谷筋から離れ、石の宝殿北側の尾根尻への急斜面を一気に登る事になり、小さなガレを過ぎて喘ぎながら登ると案内書に書かれている通り谷の源頭左手に転落した車の姿を見やる事になる
12:52 さらに勾配が増すと上方から自動車の走行する音が聞こえ出し、最後の急坂を登りきると県道16号(東六甲ドライブウェイ)のカーブ112に登り着くのでガードレールを跨いで車道脇を右手に伝うと
12:56 すぐ鳥居茶屋跡に到着するが今回の予定はここまで、以後のコースは計画していないので取りあえず最高峰にでも立ち寄ろうかと思いつくが、その前に石の宝殿で遅めの昼食タイムとする
12:58 すぐ左手から可愛らしい鳥居が迎えてくれるので参道の階段を辿り
13:00 小広い台地に出ると柔和な顔で白山姫観音のお出迎えを受ける
ココを右へ下れば蛇谷北山へのルートなので「久々にここから下るのも良いかな?」とも思いながら左へ回り込み
13:01 山頂部にある家族杉を右手に見て緩やかな尾根伝いに下り、電波塔の下に取りあえずザックを下ろす
13:02 折角なので、すぐ下にある石の宝殿のご神体(=大岩)が祀られている祠に立ち寄ってここまでの無事に感謝を述べて鉄塔下に戻ると
13:05 - 13:22 風もない穏やかな陽差しに包まれて、そろそろ初鳴きの練習を始めたばかりのぎこちないウグイスの遠慮気味な声も他の野鳥の会話に混じって聞こえてる中でコンビニ弁当を広げる
13:23 至福の一時が終わると再び先程の家族杉の立つ山頂へ向かうが、すぐ左への分岐が目にとまり
13:23 分岐の左手にその先本谷は中・上級者向と書かれた手造りの道標に、野次馬根性がくすぐられて急遽この本谷を下る事に決める

※この辺りが単独行の一番良いところかな f(^^;)

13:28 ワクワクしながら快適な道を下り始めると注連縄の張られた小さな水場に着くが、ココまでが石の宝殿の境内になっているのだろうか?快適な道もここまで
13:37 足場の悪い石積みの横から本谷の源流に出て微かな踏み跡を頼りにササの茂みを掻き分けて沢沿いを下ると、例に漏れず六甲名物の堰堤が現れるので
13:39 右手(右岸)の踏み跡から捲いて堰堤を乗り越えると早速虎ロープの固定された3m程の岩肌を下る事になる
13:47 谷道を暫く辿ると3m程の小滝が現れるが、両側は切り立った岩壁で直接通過することは困難なので一旦右に付けられたロープ伝いに右岸の岩場を高捲き
13:51 水のない谷筋に降りるがすぐに二段続きの小堰堤が現れるので左(左岸)から捲き下る
ルートは不明確だが枝道に気を付けながら相変わらず続く微かな踏み跡を辿る
13:52 少し谷が開けてくると前方にジャングルジムのような不思議な構造物が見えてくるが
13:53 他にルートは見あたらないのでこの格子枠砂防堰堤の下を潜り抜ける事とする
少し先で谷が鋭角的に左へ曲がり、見上げる右手が蛇谷北山のようなので正面やや右手に見える山が東お多福山と言うことになる
14:03 少しずつ水流が増えてきた沢身を10分も辿ると落差が5m程の連続した小滝が現れるので、左の山腹を捲いて滝をクリアするが降り着いた沢を振り返ってみると小振りながら面白い谷相をしている
14:04 すぐ切り立った絶壁に出るが、ここは左からも谷が流れ込んでいる地点なので地図で確認すると本谷と滝ヶ谷の出合のようなので、まず5m程の岩壁を虎ロープに誘導されて下りると右手下には滝の音が聞こえるが姿は見ることが出来ない
14:06 絶壁は2段になっているので下段で待ちかまえる8m程の絶壁も左岸に付けられたクサリとロープに助けられて滝下へ下りる

下から見上げるとなかなかワイルドでスリルのある滝だが名標もないのでいずれどなたかが名前を付けられる事だろう?

14:09 沢を少し進むとまた小さな滝が左手から出迎えてくれる
堰堤続きでウンザリさせられる六甲山にもこれほど滝のオンパレードで感動を与えてくれる谷があったなんて・・・

ひょっとして滝ヶ谷の名前が付けられた所以だろうか

14:18 感動に浸れるのも束の間で10分近く徒渉を繰り返し沢身を伝うと巨大な滝ヶ谷第二砂防堰堤が無粋な姿で立ちはだかり、六甲の現実に引き戻される
14:15 手前左側(左岸)の急斜面にルートが刻まれているので木の根を頼りによじ登ってこの堰堤を高捲くが
14:17 一気の登りになるので堰堤の左肩上部に登り着いた所で少し呼吸を整えた後
14:19 再び緩やかに谷筋まで下って行くが、右下がりの急斜面に付けられた心細い踏み跡を踏み外さないよう神経を集中させて横切り
14:23 少し傾斜が緩やかになると左に付けられたロープが目に入るが、同じ付けるなら急斜面に付けた方が良かったのでは?と若干の疑問を抱きながら沢筋まで下ると
14:30 やがて広く開けた大きい堰堤の上に出るがここまで来てルートが不明瞭になってくる
14:26 左岸は詰み石と枝を利用して乗り越えた形跡があるが2m以上の高さがあるので私の懸垂力では乗り越えることは出来そうにない、右岸は何とか上れそうな岩場だが途中に1m近い水溜まりが取り囲んでいるのでこちらも乗り越えられそうにない

仕方なく5m程上流方向へ戻ってみるとどうやら右岸に登れそうな踏み跡を見つけることが出来たのでここから薄い踏み跡を伝って堰堤の右岸を進んで見る

14:36 10分程沢沿いのササ原に伸びる踏み跡を辿って見ると金網の張られたどこかの施設に着くが、扉には施錠されているので立ち入る事は出来ない
14:38 仕方なくここでも少し戻ったところで左岸へ徒渉し、微かなササ原の踏み跡を掻き分けて進むが地図で確認するとどうやら芦屋川本谷を奥池町の西端に下り着いたようだ
14:44 さらに踏み跡を伝うと民家の横と思しき所へ飛び出すが、私邸の庭を横切る訳には行かないので3m程右下を通る舗装道路脇に建てられた電柱を伝って何とか舗装道路に降りることが出来た

次回への課題として、他の踏み跡を探して正しい?出口を確かめておく必要がありそうだと反省(。.ヾ

14:43 何とか奥池町に飛び出したことが判ったところで、右手(=西)正面に見える東お多福山方向に辿りながら現在位置を再確認するが
14:49 街路に出て最初の四つ辻を左折して緩やかに坂を下ってゆくと道標のある分岐に着き、やっと現在位置が特定出来てホッと一息
14:56 すぐ東お多福山登山口のバス停に着くが、バスの時刻にはかけ離れているので芦屋川駅まで歩道を辿ることとする
15:11 船坂谷に足を踏み入れてから東お多福山登山口まで全く人に出逢うこともなく静かな谷歩きが楽しめた満足感でノンビリ山麓道を伝うと、道端の樹木にウッスラと色づいた蕾が少しずつふくらみを増して来たようで芽吹きの季節が確実に近づいていることを教えてくれる
15:13 芦屋ゲート近くで一旦舗装道路に出るが、再び石仏谷から少し荒れた山道を伝い 荒地山を右手に見上げながら小さなアップダウンを楽しんだ後
15:34 急な下り坂になって下を走る車道にどんどん近づくと芦屋川の左岸に降り着き、飛び石伝いに右岸へ渡って
15:38 車道を横切りナマズ岩を右上に見ながら
15:46 再び中腹道を南に向かうが、所々に露岩が飛び出した荒れた場所もあるので足元には要注意
15:49 ナマズ岩から10分程で宝泉水に着くが今は完全に水涸れ状態で喉を潤すことも出来ない
15:55 5分程で左下が崩落した場所を通過するが、右手にはロープが張られているので積雪期であっても注意して通れば滑落の心配はないだろう
16:08 - 16:13 いよいよ山道最後の急階段を下ればゴールの芦屋川駅には10分程で到着するので、数々の楽しかったポイントの余韻に浸りながら階段を下っていると突然右膝に激痛が走り声も出せずに蹲る
少しましになったところで振り返ってみると階段の中央部分に飛び出した丸太止めの鉄杭にぶつけた事が判った
16:24 痛さも治まってきたので改めて階段を下り芦屋川沿いに足を進めて無事?芦屋川駅にゴール

今回の教訓は、余韻に浸る時でも充分足元などに気を配らなくてはならない という事だろう ヾ(_ _。)ハンセイ…

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