行者口 〜 剣尾山〜横尾山(784.9m) 〜 能勢の郷
コース概念図 コース断面図
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2005年04月19日 (火曜日)快晴 メンバー:3名
歩行距離 8.4q/歩行時間 4時間10分 (休憩時間 1時間29分) 所要時間 5時間39分
《レポート画像》
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到着 - 出発 《ルートポイントのあらまし》
10:56 阪急バスの「行者口」バス停で降りてバス道(国道173号)を向い側に渡ります。 正面には3m幅の舗装された道が北に伸びていますので真っ直ぐ玉泉寺への緩やかな坂をユックリ辿ります。
10:59 すぐ正面右手に玉泉寺が見えてきますので最初の辻を右折して玉泉寺の前に出ます。
玉泉寺は“句碑の寺”とも案内されていますが、案内板に寄れば

元々は剣尾山山頂部にあって“月峯寺(がっぽうじ)玉泉坊”と呼ばれていたそうで、戦火に逢い麓へ遷したものと案内されていますがご本尊は木造薬師如来座像で日光・月光菩薩像と十二神将を従えて安置されていて、10世紀後半から11世紀前半の作とも紹介されています。

11:06 すぐ東側の四つ辻を左折して、正面右手にこれから登る行者山を見上げながら3m幅の舗装道路を北に辿ります。
続いて現れる四つ辻をなおも真っ直ぐ進みますが行者山は奈良県の大峰山に対して摂津大峯とも呼ばれた一時代があったと紹介されています。
11:13 バス停からノンビリと15分も進みますと舗装路から右への分岐点が現れます。 ここが登山口で「おおさか環状自然歩道」の道標に従って右への広い山道を採ります。
11:13 左横には右 是より行者道と記された石柱が出迎えてくれます。
11:14 整備された植林に沿った2m幅の緩やかな道端に“行者山の史跡と由来”が書かれた案内板が目に止まります。
11:16 左へ曲がりますと丸太の階段登りが始まりますが、ある程度歩幅に逢わせて敷かれていますので歩き難さはあまり感じません。
11:22 階段道を5分程で一旦植林の中に付けられたなだらかなユリ道を辿ることになります。
11:24 鋭角的に右折する地点で左の樹間にコース中最初の行場“毛抜(けぬき)岩”が見えてきます。

※案内では行に先立ってこの岩で頭を丸めて身を清める場所と記されています。

11:27 やがて正面上部に大きな大日岩が見えだし、まるで行者山の門番でもあるかのようにドッシリと我々を見下ろしています。
※この岩の左下には彩色を施された磨崖仏、“大日如来座像”がヒッソリと見守ってくれています。
11:31 ここから同行のメンバーと別れて、私は行場コースを巡ってから再び合流する事として大日岩から左のルートを辿ります。
細い山道を3分程進みますと「胎内くぐり」につきますが、岩窟が落石で塞がっているようで潜り抜けることが出来なくなっているようです。
11:32 踏み跡を頼りに斜め上の捨て縄が下げられた急斜面を登ります。
11:35 斜面を登りきったところに“西ノ覗き岩”がありますので岩の端から下を覗いてみますが、持つところがありませんので真下を観ることは出来ませんでした。
11:37 さらに南に続く踏み跡をたどりますとすぐ“蟻の戸渡”岩につきます。

※この岩は周囲の岩角を伝って一周するための行場と手許の資料では説明されています。

11:40 次いで高さが22.5mの“廻り岩”が迎えてくれますが、この行場の目的は説明されていませんので岩上の一本松まで上がってみます。
11:40 何と“一本松”は岩の上に根を這わせているだけですが、不思議なことに少々揺すってみてもドッシリと居座って動きそうにありません。
“一本松”の枝越しにこの後訪れる「横尾山」が青空を背景に我々の到着を待ってくれています。
11:43 なおも南への踏み跡を辿りますと役行者が行を執ったといわれる祠に着きます。
ここには“爪刻行者(つめぼりぎょうじゃ)像”があると案内されていますが、いくら探しても爪で彫られた行者像を見つけることが出来ませんでした。
11:43 祠の南側にはクサリの架けられた“平等岩”が手招きしていますので、クサリを頼りに乗り越えます。
11:46 岩伝いに南へ辿りますと“登り岩”の上部に出ますので、「クサリを持って登る」と書かれている岩ですが、逆コースだったのでしょうか? 鉄ハシゴを使って下りる事とします。
11:38 一方、行場コースを歩かなかったメンバーは大日岩から一般登山道を辿り、役行者・不動明王・理源大師が祀られている“行者堂”前を通ります。
11:42 そして大きな岩に理源大師自身が彫ったと伝えられる薄く肉彫りされた理源大師座像を左に観て歩みを進めます。
11:44 さらに左手上部の洞窟内に刻まれた“洞の不動(ほらのふどう)”まで登ってカメラに納めます。
11:46 丁度行場コースから登山道に合流するところにトビ岩があります。
メンバーが全員揃ったところで、離れている大岩の間をトビ渡るという“トビ岩”を左に見やります。
11:49 やがて南側の展望が開けた場所に登り着きますと、高さが地上から17.75mある“東ノ覗き”岩が右手前方に現れます。
※“東ノ覗き岩”の先端からは“能勢の郷”を一望の下に見渡すことが出来ます。
11:51 ここからほんの一登りで平坦な尾根に登り着きますと、行者山(469m)の山頂を示す標柱が道の左側から迎えてくれます。
12:00 - 12:05 正面には送電鉄塔の建つ684m独標が待ちかまえています。
やや急な2m幅の地道を進み鞍部を越えたところでまずは給水休憩を挟みます。
12:18 鞍部から684m独標の東側を絡んでよく整備された樹間の道を進んで行きますと左手の小高い位置から一つ目の炭焼き窯跡が見送ってくれます。
12:21 さらに2〜3分で“ニホンジカについて”と書かれた案内板につきます。
※案内板には

野生のニホンジカは府下では北摂山系だけにみられ、特に剣尾山周辺は代表的な生息地の一つで、都市近郊の里山地域に生息しているのは全国でも珍しく・・(中略)

と保護の協力を呼びかけています。

12:29 - 13:21 暫くしますと「炭焼窯後」と書かれた標柱が現れて左手中腹に二つ目の炭焼き窯跡を見送ります。
続いて右側がやや開けた緩やかな上り坂を辿りますと三つ目の炭焼き窯跡が左手中腹に現れますので少し遅い昼食タイムとします。
13:25 食後のスタートをして開始すぐ、684m峰と剣尾山の鞍部で「風の峠」と呼ばれる明るい稜線に出ます。 殆ど風はありませんがノンビリと歩いていますのであまり汗が流れ出る事はなさそうです。
13:34 - 13:36 10分程で前方見上げる高さに「六地蔵」が見えてきます。
やや急な尾根道を登り切った所で赤い前掛けをしたお地蔵様が整然と迎えてくれます。
13:37 すぐ右横には「不動岩」と「曼茶羅岩」の二つの岩と、可愛い石仏「岩陰地蔵」が戯れるように置かれています。
13:38 「六地蔵」を後にして山頂への道を進みますが、この時にはまだ整備されていなかったようで倒れた老木が道を塞いでいましたので横から回り込んで先へ進みます。
13:41 2〜3分程で「青少年野外活動センタ」への道が右下に分岐します。
13:43 この分岐を過ぎますとすぐ「旧月峯寺」跡を示す石垣と案内標識が右手に見えてきますが、道は相変わらず快適で緩やかに登って行きます。
13:48 「月峯寺跡」を過ぎますとやや勾配が増してきます。
道端の樹木も少し自然林の密度が増してきますので展望は殆ど利かなくなります。
13:51 さらに勾配が増して来ますと前方が開け、丸木階段が現れます。
丸木の階段が緩く左に曲がると山頂は目前です。
13:55 - 14:08 「六地蔵」から20分程で360度の展望を楽しめる「剣尾山(784.0m)」の山頂に登りつきます。

※柔らかな春の日差しと時折木々の葉っぱを撫でて通り過ぎるそよ風が時間の経つのを忘れさせてくれますが、いつまでもくつろいでいる訳にも行きませんので予定通り「横尾山」目指します。

山頂の露岩から北の方向には大阪府の最北にある「深山(みやま)」が穏やかな山容を見せてくれます。
一方、西方向には「大野山(おおやさん)」、「大船山、「高岳」などが競うように春霞の山並みから頭を覗かせています。
14:11 山頂の露岩から北へ延びる稜線を辿ります。
一旦なだらかに下り始めますと一面のササ原が拡がります。
14:11 高原を思わせるクマザサは、時々吹き抜ける風に涼やかな葉音を聞かせてくれます。
14:22 山頂から10分少々で一つ目の“国界石柱(丹波と摂津の境界)”に到着します。
※石柱には何となく重みがあって年代を感じさせる文字が刻まれています。
14:25 石柱からは左(西方向)に稜線を辿りますが、道は一面の深いクマザサに覆われてかすかに見える程度ですが、右手にはあまり木立がありませんので北方向の展望を楽しみながら鞍部へのルートを進みます。
14:29 鞍部の付近にはコースの左側に沿って鹿除けの筒を被せられた檜の若木がササ原に植林されています。
14:44 鞍部から「横尾山」の枝尾根に登り返したところで二つ目の国界石柱が迎えてくれます。
すぐ右手には電波反射板が建てられていて、展望が良く休憩には向いていますが今回は立ち寄らずに左への尾根筋を登ります。
14:45 リョウブの林が途切れますとササ原の稜線から右手には深山高原や大野山など西側の素晴らしい展望を楽しみながらノンビリ山頂を目指します。
14:49 - 14:54 ササ原が途切れて立ち並ぶリョウブを縫うようにして山頂部に出ます。
ここから「横尾山」まで軽いアップダウンが続きますので、小広いピークで食後初めての休憩を挟みます。
14:56 再びササに覆われた尾根筋を緩やかに登りますとすぐ今回の最高地点「横尾山(784.9m)」山頂に着きますが、ほとんど眺望は得られませんのでここは通り過ぎる事とします。
※左の細い幹には手作りの山名板が付けられていますので山頂を見過ごすことはなさそうです。
※山頂には二等三角点(点名:土ケ畑 標高:784.85m)が埋められています。
15:01 山頂からはやや右寄りに続くササ原の中の尾根道を5分程進みますと、鹿除けのネットが現れます。 道はここでネット沿いにササ原の中、左(南方向)への急勾配を下ります。
15:04 足下に注意しながら急坂を下りますが、ネットの右(西)側には広々としたササ原が草原のように拡がっています。
15:05 急坂からやや平坦な尾根筋に着きますと、左には自然林が、右には一面のササ原で能勢の郷を見下ろしながらユックリと高度を下げていきます。
15:16 少し狭い岩尾根まで来ますと、前方に鉄塔が建てられたピーク(トンビカラ)が木の間越しに見えてきます。
15:17 岩尾根の先端部では大きな露岩を右手から捲いて細い岩棚を通過しますので、やはり足下には充分注意して通過します。
15:18 やがて先程垣間見えていた鉄塔の建つ岩峰「トンビカラ」への岩場に付けられた道をピーク目指して登ります。
15:22 - 15:30 鉄塔の手前で岩峰トンビカラ(680m)に立ち寄り、先程歩いた剣尾山から横尾山に続く稜線を目に焼き付けます。
15:31 ユックリ絶景を堪能した後は、麓に拡がる“能勢の郷”を眺望しながら急な岩場を慎重に下ります。 すぐ左(東)側には最初に取り付いた「行者山」の特長ある露岩群が目をひきます。
15:40 平坦な尾根筋に降りたってすぐ、左側がキレ落ちた痩せた岩峰の肩を通りますがよく整備されたコースですので見た目程のスリルを感じることもなく通過します。
15:45 5分も尾根道を下りますと頂上広場と呼ばれる平坦な尾根につき、ここから先は「大阪府立能勢の郷野外活動センタ」として整備されたエリアですので、色んな名前の付けられたルートが設けられています。
15:57 小鳥のテラスと名付けられた急な岩道のコースを下りますが、次第に松などの普段見慣れた木が多くなってきます。
16:03 - 16:07 次第に丸木組の階段道に変わってきます。 急ぐこともありませんので平坦な場所を見つけて小鳥の声を聞きながらの休憩タイムとします。
16:17 手許の地図には載っていないのですが10分で“一休み峠”に到着します。
四つ辻になっていて“左:水辺の広場/右:森林学習館”と道標には書かれています。 直進方向には“つづら折れ口”と書かれていますので直進することにします。
16:29 確かに尾根の先端部からは少し急なつづら折れが始まりますが、樹林の中を下りますので眺望には恵まれません。

山裾へ降り立ちますと左方向から“水辺の広場”のコースが合流してきます。

16:33 50mも歩きますと何だか雰囲気のある茅葺き屋根が見えてきますので早速傍まで降りてみますと「能勢町郷土館」と案内表示があります。 ただし“土日祝以外は閉鎖中”と書かれていますのでそのまま素通りします。
16:35 すぐ車道に出ますと後はユックリ汗を流すだけですので、ノンビリと今回のゴール《元》簡保の宿・能勢に到着です。
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